“ローランドの雄”といわれるのどかなウイスキー蒸留所『グレンキンチー Glenkinchie』!そのストーリーと特徴を解説

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本日もお越し頂きありがとうございます!!

のどかな田舎の風景に癒しを感じるウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

 

今回のテーマは「グレンキンチー Glenkinchie蒸留所」についてです!!

 

 

【このウイスキーが好きな人にはオススメ!!】
角瓶・白州・グレンフィディック・グレンリベット

 

グレンキンチーは、上品でナッツやシリアルのようなまろやかさと素朴な甘みが特徴のウイスキー。

ライトで飲みやすい味わいから「食前酒」として人気の高い銘柄です。

 

グレンキンチー蒸留所の生産するウイスキーは、約90%がブレンデッド用(ヘイグ、ジョニーウォーカーなど)

シングルモルトは残りの10%程度です。

 

シングルモルトの生産量は少ないですが、『クラシックモルト』シリーズの一つに選ばれています

 

 

目次

グレンキンチー Glenkinchie 蒸留所について

 

グレンキンチーは、スコッチランド・ローランド地方に現存している数少ない蒸留所の一つ。

スコットランドの首都『エジンバラ』から20マイル(約32㎞)ほどの距離にあります。

 

首都の喧騒から少し離れ、大麦畑が広がるのどかな風景の中にグレンキンチー蒸留所はあるそう。

数少ないローランドのモルトウイスキー蒸留所の中で、『グレンキンチー』はエジンバラに特に近いことから『エジンバラモルト』と呼ばれているそうです。

 

グレンキンチー Glenkinchieは、蒸留所の横を流れる『キンチー川』からつけられた名前。

そして「キンチー」という名前は、14世紀フランスから渡来し、この地を支配していたド・クインシー家にゆかりがあるのだとか……。

 

かつてはキンチー川の水を仕込み水に使用していたそうですが、今では水質汚染の影響で使っていないそう。

現在、蒸留所から少し離れた『ラマルミュアーの丘の泉』を使用しているそうです。

 

 

グレンキンチー Glenkinchieのストーリー

 

グレンキンチー蒸留所は、1825年ジョン&ジョージ・レイト兄弟の設立したのがはじまり。

当時の名前は『ミルトン蒸留所』と名乗っていたそうです。

 

1837年にライセンス取得。この時に『グレンキンチー』蒸留所に改名します。

そのため、1837年創業と書いてある文献もあります。

 

グレンキンチーの経営は、大変厳しい状況だったそう。

1853年には破産してしまい、製材所として利用されていたそうです。

 

その後ブレンデッドウイスキーが人気となっていた1881年に、エジンバラのウイスキー商、ブレンダー、ウイスキー好きな投資家たちが出資し買収。

 

『グレンキンチー蒸留所』復旧プロジェクトが始動します!!

このプロジェクトは、10年もの歳月がかかってしまったそう。

その結果、蒸留所は赤レンガが特徴のヴィクトリア朝スタイルの建物に生まれ変わりました。

 

またこの時に、マッシュタン(糖化槽)も全自動式のものに買い替えられ、鉄道側線を導入したそうです。

小規模生産の蒸留所から、生産性の高い効率的なウイスキー蒸留所へ変貌を遂げました。

 

グレンキンチーにとってターニングポイントとなったのは、1988年。

ウイスキー最大手の企業ディアジオ社所有となっていた「グレンキンチー」は、同社の『クラシックモルトシリーズ・ローランド代表』に選ばれます!!

 

その結果、グレンキンチーは、『ローランドの雄』・『エジンバラモルト』と呼ばれるほど人気銘柄となっていきます。

 

 

『クラシックモルトシリーズ』とは……

ディアジオ社の前身UD(ユナイテッド・ディスティラーズ)社が提唱したシングルモルトシリーズ。
スコッチウイスキーの地域ごとに代表的なシングルモルト銘柄をフォーカスし、シングルモルトウイスキーの地域の特色をつかみやすくしたシリーズです。

そのため、スコッチシングルモルトを知りたい方は、このシリーズのモルトウイスキーから入っていくといいと思います!!

 

 

グレンキンチー Glenkinchieのこだわりの製法

 

グレンキンチーの仕込み水は前記したように『ラマルミュアーの丘の泉』。

この水はスコットランドでは珍しく中硬水です。

 

この中硬水の仕込み水が、グレンキンチーの最初のこだわりポイント

この仕込み水が、グレンキンチー独特のドライな味わいを生みやすいのだとか……

 

創業当初大麦は、元々自給自足だったそう。

 

ヘイト兄弟が、

大麦を栽培し、それを麦芽にしてウイスキーを仕込んでいたのだとか。

ただ今では、麦芽は麦芽専門業者(「モルトスター」といいます)に委託しています。

 

ただ、ヘイト兄弟も使っていたという創業当初からある木製のウォッシュバック(糖化槽)は今でも使われているそう。

木製のウォッシュバックは、乳酸菌などが繁殖しやすい特徴があります。

その分、管理が難しいみたいですが、いわゆる「蔵つき」の菌も多いそう。

 

蒸留所独特の発酵由来の味わいが、ウイスキーにも残りやすいそうです。

 

こうして発酵したモロミを蒸留していきます。

グレンキンチーの蒸留器(ポットスチル)は全部で2基(初留1基、再留1基)。

ただ、このポットスチルがかなり巨大!!

スコットランドでも最大級のポットスチルで、

特に大きい初留釜は、容量なんと3万963ℓだそうです。

 

ポットスチルのサイズが大きいほど、ライトな味わいになりやすいといわれています。

 

さらにグレンキンチーのポットスチルは「ランタン型」といわれる形。

ランタンのようにヘッド(ネック)が膨れています。

こういった形のポットスチルは「還流」という現象が起きやすいといわれています。

 

ここでいう『還流』とは……

ポットスチル内で蒸気が再び液体に戻り、蒸留前の液体に混ざっていく現象のこと。
この現象が起きることで、重たい味わいになりやすい成分やオフフレーバーを除去しやすくなるそうです。

[sitecard subtitle=詳しくは…… url= https://www.yaffee.work/entry/whisky-still]

 

グレンキンチーのライトですっきりとした味わいは、この蒸留器からの恩恵が大きいようです!

 

【ウイスキーの製造をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!】

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.yaffee.work/entry/maltwhisky/tukurikata_ ]

 

グレンキンチー Glenkinchieのラインナップ

 

グレンキンチー 12年 Glenkinchie 12 yo

熟成年数 12年以上
アルコール度数 43%
容量 700ml
参考価格 3000~4000円

 

ライトで上品かつ、素朴なやさしさがあるウイスキー。

 

シリアルやナッツのニュアンスが特徴的で、程よいフルーティさとかすかなスモーキーフレーバーがあります

 

そして後味にはスパイシーな印象。

 

特にライトで後味のスパイシーさが、食前酒にオススメな一杯かなと思います。

ハイボールにしても、食事の邪魔をしにくい「やさしさ」は健在!

ハイボールなら食中酒としても楽しめるかなと思います!

 

パルミジャーノ・レッジャーノやペコリーノ・トスカーノのようなハードタイプのチーズや生ハムとモッツアレラを組み合わせた料理とかと合いやすいのではないでしょうか。

 

 

グレンキンチー Glenkinchie蒸留所データ

 

創業……1825年(ライセンス取得は1837年)

創業者……ジョン&ジョージ・ヘイト兄弟

オーナー会社……ディアジオ

年間生産能力(100%アルコール換算)……約250万ℓ

仕込み水……ラマルミュアーの丘の泉

発酵槽……木製6基

ポットスチル……初留釜1基、再留釜1基

生産区分……ローランド

 

 

最後に……

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか?

 

グレンキンチーは、僕にとって「スパイシーさ」・「シリアル感」と「ローランドモルト」の特徴を教えてくれたウイスキーです。

 

まだシングルモルトにハマりはじめたぐらいの時に買って、感動した記憶があります。

 

ただグレンキンチー自体、「スモーキーなスコッチ」が好きな人から見れば、物足りないウイスキーかもしれません。

 

確かにスモーキーなウイスキーに比べたら「騒がしくない」です。

ただ、こっちは「のどか」って印象がピッタリのモルトウイスキーですごく落ち着きます!

 

まるでこの蒸留所のような都会の喧騒からちょっと離れたのどかな田園風景のように。(笑)

 

「のどか」なウイスキーぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

それでは良いウイスキーライフを!

また次回もよろしくお願いいたします!


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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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