Yaffee's Whisky Blog

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ウイスキーコニサー認定試験用 モルトウイスキーの製造 ~貯蔵/熟成~


ウイスキーコニサー資格認定試験教本2018【上巻】

貯蔵/熟成

蒸留直後の蒸留酒は無色透明で刺激が強く、荒々しい舌ざわりと味が特徴。飲みにくいニューポットを基本的な性格は変えることなく、よりおいしいものにするために貯蔵熟成を行う。

 

<熟成中の変化>

・蒸留直後のオフフレーバー(未熟臭など)が取り除かれる。

・フレーバーが増強される。

・全体に円熟味、円滑さが増加する。

 

<樽熟成の作用>

・酸化熟成が進行する

エステル化が進行する

・アルコールと水の会合が進行する

・樽材成分(バニリン、タンニン、色素、酸類、ポリフェノール類など)の溶出が進行する。

・アルコール、水及び未熟臭が外界に蒸散し、アルコール度数、容量が変化する。

 

樽材成分はアルコールにより抽出されウイスキーの中に分解、溶出されるが、最も効率よく抽出できるのが、63%前後であるため、多くの蒸留所ではこの度数で樽詰めされる。

 

エンジェルズシェア(天使の分け前

貯蔵中に水やアルコールなどは蒸散し、ウイスキー量は通常(スコットランド)、年2~3%ずつ減少していくこと。

 

熟成の3つの概念

 

  • ① 貯蔵中に消えていくもの …未熟感に関与するもの。(硫黄化合物 DMS、DMDS など)
  • ② 貯蔵中に発現・増加するもの …熟成感に関与する。

  ・樽材からの分解・溶出(バニリン、タンニン、クエルクスラクトンなど)

  ・エステル化の進行(カプロン酸エステル、カプリル酸エステルなど)

  • ③ 貯蔵中に変化しないもの(原酒の全体量が減るため、構成比率で増加するもの) …基本的な特徴として存在しているもの。

  ・高沸点成分(高級アルコール類、高級脂肪酸類)

 

 

香味に関する微量成分

・フーゼル油

アルコール発酵時の際に生じる高級アルコールの総称。これらと酸が反応してできるエステル類には果実のような芳香がある。

・高級脂肪酸エステル

高級脂肪酸エタノールなどと化合して生成される油性成分。アルコール分55%以上では溶解しているが、40~43%で液温が低下すると不溶化し濁って見えるようになる。酸化すると不快な油臭を発生させる。

不飽和脂肪酸

脂肪酸の炭素間に2重結合をもつもので、リノール酸リノレン酸などがある。

発酵工程でエステル類を減少させる原因物質とも考えられていて、濁った麦汁には不飽和脂肪酸が多く含まれている。

 

>ウイスキーに関係するオークの種類

<p

・ホワイトオーク(White Oak)

学名 Quercus alba クエルクス・アルバ

ウイスキー樽の代表的品種で、通直性と強度に優れている。比較的安価で、明快なバニラ香を得ることができる。

 

・コモンオーク(Common Oak) 

学名 Quercus robur クエルクス・ロブール

ヨーロッピアンオークの代名詞。古くからワインやブランデーで利用されてきた。独特のフルーティさや重厚感などをもたらしてくれる。

 

・セシルオーク(Sessile Oak)

学名 Quercus petraea クエルクス・ペトラエア

ワイン樽の多くがこの材木を利用している。

 

ミズナラ

学名 Quercus mongolica クエルクス・モンゴリカ

ホワイトオークに比べてねじれて生長する性質があるため、柾目に加工しにくく、水漏れもしやすい欠点があるため、加工する際はほかの材より厚みをとり、対処する必要がある。これに貯蔵したウイスキーには白檀・伽羅に通じるオリエンタルな香味を付加できる。

 

スコッチウイスキーにおいて使用樽に関する法改正について

 ↓↓↓

yaffee28ppm.hatenadiary.com

ウイスキー樽の種類とサイズ

 

樽の名称 容量(ℓ) 特徴

・バレル(Barrel)180~200ℓ

アメリカでホワイトオークを材料にバーボン、カナディアン用として作られ、スコッチやジャパニーズ他各国で古樽が用いられる。

 

・ホグスヘッド(Hogshead) 250ℓ

バーボンバレルを解体し、側板を増やして作り直された樽250ℓが標準でスコッチ用に多用されている。

・パンチョン(Puncheon) 480~500ℓ

 もともとビール用とラム用があったが、サントリーが 480~500ℓのものをウイスキー樽として用いている。トースト処理が一般的。

・バット(Butt) 480~500ℓ

 別名シェリーバット。もともとはシェリーの運搬用に用いられていた。主にホワイトオークまたはヨーロピアンオークを材料として作る。現在はシェリーの熟成庫(ボデガ)にてウイスキー生産者が独自に作った樽を持ち込み、シェリーを一定期間シーズニングしてからウイスキー樽として用いられる。トースト処理が一般的。

・オクタブ(Octave) 45~68ℓ

 シェリーバットの 1/8 サイズ。熟成が早くなる。

・クォーター(Quarter) 110~159ℓ

シェリーバットの 1/4 サイズ。熟成が早いため、クラフト蒸留所やフィニッシュで用いられることが多い。

・パイプ(Pipe) 410~650ℓ

ポルトガルのポートなどで用いられていたもの。

 

フィニッシング、ウッドフィニッシュ…通常の熟成の後で、短期間別の樽で仕上げの熟成を施したもののこと。その樽の個性を付加させることができる。

 

シェリカスクについて

 

シェリー酒

以下の生産地を中心とする地域で栽培された白ワインを使い、醸造された酒精強化ワイン。

 

1)生産地

スペイン南部、アンダルシア地方

へレス、サンタマリア、サンルーカル

 

2)ブドウ品種

パロミノ種    全体生産量の95%

ペドロヒメネス種        5%弱

モスカテル種          1%程度

 

3)主な分類

パロミノ種

 フィノ Fino (辛口)

 マンサニージャ Manzanilla (サンルーカルで作られる辛口フィノタイプ)

 アモンティリャード  Amontillado  (フィノの酸化熟成タイプ)

 オロロソ Oloroso  (辛口の酸化熟成タイプ)

 

ペドロヒメネス

 ペドロヒメネス Pedro Ximenez (極甘口タイプ)

 

モスカテル種

 モスカテル Moscatel (極甘口タイプ)

 

シェリカスク

イギリスは古くからシェリーの第一の消費国ということもあり、エジンバラグラスゴーといった都市には、シェリーの輸出に使われた空き樽が大量に余っていた。

これにスコッチウイスキーを詰めて熟成を行っていたため、20世紀半ばにバーボン樽が登場するまでは、シェリー樽熟成が主流だった。

 

シェリーシーズニング)

ソレラシステムにより熟成させるシェリーでは、熟成用の樽を長く大事に使われるため、運搬用の特別な樽がウイスキーの熟成には利用されてきたが、現在は瓶詰して輸出が義務付けられたため、シェリー樽不足がおきている。

そこで今では独自に調達した新樽をボデガに持ち込み、指定したシェリーを詰めてシーズニングを行ったものをシェリー樽として使うことが多くなった。

 

*シーズニングで使われたシェリーは基本新樽に詰められるため、樽の個性が強すぎる。基本的にはシェリーの酒精強化用のブランデーとして蒸留されることが多い。

 

 

 

 

アメリカの製樽工場

  • ⒈ インディペンデント・スティープ・カンパニー
  • ⒉ ブラウンフォーマンクーパレッジ    

<チャーリング、トースティング >

チャー(Charr)とは樽内面を熱処理することのうちの、強い熱で急激に木材の炭化させることで、トーストはゆっくり遠赤外線を使い、焙煎効果で加熱する方法。

これにより、樽材表面に甘い熟成香味成分を生成することができる。(ヘミセルロースの分解による多糖類の生成や、カラメル、トースト香の形成、バニリン、フェノール類の生成など)

  

熟成庫(Warehouse)

 

 樽を積む方法として

・ダンネージ式(dunnage)

・ラック式(rack)

・パラダイス式(palletaise)

 がある。

1)ダンネージ式

伝統的な熟成庫のことで、床に直接期のレールを敷き、その上に樽を並べる方式 温度・湿度差で熟成の違いがおきにくいように、一般的には3段までしか積まない。

そのため広いスペースが必要で、樽の出し入れも難しいことから効率は悪いが、風土の個性が出やすく、長期熟成に優れている。

2)ラック式(アメリカではオープンリック式)

 鉄製の巨大な棚に樽を並べてゆく方式で、伝統的なダンネージ式に比べて狭いスペースで大量の樽を貯蔵することができる。また樽の出し入れも容易なことから、生産規模の大きい蒸留所ではダンネージと併設して、ラック式を採用しているところも多い。

3)パラダイス式

 パレット板の上に樽を縦置きに並べ、その板単位で数段に積み上げていく方式で、ラック式よりもさらに省スペースで熟成でき、樽の移動もパレット板単位で行えるため容易である。樽を縦置きすると、オーク材とウイスキー接触面積が大きくなり、熟成が早いという利点があるが、反対に液漏れがしやすく熟成ロスも大きいという欠点もある。 日本では耐震性の問題があるため、採用は困難である。

ボトリング

冷却濾過(Chill filtering)

ウイスキーの成分中には低温時に綿状のフロックを形成したり、白濁したりする原因となる物質がある。特に40~43%のアルコール度数のウイスキーで顕著に表れる。ウイスキーの香味に関する成分が多いが、消費者イメージという観点から冷却してから濾過を行うチルフィルタリングを行うことが多い

加水・ボトリング度数

 一般的にウイスキー製品のアルコール度数は40%にそろえているものが多く、次に43%、その次に46%のものがある。

 

37%…日本の酒税法において課税の金額が変わる度数。(1kℓ当たり370000円。これより高くなると1度超えるごとに10000円を加えた金額となる。)

40%…スコッチ、アイリッシュなど規定で定められていく最低アルコール度数。

43%…75英国プルーフで、19世紀にスコッチの標準度数と定められていた歴史があるため。

46%…これは再留時にデミスティングテストが行われる度数とほぼ等しく、フーゼル油や脂肪酸などが原因で濁りが生じる場合、この度数以下で顕著になることが昔から知られていたため、選ばれた数値だと考えられている。



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