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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は
「ベンリアック蒸留所」
について!!
ベンリアックは、はちみつのような甘みとコクのある味わいが特徴。
優しく甘いウイスキーを飲みなれていない方でも飲みやすいシングルモルトです。
有名ブレンデッドウイスキー”シーバスリーガル”の原酒にも使われているウイスキーですが、近年はシングルモルトのリリースにも力を入れている蒸留所です。
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今回は、ベンリアックのストーリーや製法、ラインナップに注目していこうと思います!!
ベンリアック Benriach蒸留所について
ベンリアックは1898年にスコットランドのスペイサイドに誕生した蒸留所です。
スペイサイドの中でもエルギン地区という10件以上もの蒸留所が並ぶ地域にあります。
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ベン:Benはゲール語で「山」の意味で、リアック:riachは「傷ついた」という意味だといわれています。
しかし、蒸留所名の本当の意味は誰も知らないそう。
しかしこの蒸留所の周りには山がなく、どの山を指しているのかもわからないのだとか……。
創業120年以上もの歴史がありながら、シングルモルトとして認知されていたのは実はここ最近。
1880~90年の間に多くの蒸留所が誕生し、その直後のウイスキー不況で閉鎖されていきましたが、ベンリアックは特に波瀾万丈な蒸留所だったと思います。
そして逆境を乗り越え、今では世界中で販売されているウイスキーの仲間入りをしています。
そんなベンリアックの波瀾万丈なストーリーが、皆様の希望につながったらと思います。
ベンリアック Benriachのストーリー
1898年、ロングモーン蒸留所の創業者ジョン・ダフがベンリアック蒸留所を建設します。
ロングモーン蒸留所といえば竹鶴政孝の修行先で余市のモデルになったと蒸留所です(当時は石炭による直火焚きの蒸留でした)。
しかし、ベンリアックはわずか2年後に閉鎖。。。。
ウイスキー不況が訪れたためです。
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その後60年以上ウイスキーがつくられませんでした。
再開されたのは1965年。
当時軌道にのっていたグレンリベット社と合併したことで、またウイスキーがつくられるようになりました。
それから長い間、シーバスリーガルのキーモルトとして使われていました。
そのため生産されていたのはブレンド用ばかり。
シングルモルト用に作られることはほとんどなかったそうです。
ただ、ベンリアックのハイクオリティーなモルトにブレンダーたちから絶大な人気を誇っていたそう。
1978年、シーグラム社がベンリアックを買収。
この時すでにスペイサイドでは珍しいピートを焚いたタイプのモルトも作っていたベンリアック蒸留所。
アイラ島に蒸留所を保有していなかったシーグラム社は、ピートを焚いたパワフルなモルトを作ろうと思い、ベンリアックの買収に乗り切ったそうです。
1994年にはシングルモルトをリリースしますが、98年この蒸留所伝統のフロアモルティングを停止してしまいました。
2004年、ベンリアックに転機が訪れます。
元バーン・スチュワート社、シングルモルト界で伝説的プロデューサーともいわれているビリー・ウォーカーがベンリアック蒸留所を買収します。
そしてベンリアック・ディスティラリー社を設立します。
この時の買収額は560万£(約7.5億円ぐらい)だったそう。
この買収でビリーは1970年までさかのぼる約5000個のベンリアックの樽を取得したそうです。
生産中止期間の長かったのも関わらず、ベンリアックのストックは大変充実していて、あらゆる年の多種多様な個性の樽が残されていたといわれています。
これらの原酒を使い、ベンリアックは、大きく成長していきました。
2008年にはグレンドロナック蒸留所を、2013年にはグレングラッサ蒸留所を買収します。
2016年にはアメリカの大手酒造メーカー、ブラウンフォーマン社がベンリアック・ディスティラリー社を買収。
同社が買収したことで、今日本ではアサヒビールが取り扱っています。
ベンリアック Benriachのこだわり製法
ベンリアックといえば麦芽!!
今では数少ないフロアモルティングという自家製麦を行っています。
フロアモルティングによる自家製麦は、自分たちで好みの麦芽の度合いに仕上げることができる利点があります。
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しかし、コストがかかりすぎるという欠点が大きく、多くの蒸留所がやめてしまった製法です。
全体の使用量としてはごくわずかです。
ただ自家製麦のモルトがスペイサイドの華やかさがありつつも、
力強い個性とコクのある味わいも併せ持つというベンリアックの特徴を生み出していると思います。
さらにノンピート麦芽とヘヴィーピート麦芽の2タイプのシングルモルトを製造。
その2つの原酒と多彩な樽を組み合わせることで、キャラクター豊かなボトルを数多くリリースしています。
ポットスチルは背の高いオニオン型。1985年に2基のスチルが増築され、現在4基のスチルとなっています。
熟成にはバーボン樽が7割、シェリー樽が2割。
そのほかにもラムやマルサラ、赤ワインなど30種以上の樽が使われているそうです。
特にブラウンフォーマン社になってからは、良質なバーボン樽を使うことができるようになり、
さらに複雑なフレーバーを引き出すことができるようになったのだとか。
今ではバーボン樽にこだわっている蒸留所の一つです。
ベンリアックの定番ラインナップ
蒸留所データ
創業……1898年
創業者……ジョン・ダフ
オーナー会社……ブラウンフォーマン社
年間生産量(100%アルコール換算)……280万ℓ
仕込み水……ミルビュイズの泉(湧き水)
使用麦芽……55ppmのヘヴィリーピーデッド麦芽1割、ノンピート麦芽9割程度
ポットスチル……初留釜2基、再留釜2基
生産区分……スペイサイド(エルギン)
最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。
ベンリアックの話いかがだったでしょうか
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