Yaffee's Whisky Blog

ウイスキー好きの料理人が書くウイスキー中心のブログ。

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【ウイスキー初級向き】ウイスキーは水が命!仕込み水はマザーウォーター:Mother water


 水 ウイスキー 



 

 

モルトウイスキーは大麦(モルト)、水、酵母が主原料ですが、中でも昔から水はとっても重要な材料の一つ。ウイスキーの材料でこだわりポイントはここ!って声を大にして言えるぐらい重要です。

 

そこで今回はウイスキーと水についてみていこうと思います。

 

 

蒸留酒なのになぜ水がそこまで重要なのか

 

蒸留酒なのにというよりかはお酒造りには水が重要。特にワインのように果汁で作るものならまだしもビールやウイスキーのように穀物から作られるお酒にとって水は必要不可欠なものです。

ウイスキーの成分は99%以上が水とエタノール。のこりの1%程度の微量成分でウイスキーの味が決まります

 

!?

 

モルトウイスキーだけでもあんなに多彩な味わいがあるのにその味わいを決めているのは1%??と思うでしょうが、1%の中の様々な成分でウイスキーに個性が出ているのです。その微量成分をしっかり感じられるように水が重要なのはここからわかると思います。

 

また糖化時にも、発酵時にも仕込み水は様々な影響を及ぼします。

まさにウイスキーにとって水は命なのです。

 

仕込み水は英語で「マザーウォーター

 

ウイスキーの仕込み水のことを英語で「マザーウォーター」といいます。その名の通りです。スコットランドでは昔から水からウイスキーが生まれると考えられてきました。

 

そのため蒸留所の建設時に清らかで豊かな水があることが条件の一つにもなっています。(2014年NHK連続ドラマ「マッサン」でマッサンが水を求めて全国探し歩いたように……。)

そもそも仕込み水はどこで使われるかというと……

まず大麦に水を含ませる作業の時。

 

www.yaffee.work

 

この時のウェット&ドライの時に使います。

つまりこの時に大麦にその地の水をたっぷりと吸わせます。

 

そしてこの後発芽させ乾燥させて、モルトにします。

 

そのあと麦汁という麦の甘いジュースを作るのですがこの時にも仕込み水が使われます。仕込み水に麦の成分をしっかりと抽出して、各蒸留所独特の麦汁になっていきます。

 

 

あとは蒸留後の樽詰め前の原酒にも加水を行うことがあります。蒸留したての原酒は大体アルコール度数が70%前後から65%ぐらいの間が多いです。一般的に樽の成分が最も多く抽出できると考えられているアルコール度数は63%前後。多くの蒸留所は63%前後に加水してアルコール度数を落としてから樽詰めします。この時は仕込み水を使うところもあれば、ピュアな蒸留水を使うところもあります。

なぜ63%前後がちょうどいいのか、その理論真っ向から否定するブルックラディ 蒸留所の話は今度樽のまとめ記事をするときに詳しく書きます。(更新したらここにリンクを貼りますのでこうご期待。)

 

最後のボトリング前にも加水を行うのですが、この時も仕込み水を使う蒸留所もあればピュアな蒸留水を使う蒸留所もあります。詳しくはこの後下の見出しで紹介します。

 

ウイスキーの語源は「命の水」

 

ウイスキーの語源というより、蒸留酒自体の語源は「命の水」です。

蒸留は神を司る場や錬金術師など限られた人や場所でしか行うことのできなく、その特別な器具と技から生まれる透明な液体(蒸留酒)は飲むことで魂が燃えるように胸が熱くなるからこのような言葉は当てられたと考えられています。

 

詳しくは蒸留酒についてという記事にまとめましたのでそちらをご参照ください。

www.yaffee.work

 

 

ウイスキーは基本的にほとんどがすでに加水されている?

 

皆さんはウイスキーのほとんどがすでに加水された商品だと知っていましたか?

樽から出てきたウイスキーがそのまま製品だと思っている人が多いと思います。それはウイスキーの中でもカスクストレングス(Cask strength:樽出し原酒)」という一ジャンルのみ。

樽詰め時に63%の度数にするという話は上でしたと思います。基本的に多くのウイスキーは熟成中アルコールが蒸散してアルコール度数が下がっていきます。(例外的にバーボンやカヴァランなど寒暖の差が激しいところや暑いところの熟成庫の中の一部では水のほうが蒸散してアルコール度数が上がることがありますがこの話もまた後日。)

熟成後のウイスキーのアルコール度数は基本的には50%以下~60%程度です。樽から出されたウイスキーを加水しないで製品化した商品のことを上で紹介したカスクストレングス:Cask strengthと呼びます。(ウイスキー原酒同士を混ぜることはOK。全くその樽だけから製品化されるものはシングルカスク:Single Cask、カスクストレングス:Cask strengthと二つの言葉がつきます。)

この樽出し原酒に関しては特にキリンの富士御殿場蒸留所がこだわりを持っていますね。

 

樽から出されたウイスキーはその製品のアルコール度数に合わせて加水を行います。

どこまで加水するかが実は大事なポイント。

 

それぞれの加水したウイスキーのアルコール度数に意味があります。

 

 ウイスキーのアルコール度数の意味

 

アルコール度数 意味 ウイスキー製品例
37% 日本の酒税法で決められたいる基準値。日本の酒税法ではここから1%高くなるごとに課税されていきます。 ブラックニッカ クリア など
40% スコッチやアイリッシュアメリカンなど多くのウイスキーの法律が決めている最低アルコール度数。つまりこの度数以下はウイスキー主要国ではウイスキーと認めていないようです。 ジョニーウォーカーザ グレンリベット 12年700ml換算926円!ジムビーム ホワイト など多くのスタンダードウイスキー
43% 19世紀に英国で定められていた標準度数。なぜ中途半端な43%なのかは英国の度数単位英国プルーフが関係しています。 グレンファークラス 12年ラガヴーリン 16年 キングスバリーのセレクションシリーズなど
46% 再留時のデミスティングテストというチェックの時とほぼ等しいアルコール度数。ウイスキーの濁りに左右する香味成分がウイスキー内にしっかりと溶け込んだ状態がギリギリ保たれる度数といわれています。  スプリングバンク ロングロウ クライヌリッシュ 14年 など
47%以上 何も表記されていなくてもカスクストリングスの可能性があります。また冷却濾過を行いたくない商品を47%以上にすることがありますが、その場合の多くは46%にすることが多いです。 ストラナハン コロラドウイスキー47度 AMAHAGAN アマハガン 山桜 47度富士山麓 シグニチャーブレンド 50% など

 

そしてこのボトリング時の加水にはほとんどの蒸留所がピュアな蒸留水を使うことが多いです。それはボトリング設備を多くの蒸留所が持っていないことと完成したウイスキー の香味を妨げることがあるためです。

逆にボトリング時に仕込み水を使うところは スプリングバンク ブルックラディ

 

ウイスキー造りには軟水・硬水どっちがいいの?

 

ウイスキーの製造には圧倒的に軟水のほうが多いです。イギリス(イングランド)は基本的には硬水ですが、スコットランドは軟水が多いです。

 

イギリスの地域ごとに軟水・硬水まとめてある記事がありましたのでリンク張っておきます。

https://japanesewriterinuk.com/article/water-in-uk.html

 

これを見る限りでもイギリス=硬水のイメージが強いですが、スコッチランドはほとんど軟水です。それはイングランドや多くのヨーロッパ諸国が石灰層を通った地下水や湧水が多いのに対してスコットランドはピート層から湧き出る水や地下水が多いため軟水が多いそう。その代わりピートの色のついた水の多いそうで、グレングラントなどはウイスキー製品より仕込み水のほうが、色が濃いみたいです。

 

お酒造りにおいても軟水のほうが、酵母の働きがよくなるようですが、これも一概に硬水だから働かないというわけでもなく、例えば竹鶴政孝の実家・広島の灘は硬水から仕込む日本酒として有名。男性的な酒質になるなど、良くも悪くも様々な影響があります。

スコッチにももちろんすべてが軟水ではなく、中硬水のところもあります。

最も有名なのはグレンモーレンジィですが、

ほかには

ハイランドパーク、スキャパ、グレンリベット、ストラスアイラオーバングレンキンチー

などが中硬水の仕込み水を使います。

 

ウイスキーを飲むときにも割水をこだわってみる

 

もちろん飲むウイスキーの産地と割るウイスキーの産地をある程度合わせれば合うことは間違いないと思います。しかしそれもなかなか難しいもの。まずはクリアな軟水から初めて見るのがいいと思います。

水にも種類があってまず後ろの表記を見ると品名に「ナチュラルウォーター」などと書いてあると思います。

水の品名

・「ナチュラルウォーター」……特定の水源より採取された地下水を減衰に沈殿・濾過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。

・「ナチュラルミネラルウォーター」……ナチュラルウォーターの中でも原水にミネラル成分を含むもの。

・「ミネラルウォーター」……ナチュラルミネラルウォーターを複数混ぜたり、ミネラル調整を行ったりしたもの。

・「ボトルドウォーター」……上記以外の飲用水。水道水や蒸留水、河川水などで処理方法に規定はないです。

といった分け、

また

原材料名

には

・鉱水

鉱泉

・伏流水

・湧水

・浅井戸水

・深井戸水

・温泉水

 

殺菌方法

・無殺菌

・加熱殺菌

・オゾン殺菌

・紫外線殺菌

 

などがあります。

 海外では人工的に処理したものをナチュラルミネラルウォーターとして売ることができないケースが多いので基本的に無殺菌のものが多いです。それの比べて日本は加熱殺菌のものが多いそうです。

もしウイスキーを割る水にこだわりたかったら硬度以外にここにも注目すると面白いかもしれませんね。ちなみに始めるならクリアな軟水のナチュラルウォーターで殺菌処理済みのものから始めるのがいいと思います。

水の沼はまだまだハマり切れてないので、この辺で……。

ちなみに水に特化した通販サイトはこちら

www.mizuhiroba.jp

案外眺めるのも面白いかもしれません。


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