浮沈を繰り返した激動のウイスキー蒸留所『ブラッドノック Bladnoch』!そのストーリーと特徴を解説

本日もお越し頂きありがとうございます!!

様々な面で浮き沈みを繰り返しているウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

今回のテーマは「ブラッドノック Bladnoch」についてです!!

 

ブラッドノックを知っている方はかなりのウイスキーオタクだと思います。

 

マニアックなモルトの一つですし、オフィシャルボトルも普段そんなに見かけないです。

 

 

ただ過去には、モルトファンに人気の「花と動物」シリーズから「蘭」のラベルでリリース(1989~1993年発売)

知る人ぞ知るモルトで、飲んだ人からの評価は高いです!!

(実はまだ「花と動物」シリーズのブラッドノックは飲んだことないです。。)

 

ただそれからほとんどウイスキーのリリースはなく、やっと最近になって新しいラインナップがリリース。

 

四角形の変わったボトルに、オレンジやバニラ、独特な肉感や醤油?出汁感?のような面白い味わいが特徴。

輪郭のしっかりとしたモルトウイスキーです!

 

 

ブラッドノック Bladnoch蒸留所について

 

 

ブラッドノック蒸留所はスコットランド最南端にある蒸留所。

スコットランドの国民詩人のロバート・バーンズゆかりの地「バーンズカントリー」の南、『ウィッグタウン』のはずれにあります。

 

この地域はスコットランドの中でも温和な気候だとか。

蒸留所のそばにある森は、野生のランが自生しているそう。

植物学上でも希少な森です。

 

 

この蒸留所は創業してからなんと10回もオーナーが変わった蒸留所。

 

スコッチウイスキーの蒸留所でオーナーが変わることはよくあることですが、ブラッドノックほど変わった蒸留所はないと思います。

 

所有者がころころ変わり、そのたびに長期の操業停止を繰り返してきました。

 

そのため、今までオフィシャルリリースは極端に少なかったです。

(その分ボトラーズからのリリースは多め)

 

現在も年間生産能力150万ℓほどなので、大きい蒸留所ではないです。

ただこの蒸留所のストーリーを知ったら、応援したくなるのではないかな?と思います!!

 

 

ブラッドノック Bladnochのストーリー

 

ブラッドノックの創業は1817年。

トーマスとジョンのマクレーランド兄弟がブラッドノック川の岸辺に小さな蒸留所を建てたのが始まりです。

 

そこから100年間ほど家族経営を続けてきました。

1911年に北アイルランドのダンヴィル社が買収。

 

この会社は、北アイルランド・ベルファストにロイヤル・アイリッシュ蒸留所を所有していました。

またこの会社のブレンデッドウイスキー「タンヴィル」は世界中のコンペでメダルを量産していました。

 

ブラッドノック蒸留所を所有したことで、アイルランドとスコットランドに蒸留所を持つ珍しい会社となります。

 

 

ただし、1937年タンヴィル社は後継者不足により、DCL社(のちのUD社、現ディアジオ社)が買収。

事業継続が買収の条件だったそうですが、買収後DCL社はこの会社が存続できないことを決定。

当時大幅に打撃を受けていたアイリッシュに未来はないと判断し、タンヴィル社は破産。

ロイヤル・アイリッシュ蒸留所は取り壊されました。

 

 

ブラッドノック蒸留所は何とか閉鎖されなかったものの、それから数年間に6度もオーナーが転々としました。

 

1983年にブレンデッドウイスキー「ベル」で有名なアーサー・ベル社が買収。

そしてその後アーサー・ベル社を買収したのがギネスグループ。

 

そしてギネスグループがDCL社を買収したことで、UD社が誕生します。

 

そのUD社のモルトウイスキーシリーズ「花と動物」シリーズから「蘭」のラベルでシングルモルトがリリース。

 

ただその後、ウイスキー業界の長い低迷により、1993年に操業停止となってしまいます。

 

この時、さすがに次の再開は不可能かと思われていたそう。

 

それから僅か1年後の94年、新しいオーナーに北アイルランドのレイモンド・アームストロング氏が名乗りを上げました。

 

ただし、この時にディアジオ社との契約でウイスキー造りを禁止されてしまいます。

 

2000年になり、やっとディアジオ社からウイスキー造りの許可が下ります。

 

そこから年間約25万本がリリースできるほどになっていきます。

この時レイモンド氏の経営下で、ピーデッドモルトからアンピートモルトまで様々なヴィンテージのモルトウイスキーが造られたそうです。

 

その後、2015年にオースラトリア人のデイヴィッド・プライヤー氏が買収。

彼は、乳製品ビジネスを展開していた実業家です。

 

今回のオーナー交替で生産設備を一新。ほとんどが新しい設備に生まれ変わったそうです。

 

 

ブラッドノック Bladnochのこだわりの製法

 

2015年の買収の時に、1930年代から使われていた麦芽粉砕用のモルトミル以外すべての蒸留所設備は一新しました。

 

現在の仕込みはワンバッチ5トンの麦芽を使うそう。

メインはノンピート麦芽で、年間2週間ほどピート麦芽を仕込んでいるそうです。

 

そこから2万5000ℓの麦汁を得るそう。

発酵槽はダグラスファー製でケリーのドライイースト(ディスティラリー酵母として有名なイースト)を使うそうです。

 

そしてストレート型の初留釜とバルジ型の再留釜で蒸留。

このスチルも熱効率のいい最新のテクノロジーが導入されていて、蒸留廃液で発酵モロミをプレヒーティングされるようになっているそうです。

 

そして今まであった原酒もリカスク(樽の詰め替え)を行ったそう。

今ブラッドノックとしてリリースされている物は、どれもリカスクを行ったものだそうです。

 

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ブラッドノック Bladnochのラインナップ

 

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ブラッドノック 10年

 

バーボンカスクで10年間熟成を行ったボトル。

 

ややミディアムに近いボティ

甘草とバナナやバニラのニュアンスに、独特な肉っぽい厚みや醤油や出汁に近いニュアンス。

個人的にかなり面白いモルトです。

 

ブラッドノック Bladnochの蒸留所データ

 

 

創業……1817年

創業者……トーマス&ジョン・マクレーランド

オーナー会社……ブラッドノック・ディスティラリー社

年間生産能力(100%アルコール換算)……約150万ℓ

使用麦芽……基本ノンピート

発酵槽……ダグラスファー製6基

ポットスチル……初留釜2基(ストレート型)、再留釜2基(バルジ型)

生産区分……ローランド

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか。

 

 

面白かった、ためになったと思っていただけたら嬉しいです。

 

また次回もよろしくお願いいたします。

それでは『酔いウイスキーライフ』を!!!

 


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