本日もお越し頂きありがとうございます。
ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回は「アードベッグ Ardbeg蒸留所」についてのお話!!
アードベッグは、クセの強いスモーキーフレーバーに、トロピカルなフルーツ香と甘みが特徴。
強いクセがありつつもつい癖になってしまう病みつきになりやすいウイスキーです。
多くの熱狂的なファンを抱えるアードベッグ。
今回はそのアードベッグ蒸留所について、ストーリーやこだわりを見ていこうと思います!
アードベッグ蒸留所について
Ayack, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
アードベッグは、アイラ島南にある蒸留所。
キルダルトンという地域にある3つのモルトウイスキー蒸留所の一つで、
この3つの蒸留所(ラフロイグ、ラガブーリン、アードベッグ)のことは『キルダルトン3兄弟』と呼ばれています!!
このキルダルトン3兄弟は、アイラ島のモルトウイスキーの中でも特にクセの強くヘビーな原酒を作っていることで有名。
そしてキルダルトン3兄弟の中で特にスモーキーフレーバーが強いのが「アードベッグ」です!!
その強いスモーキーフレーバーとクセからカルト的なファンになってしまう人も続出!!
アードベッグのカルト的ファンのことを「アードベギャン」というそうです。
アードベッグのストーリー
今では熱狂的なファンがいる「アードベッグ」。
しかし、その歴史は決して順調なものではありませんでした。
当初はブレンダーが毛嫌いするほどクセがすごかった!?
アードベッグの正式オープンは1815年といわれています。
しかしこの周囲では密造酒造りが盛んで、それより前の1794年スタートという説もあるそうです。
創業者ジョン・マクドゥーガルが周りから隔絶された立地にアードベッグを建てました。
その後150年以上彼の家系で蒸留所を守り続けていたそうです。
ウイスキー研究家として有名なアルフレッド・バーナードがアードベッグを訪れたとき、
「その隔絶された立地がロマンチックなイメージを高めた」
とアードベッグ蒸留所を讃えていたそうです。
しかしこのような専門家からの評価とは裏腹に、アードベッグの経営はそこまでうまくいってなかったといわれています。
1977年、ハイラムウォーカー社の所有となります。
この時、アードベッグがずっと続けていた独自のフロアモルティングをやめてしまいました。
周囲からアードベッグの味を大きく変えてしまうのではないか、
アードベッグの伝統の味わいが損ねられてしまうのではないかという懸念の声が多かったそうです。
なぜここまで懸念されていたかというと……
アードベッグの麦芽乾燥塔には普通の蒸留所ならついているはずの換気装置がなかったのだとか。
そのせいでピートの煙が余すことなく充満し、異常なほどスモーキーなモルトに仕上がっていたんだそうです。
あまりの煙たさにブレンダーたちからも敬遠されていたといわれています。
つまりこの時は、今まで以上にコアなファン向きモルトだったんでしょうね。
以降お隣のポートエレン製麦所のピートモルトを使うようになります。
今でこそカルト的人気のあるアードベッグも暗い過去がある。。
1980年、当時はブレンデッドウイスキー人気から蒸留所が多くできすぎ、需要と供給のバランスが悪くなっていました。
しかし、売れるウイスキーはブレンデッドがメイン。
アードベッグもモルトを改善したことで、ブレンデッド市場向けにウイスキーを造っていきますが、
供給過多によるウイスキー不況となり、1981年には閉鎖を余儀なくされます。
その後、1987年になり、アライドライオンズ社に売却。
1989年以降同社のもとで再開されます。
当時アライドライオンズ社はラフロイグも所有していました。
ただ、どちらかというとラフロイグのほうが主力商品でした。
ラフロイグの職人が年2カ月だけアードベッグ蒸留所に来て、アードベッグを作っていたそうです。
今のアードベッグ所長もこの時元ラフロイグの職人でアードベッグの仕込みに来ていた方だそうです。
1997年、グレンモーレンジィ社(現モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社)がアードベッグを買収。
この時の買収金額は700万ポンド(約1億円ぐらいだと思います)。
その後は不死鳥のように復活を遂げ、今ではカルト的な人気を誇っています。
アードベッグのこだわりポイント
使用する麦芽は基本55ppmのヘヴィーピートタイプ
アイラ島の中でもスモーキーでクセの強いモルトウイスキーを造る南部三つの蒸留所「キルダルトン3兄弟」。
ピートの数値を計るとき「フェノール値」としてフェノール化合物の含有量で測りますが、
キルダルトン3兄弟の中でもアードベッグが最も高い数値をたたき出しています。
麦芽の数値以外この3兄弟はほとんど同じ水系の仕込み水だそうで、
原料に大きい差はないそうです。
ですが、出来上がるモルトウイスキーは全く違う味に仕上がる。
「蒸留所の個性」ってすごく出るものだなと思います。
再留釜にはアイラ唯一の精留器
またキルダルトン3兄弟、実は発酵工程までそこまで大きい差はないそうです。
最も違いが出るのがスチル!!
蒸留工程で大きな違いが生まれます。
アードベッグは再留釜のラインアームのところに精留器という器具がついています。
この器具により重めな酒質となる成分を取り除くことができます。
これはアイラ島唯一です。
スモーキーでありながら、スイートでフルーティなアードベッグの個性はここから作り出されているのかなと思います。
アードベッグの定番ラインナップ
『アイラモルトの革命児』
強いスモーキーフレーバーとその奥に隠れた南国フルーツのような甘みが特徴のウイスキー。
後味のペッパー感がよりこのウイスキーに深みを与えています。
マニアならストレートが病みつきですが、ハイボールにすると飲み慣れていない方でも楽しめると思います!!
価格帯 | 4000~5000円 |
---|---|
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700ml |
特徴 | 鎖につないでないと何をしでかすかわからないやつ |
原産国 | スコットランド |
究極のアイラモルトといわれるほど強いクセのあるウイスキー!!
一度飲んだら忘れられず、いつの間にか家に常備してしまいます。。(笑)
アロマ | 4 |
フレーバー | 4. 3 |
余韻 | 4.3 |
シェリー樽熟成の原酒をブレンド。
アードベッグのスモーキーさと南国フルーツ感とシェリー樽の紅茶や黒糖の甘味のような味わいと一体感が楽しめます。
ウーガダールはアードベッグの仕込み水の名前。
ゲール語で『暗くて神秘的な場所』という意味です。
価格帯 | 7500~8500円 |
---|---|
アルコール度数 | 54% |
容量 | 700ml |
特徴 | 鎖につないでないと何をしでかすかわからないやつ |
原産国 | スコットランド |
アロマ | 4 |
フレーバー | 4 |
余韻 | 4 |
フレンチオーク樽を使用したスパイシーで力強いアードベッグ。
コリーヴレッカンはアイラ島とジュラ島の間の海峡のことで、
世界で2番目に大きい渦潮ができるそうです。
まさに渦潮の力強さと引き込まれるような深みを味わいで表現しています。
価格帯 | 9000~10000円 |
---|---|
アルコール度数 | 57% |
容量 | 700ml |
特徴 | 渦潮を表現した力強いアイラモルト |
原産国 | スコットランド |
ハイボールもいいですし、ロックやストレートもおすすめです!!
アロマ | 4.3 |
フレーバー | 4.6 |
余韻 | 4.5 |
2020年に誕生したアードベッグの新定番!!
「リトルモンスター」という意味の「ウィービースティー」がブランドタイトルとなっている一本。
ペッパーの暴れるスパイシーさにしっかりとしたスモーク。
そしてその奥にいる甘み。
暴れるけどかわいい小さな怪獣みたいなモルトウイスキーです。
価格帯 | 5000~6000円 |
---|---|
アルコール度数 | 47% |
容量 | 700ml |
特徴 | リトルモンスター |
原産国 | スコットランド |
暴れる刺激的な味わいとそれを包み込む甘味。
このウイスキーを飲んだ人に
「5年でこの完成度!?」
という驚きを与えてくれます!!
アロマ | 4.3 |
フレーバー | 4.8 |
余韻 | 4.7 |
クセの強さと繊細な甘み、複雑なフレーバーから多くの熱狂的なファンを持つ『究極のアイラモルト』アードベッグ!
そのアードベッグの定番シリーズの中で、アン・オーは丸みを帯びた味わいが特徴。
3種類のシェリー樽を使用し、時間をかけてなじませた円熟味と甘み、スモーキーフレーバーの一体感が複雑に楽しめるウイスキーとなっています。
価格帯 | 6000~7000円 |
---|---|
アルコール度数 | 46.6% |
容量 | 700ml |
特徴 | 3種類のシェリー樽を使用した究極のアイラモルト |
原産国 | スコットランド |
アードベッグの定番ラインナップの中では、最もフルーツ香と甘いニュアンスが楽しめる一本です!
特にバナナや桃といった果実香を感じます!
アロマ | 4.2 |
フレーバー | 4 |
余韻 | 4.4 |
ウイスキーファンから熱狂的な人気を誇っているアードベッグ(Ardbeg) 普段手に入るボトルだと「アードベッグ TEN」が有名で、TENしか飲んだことないって方も多いと思います。ところがアードベッグには、た[…]
最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。
アードベッグの話いかがだったでしょうか
面白かった、ためになったと思ってもらえたらうれしいです。
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いします!!

↑↑
この記事が面白かったと思った方は、人気ブログランキングへの応援をよろしくお願いいたします。
また、公式ラインページにて記事の更新情報など配信しています。