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ウイスキーコニサー認定試験用 モルトウイスキーの製造 ~製麦・糖化~


ウイスキーコニサー資格認定試験教本2018【上巻】




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製麦

モルトウイスキーでは、大麦の品種(ヴィンテージ)より、麦芽品質(製麦技術)の方が重視されている。

<製麦の目的>

 ① 大麦を発芽させ、デンプンを糖に、タンパク質をアミノ酸に変えるために十分な酵素を 大麦中に生成する。

 ② 大麦中のデンプンやタンパク質が、容易に水に溶ける状態にする。

 ③ 加熱乾燥時に特有の香りと色を付ける。(ピート香)

 グリーンモルト…水分を多く含み、大麦の粒中に糖化に必要な酵素を活性化させた状態のもの。

※デンプン分解酵素は、生成されるが、この時点で分解されるデンプンはごくわずか。

※タンパク質の分解は大幅に進行する。

 

製麦工程

 

 

  • ① 収穫、この時の水分量は16~20%
  • ② 風燥、自然乾燥で水分量12~15%に
  • ③ 保管、一定期間休眠させないと発芽が不均一になる傾向がある。
  • ④ 選粒、大きさをそろえることで吸水や発芽が均一になる。
  • ⑤ 浸麦、ウェット&ドライという作業で、汚れを落とし、水分量を45%まで上げる。
  • ⑥ 発芽、麦粒の全長に対して芽の長さが 2/3~5/8 程度生長した段階で完了する。
  • ⑦ 乾燥、80℃を超えない温度で加熱し、水分量4~5%程度まで乾燥させる。  
  • ⑧ 除根。水分の再吸収を防ぐために行う。

 

・保管

休眠期間のことを「ドーマンシー」という。収穫後の大麦が発芽しないこの期間がある

ため、サイロで一定期間(2~3か月)保管する。

 

・浸麦

ドライ&ウェット=仕込み水に浸す作業と通気して十分な空気を与える作業 。水分を含ませつつ、酸素を十分与え、呼吸で生じた二酸化炭素を除くことが肝心。

 

・発芽

この間、大麦は発芽や換気が均等に行われるように麦粒はたえず撹拌される必要がある。

目安の段階以上生長させてしまうと逆にデンプンが消費され、アルコール収率が悪くなる。

 

・乾燥

水分量が4~5%以上では、微生物による汚染のリスクが高まったり、粉砕時に割れにくくなったりする。また、乾燥時に80℃以上にしてしまうと、発芽で生成した酵素の活性が失活してしまう。

ピートによる薫香を付加する場合、ピートの成分であるフェノール化合物は水に溶ける性質がある。麦粒の中まで成分を浸透させることができるため、大麦の水分が残った状態でピートを炊き込んでから無煙炭に切り替えて乾燥を行う。全乾燥をピートにしてしまうと薫香が強く付加されてしまうので、必要量のみを付加するのが一般的である。 (例外、スプリングバンクロングロウは全量ピート乾燥。)

 

<主なモルトスター(製麦業者)>

ディアジオ(製麦所:バーグヘッド、グレンオード、ポートエレン、ローズアイル)       

・ベアーズ・モルト

・ボート・モルト(ブート・モルト

・クリスプ・モルト

シンプソンズモルト

 

 

 

 

仕込み・糖化

麦芽自体が持つ各種酵素の作用により、麦芽中のデンプンやタンパク質を分解して可溶化し、発酵性糖類やアミノ酸を生成する工程。

 

<糖化の目的>

  • ① デンプンを酵母が利用できる麦芽糖などの分子量の小さい糖に分解し、麦汁を得る こと。
  • ② 不溶解な固形成分を濾過により取り除くこと。

 

麦芽の粉砕

麦芽モルトミルという回転する2本のロールの間を通過することで粉にする。ロールは2本が2組ある4本ローラータイプのものを使用する蒸留所が多い。

モルトミルはハンマーミルよりハスクに対するダメージが小さくできるという利点が

ある。

粉砕された麦芽は粒の大きさで以下の3段階に分けられる。

構成     粒径         比重比

ハスク    1.4mm超     20%

グリッツ   1.4~0.2mm  70%

フラワー   0.2mm未満    10%

※ハスクには殻皮が多く含まれ、のちの麦汁を濾すときの、濾材となるため必要である。

※粒径が細かいほど、糖分は多く得られるが、同時に不溶性固形分や脂肪分も多く、抽出されてしまう。それらの成分が発酵時に、酵母と反応し、望ましい香味成分の生成を阻害されるため、粒径はグリッツが望ましい。

 

糖化方法

 

 

・糖化方法の主な種類

ワンステップインフュージョン

マッシュを設定温度(65℃程度)に保った状態で麦汁の抽出を行う方法

ツーステップインフュージョン

初めに50℃程度でタンパク質を分解する工程があり、その後65℃に昇温して、麦汁の抽出を行う方法

デコクション マッシュの一部を取り出し煮沸を行い、元のマッシュに戻

す方法。

 

ウイスキーの製造では、一般的に短時間で処理が可能で、設備も簡便なため、ワンステップ

インフュージョン法を使用することが多く、残りのツーステップインフュージョンやデコ

クションは処理に時間がかかるが、原料のタンパク質を分解して濁りの少ない麦汁を得る

ことができるため、主にビールの製造に用いられる。

麦芽1トンに対して麦汁は5000~5500ℓ程度。これをマッシュレイシオという。

 

※一番麦汁は糖度約20度、二番麦汁は糖度約5度で平均糖度は約13~14度(モルトウイスキーの仕込みでは麦芽1に対して仕込み水は4:2:4となる)である。

※75℃を超えるような温水を加えた時点で、麦芽酵素活性は失活する。

 

・マッシュタンについて

そこにロイター板と呼ばれる漉し器が設置されているロイタータンが主流である。

ロイタータンにはセミロイタータンとフルロイタータンがあり、セミロイタータンはレーキが固定式であるのに対し、フルロイタータンは、レーキが上下しながら撹拌するため、ハスク等の沈殿がスムーズに進行する。

 

糖化後麦汁の温度は60~70℃となるが、そのまま酵母を投下すると死滅してしまうため、麦汁を冷却する必要がある。

 

糖類について

 

発酵性糖類…酵母が資化することのできる糖類のこと。グルコース、フルクトース、スクロール、マルトース、マルトリオース、マルトトリオースなど単糖から 4 糖類程度が含まれる。

非発酵性糖類…酵母が資化できない糖類のこと。5糖以上のデキストリンやα₋1,6 結合を 含む2糖から 4 糖が、非発酵性糖類である。

 

デンプン分解酵素

α₋アミラーゼ…アミロースのα₋1,4結合部分をランダム(7~8糖程度のデキストリン) に分解する。最も活性が高まる温度は 65~70℃。

β₋アミラーゼ…アミロースのα₋1,4 結合部分をマルトース(2 糖)単位で端から切断する。最も活性が高まる温度は57~66℃。

※両方の分解酵素の活性が高まる 65~66℃の温度で糖化することが一般的だが、温度が高くなるとβ₋アミラーゼの活性が弱まり、デキストリンの割合が増えるため、甘くフルボディな酒質となる。逆に低い温度ではβ₋アミラーゼが十分に働くため、ドライでライトな酒質となる傾向がある。

炭水化物名      通称    糖類     麦汁中の構成比

グルコース     ブドウ糖   単糖       10

フルクトース     果糖    単糖        1

マルトース      麦芽糖   2糖       46

スクロース      ショ糖   2 糖        5

デキストリン、マルトリオースなど3 糖以上      38

麦汁の状態

清澄な麦汁…エステル量の多いニューポットとなる…香味成分が多く、薫り高い…軽やか、華やかな酒質となる

 

濁った麦汁…エステル量の少なく、脂肪酸リノール酸リノレン酸が多いニューポットとなる …香味成分が少ない…重み、厚みのある酒質となる

不飽和脂肪酸リノール酸リノレン酸が、発酵時に酵母エステルを生成する働きを

阻害するため濁った麦汁ではエステル量が少なくなると考えられている。

 

ビールとウイスキーの糖化の違い

 

  • ① 糖化方法の違い …一般的にモルトウイスキーはワンステップインフュージョン、ビールはツーステップインフュージョンやデコクションを用いる。
  • ② マッシュレイシオの違い… モルトウイスキーでは麦芽:麦汁が1:5程度に対してビールでは1:1.5~3.5 となっている。
  • ③ 麦汁の煮沸の有無 …モルトウイスキーでは、麦汁の煮沸は行わず、糖化酵素の活性が残ったまま発酵するため、発酵中でも糖化が行われているが、ビールでは、基本麦汁を煮沸し、ホップを加えることで濁りの成分である熱凝固性タンパク質を除去し、味と香りを付加する。品質の安定化のため、発酵前に殺菌し、酵素の活性を失わせる意味合いもある。

 

 

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