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常に生活がギリギリの境界線(?)にあるウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のテーマは「ローランドとハイランドの境界線上にある蒸留所『グレンゴイン Glengoyne』」についてです!!
スコッチモルト好きの中では、人気の高い『グレンゴイン Glengoyne』。
この蒸留所が造るウイスキーはノンピートで仕上げているため、スモーキーフレーバーはほとんど感じません。
全体的にナッツのようななめらかさと芳醇な味わいが特徴です。
『グレンゴイン Glengoyne』は現在、スコットランドの生産区分では「ハイランド」に入る蒸留所。
ただ、蒸留所内にハイランドとローランドの境界線があるらしく、時代によっては「ローランド」に属されることもあったそうです。
【スコッチの生産区分「ハイランド」について詳しく知りたい方はこちらをクリック】
今現在「ハイランド」に属される理由は、「仕込み水がハイランドだから」だそう。
小さい蒸留所ですが、ウイスキーお題材にした映画「天使の分け前」のロケ地にも使われました。
現在、大手ボトラーズのイアン・マクロード社が所有。日本では、アサヒビールが販売権を持っています。
グレンゴイン Glengoyne蒸留所について
『グレンゴイン Glengoyne』蒸留所は、スコットランドの主要都市「グラスゴー」から北に20kmほどのところにある蒸留所です。
グレンゴイン Glengoyneの「Goyne」はゲール語で「野生の雁」という意味。
つまり「野生の雁の谷」って意味だと思います。
ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン(ポップスターの方とは別人です)が「最も価値のある美しい蒸留所」と謳う蒸留所だそう。
かなり趣があり、観光にも最適な蒸留所かなと思います。
グレンゴイン Glengoyneのストーリー
『グレンゴイン Glengoyne』の創業は、1833年。
ただ、それ以前からグレンゴインのあった地域は、18を超える密造所があったそう。
実はグレンゴインもその密造所の一つだったという説もあり、密造時代から見ていくともっと歴史のある蒸留所です。
その密造所時代の名前は「バーンフット蒸留所」。
1833年にこの蒸留所も経営者ジョージ・コンネルが、酒税法改正を受けてウイスキー製造ライセンスを取得しました。
ライセンス取得と同時に、バーンフット蒸留所から「グレングイン」と名前を変えます。(諸説あり)
1876年にラング・ブラザーズ社が買収。(この時に「バーンフット」から「グレングイン」に改名という資料もあります。)
以来ブレンデッドウイスキー「ラングス シュープリーム」の主要原酒として使われるようになりました。
1905年に現在の「グレンゴイン Glengoyne」を名乗るようになります。
1965年、ラング・ブラザーズ社をロバートソン&バクタ―・グループ(現エドリントン・グループ)が買収。
この時にグレンゴイン蒸留所は改築され、近代的な設備が導入されます。
また、蒸留器も1基増設されたそうです。
ウイスキー大手のエドリントン・グループが買収したことで、今後エドリントンが運営し続けるのかと思いきや……
2003年エドリントン・グループは、イアン・マクロード社に『グレンゴイン』蒸留所とブレンド権、『ラングス』のブランド権を720万£で売却します。
イアン・マクロード社は、長年ウイスキーを取り扱っていた老舗。
ブレンドやボトリングを行い、ボトラーズとして人気です。
中でも同社の「チーフタンズ」シリーズは、ウイスキーファンから強く支持されています。
この取引で、イアン・マクロード社は『グレンゴイン』蒸留所のウエアハウス(熟成庫)に残る原酒までゲットすることができました。
イアン・マクロード社が買収する以前のグレンゴインは、ほとんどが「ラングス シュープリーム」の原酒用。
シングルモルトではあまりリリースしていなかったそうです。
グレンゴインのポテンシャルに気付いたイアン・マクロード社は、シングルモルト『グレンゴイン』に力を入れていくようになります。
シングルモルト用の生産量を増やし、劇的にシングルモルトの品ぞろえを拡大させていきました。
酒齢10年~21年を主力にシングルカスクなどもリリース。
そして現在、
時間をかけ、伝統に乗っ取ったこだわりのウイスキーを造っています。
グレンゴイン Glengoyneのこだわりの製法
グレンゴインは、蒸留所より北にあるダムゴインの丘から流れ出る水を仕込み水にしています。
原料の大麦は、かつてはゴールデンプロミス種というウイスキー界に革命をもたらした大麦を使っていました。
今では優良品種のオプティック種やコンチェルト種を使っているようです。
グレンゴインの使用麦芽はノンピート。
ダムゴインの清涼な水とノンピート麦芽を混ぜて糖化させていきます。
そして得た麦汁を、オレゴンパイン製の発酵槽で約56時間かけて発酵させていきます。
(発酵時間は平均値よりやや短め。)
その後、初留釜1基、再留釜2基の3基のポットスチルで蒸留していきます。
その3基すべてが、「ボール型」という銅との接地面積が大きくなる構造をしています。
接地面積が大きくなると、よりオフフレーバーを取り除き、「原酒を磨く」ことができるそう。
そして、ラインアームは下向きになっているため、力強い原酒を生みやすくなっています。
年間約90万ℓ以上のスピリッツを生産しています。
熟成は1/3がシェリーカスク、残りがリフィルカスクを使用しているそうです。
【ウイスキーの製造をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!】
グレンゴイン Glengoyneのラインナップ
グレンゴイン 10年 Glengoyne 10 years old
アルコール度数 40%
容量 700ml
参考価格 3500円
『グレンゴイン蒸留所』からリリースされているシングルモルトの中でスタンダードな一本。
リンゴっぽいフルーティさ、ナッツのような味わいにモルトの優しい甘みが特徴。
ノンピートで仕上げているため、スモーキーフレーバーはほとんど感じません。
そのため、モルトウイスキーの「やさしさ」を感じやすいかなと思います。
飲み方はハイボールでも美味いですし、ストレートもオススメ!!
フィナンシェなどの焼き菓子や、白身魚のムニエルとかと合いやすいかなと思います。
グレンゴイン 12年 Glengoyne 12 years old
アルコール度数 43%
容量 700ml
参考価格 4500円
1st フィルのシェリー樽、1stフィルのバーボン樽、リフィルカスクを利用した12年以上の原酒を使用したグレンゴイン。
10年物に比べて、ココナッツフレーバーやバニラクリームといった印象も感じられるかなと思います。
ややバーボン樽のニュアンスが強く、結構飲みやすいです。
ウイスキー初心者やクセ強いウイスキーは苦手って方にはオススメです!
グレンゴイン 18年 Glengoyne 18 years old
アルコール度数 43%
容量 700ml
参考価格 12000円
バーボン樽とシェリー樽で18年以上熟成したグレンゴイン。
熟したリンゴとかアップルパイに近いリンゴ感に、芳醇なナッツ。メロンやダークチョコといった印象も感じられます。
全体的にはバランスがいいですが、余韻が長く心地よいです。
リッチで後味はドライ。
満足度の高い一本かなと思います!!
グレンゴイン 21年 Glengoyne 21 years old
アルコール度数 43%
容量 700ml
参考価格 15000円
1stフィルのシェリー樽のみで21年以上熟成させた希少な原酒を使用した一本。
ヘーゼルナッツやレーズンといったニュアンスに、ややクローブのようなスパイス感、ベリー系のフルーティさが特徴。
かなり濃厚で芳醇です。
特別な日の一本や大切な人への贈り物にいいかもしれません。
「グレンゴイン21年」はぜひ一度ストレートで味わってもらいたいウイスキー!
飲める機会がありましたら、ぜひ飲んでみてください!!
グレンゴイン Glengoyne蒸留所データ
創業……1833年
創業者……ジョージ・コンネル
オーナー会社……イアン・マクロード
年間生産能力(100%アルコール換算)……約110万ℓ
使用麦芽……ノンピート(オプティック種、コンチェルト種など)
仕込み水……ダムゴインの丘から流れる水
発酵槽……6基(オレゴンパイン製)
ポットスチル……初留釜1基、再留釜2基(すべてボール型)
生産区分……南ハイランド
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
グレンゴインは、よく行くバーのマスターが好きな銘柄。
まだウイスキーをよく知らなかった当時、スコットランドで買ってきたという一本とかも飲ませてもらい、感動した記憶があります。
ちょっとだけ思い入れのある銘柄で、個人的にはかなり好みの味わいのウイスキーです。
こういったウイスキーの出会いに感謝しながら、今日もウイスキーを楽しみたいと思います。
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします!!

