Yaffee's Whisky Blog

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アメリカンウイスキーの中の「バーボン」の世界

 

 

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目次

 

 

始めに

 

バーボンと聞いてまずウイスキーの1つだということを知らない人もいるかと思います。ウイスキーという言葉は知っているけど、バーボンってウイスキーなの?といった声も実際に聞いたことがあります。またワインソムリエの講習会でもバーボンの少し間違えた知識を教えていたことがありました。その時に意外とバーボンウイスキーのこと、アメリカンウイスキーのことは知られていないのかなと思いました。そこで今回はバーボンウイスキーそしてアメリカンウイスキーについてまとめていこうと思います。

 

アメリカンウイスキーの一角がバーボン!?

 

 

 

アメリカンウイスキーというとあまりピンとこない方も多いかと思いますが、簡単に言うとアメリカンウイスキーとはバーボンやテネシーなどが含まれるアメリカで造られたウイスキーのこと。そしてアメリカで造られた穀物原料の蒸留酒なら何でもアメリカンウイスキーといえるわけではなく、アメリカンウイスキーと呼ぶための定義がアメリカの法律で決められています(連邦アルコール法)。

 

アメリカンウイスキーとは

 

 

穀物を原料に190プルーフ(アルコール度数95%)以下で蒸留し、オーク樽で熟成(コーンウイスキーは必要なし)、80プルーフ以上でボトリングしたもの」

と定義されています。

 

これによると原料は穀物なのでコーンのみでも大麦麦芽のみでも小麦のみでもウイスキーと呼ぶことは法律上できます。そしてオーク樽で熟成と書いてありますが、熟成期間については記載がありません。つまり1日とか数時間という熟成でもオーク樽に一度詰めればアメリカンウイスキーと呼ぶことはできます。

 

この定義の中にバーボンウイスキージャックダニエルで有名なテネシーウイスキー、コーンウイスキーやライウイスキーが含まれます。そしてそれぞれにまた細かい定義があります。

では次はバーボンについてみていこうと思います。

 

ケンタッキー州以外でもバーボン!?

 

 

 

バーボンのもともとの語源はケンタッキー州のバーボン郡という地名から来ています。そう聞くとケンタッキー州のバーボン郡で造られたウイスキーがバーボンと思いがちですが、実は違います。

 

バーボンウイスキーの定義

 

原料の51%以上はトウモロコシで、160プルーフ(アルコール度数80%)以下で蒸留、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。

2年以上の熟成でストレートバーボンウイスキーと呼ぶことができ、4年以上の熟成で熟成年数の表記をしなくてもよくなる。

 

 

と定義されています。

 

この定義の中に「バーボン郡で造られ……」や「ケンタッキー州で造られ……」といった記載はありません。

つまりケンタッキー州以外で造られても定義通りに造っていればバーボンウイスキーと呼ぶことができます。極端なこと言うとアラスカやハワイで作ってもバーボンウイスキーと呼ぶことができます。

 

そしてバーボンもアメリカンウイスキーの定義と同じように熟成期間の規定はありませんが、2年以上でストレートバーボンと呼ぶことができるのは程よい熟成年数がたったという証明となっています。

 

しかし4年熟成で年数表記の必要がなくなるというのはなぜか?熟成年数が長いほどもっと誇ったほうがいいのでは?などという疑問が出てくるかと思いますが、

 

それはアメリカのエンジェルズシェア(熟成中に原酒が減っていく現象)と熟成仕方の違いに由来します。

 

 

アメリカはウイスキーの本場スコットランドとは圧倒的に気候が違うため、エンジェルズシェアの減り量が多くなります。スコットランドではエンジェルズシェアは平均年間2~3%程度ですが、アメリカでは年間多い時で10%、少ない時でも4%の目減り となります。つまり乾燥していて気温の高いアメリカではスコットランドより熟成中かなり早く原酒が減っていきます。

 

さらに乾燥して気温の高いアメリカでは熟成自体もダイナミックに進みます。

 

アメリカの熟成庫のほとんどはラック式。数十段という棚に樽が並べられ、熟成されます。ラック式では上と下では熟成に大きな違いが生まれます。樽から蒸散した水とアルコールは熟成庫の中で滞る場所が変わります。比重の軽いアルコールは上へ、水は下へとたまっていきます 。そうなると熟成庫の上のほうは高い温度と外気の高いアルコール濃度によって樽内のアルコールがあまり蒸散せず水が蒸散するため、原酒のアルコール濃度が高くなっていきます 。反対に下のほうはアルコールが蒸散するためアルコール度数が下がっていきます。スコットランドでは基本的に熟成によってアルコール度数は下がっていき、また地面に近い下の段ほど熟成に向いているとされていますが、バーボンでは熟成庫の最上段を「イーグル・ネスト」 と呼ばれ、熟成には一番向いていると考えている蒸留所が多くあります。

 

 

また気候による熟成の違いやエンジェルズシェアだけでなく、義務となっている新樽の使用により樽材成分がかなり早く抽出されるため、スコットランドよりかなり早く熟成のピークを迎えます。

 

このようにスコットランドとは大きく違った熟成中の変化が起こるバーボンでは短い期間でスコットランドの10年熟成に近い熟成感を得ることができます

 

しかしさっきまでの説明自体も難しいと思いますし、正直こんなこと考えずにウイスキーを楽しみたいですが、酒屋に言って仮にスコッチとバーボンが同じ棚にごちゃまぜで並んでいたとして「10年熟成」のものと「4年熟成」と謳ったものが同じ値段で並んでいたとしたら多分「10年熟成」のほうを手に取ると思います。

 

バーボンで4年熟成と言ったらエンジェルズシェアは最大で40%程度の目減りしかなりの熟成感がありますが、一般に伝わりにくいため4年以上のバーボンには熟成年数の表記の義務がなくなります。

 

 

次回はバーボンの製法やおすすめのバーボンなどについて触れていこうと思います。

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