Yaffee's Whisky Blog

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【ウイスキー初級向き】ウイスキーの味のほとんどは樽と熟成で決まる!?ウイスキーの樽(カスク:Cask)の世界 !!

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ウイスキーの味わいのほとんどは樽(Cask)によって決まるといわれています。

 

今回は樽(Cask)に注目して樽熟成についてみていこうと思います。

初級向きの記事ですが、少しマニアックになりますのでそこはご了承ください。

 

 

 

>樽熟成の魅力

 

樽熟成の魅力は語りつくせないと思っています。

 

樽熟成によって無色透明の荒々しいお酒が琥珀色の魅惑的なウイスキーへと変わっていく。

 

樽(Cask)の中でウイスキーがどのように変化するのか、どのような味になっていくのかは、味を見るまで正確にはわかりません。

現在の科学をもってしても樽熟成で起きていることのすべては解明されていないそうです。

 

ウイスキー用語で樽熟成中の変化を表現する言葉に「天使の分け前:エンジェルズシェア」という言葉がありますが、もしかしたらほんとに樽(Cask )の中には天使がいるのかも しれませんね。

 

シェリー樽とバーボン樽って何?

 

ウイスキーのことを調べたときに「バーボン樽」シェリー樽」 という言葉をよく見るのではないでしょうか。

特にスコッチウイスキーは大きくバーボン系ウイスキーシェリー系ウイスキーの2つにわけることができます。

 

スコッチ自体新樽を使うことは少ないです。基本的にはもともと別のお酒が入っていた空き樽を熟成樽に使います 。その空き樽の多くはバーボン樽とシェリー樽です。

 

シェリー樽はシェリー酒の空き樽で、伝統的にスコッチで使われてきた樽 です。

 

そしてバーボン樽はバーボンウイスキーの空き樽のことで、今現在主流 となっています。

 

シェリー樽

 

ウイスキーの熟成にシェリーの空き樽を使うのは、もともとイギリス人の貴族たちの間でシェリー酒が人気だったから 。今でもシェリー酒の輸出先として常に上位です。

イギリスの各地の港にはシェリーの輸送用の樽がいっぱいあったといわれています。

 

ウイスキーが密造酒時代の時、製造したウイスキー(当時はまだ無色透明の蒸留酒の状態で飲まれていました)を摘発されないようにシェリーの空き樽に隠していたそう。

隠していおいた無色透明のウイスキーを数年後開けてみたら、琥珀色になっていて香り高くまろやかな口当たりのウイスキー へと変貌していました。

これが「ウイスキーに熟成」という考えが生まれたストーリーです。

 

このストーリには諸説あります。その前にはウイスキーを熟成させる考えは伝わっていたともいわれていますが、政府への抵抗の証 だったウイスキーにはこのストーリーが馴染んでいたようですね。

 

今ではシェリー酒の規則として木製の樽に詰めて輸出されることができなくなったため、シェリー樽の入手が難しくなりました

そのため、シェリーシーズニングというウイスキーの蒸留所自ら用意した樽をシェリーの熟成庫でシェリーを詰めて2~3年「シーズニング」を行うそうです。(あえて熟成という表記はしないそうです。)

 

シェリー樽で熟成させたウイスキーは、

レーズン、紅茶、チョコ、干しイチジク、アーモンド、クルミ、ウーロン茶、ココア、みりんなど

のフレーバーがつくことが多いです。

 

バーボン樽

 

バーボン樽がスコッチの主流となったのはバーボンが新樽か使用してはいけないという規則が生まれてから。

1933年にアメリカの禁酒法は廃止されましたが、ウイスキーは熟成を待たないといけないので、無理やり熟成させたようにしたまがい物や偽物 が横行。すぐにウイスキーに関する法律が制定します。その結果多くのアメリカンウイスキーに新樽を使用が義務化されました。

つまりバーボン樽の空き樽が大量にできることになり、バーボンの空き樽なら安く入手できる ようになります。

今ではさらに輸送コストや解体組み立ての直しなどのコストを抑えるためにバーボン樽自体も少し小さくなり、スコッチに限らず、様々な樽熟成のお酒に使われています。

 

www.yaffee.work

 

また味わい的にもシェリカスクよりスムースでライトに仕上がりやすい ので、さらに人気は高くなっています。

 

バーボン樽で熟成させたウイスキー

バニラ、バナナ、ココナッツ、はちみつ、メープルなど

のフレーバーが特徴的だと思います。

 

それ以外に樽(Cask)

 

ワインカスク、ブランデーカスク

 

ワインの熟成に使われた空き樽のことで、有名産地・有名品種のものが多いです。多いのは赤ワインですが、ソーテルヌなどの甘口ワイン、ほかにもシェリーと同じように酸化熟成タイプのワイン(マルサラ、ポートなど)も使われます。

どのワインが入っていたかによって味わいがかなり変わってくるので、可能性の幅が広く追加熟成時の樽として人気です。

ちなみに「山崎」のキーモルトは赤ワインの樽で寝かせた原酒だそうです。

 

ラムカスク

 

最近ラムの人気が徐々に高くなっているからか、よくラムカスクで追加熟成を行ったウイスキーをよく見ます。ダークラムの熟成に使われていたもので、個人的にはカラメル、黒糖、コーヒーといったフレーバーが共通してあるように感じます。

あとまろやかな味わいになっているものも多いとは思います。

 

カルヴァドスカスク

 

2019年にあったスコッチウイスキーの法改正で使えるようになった樽 です。

実際の最近リリースされ始めていますが、今後カルヴァドスカスクウイスキーはもっと出てくると思うので要チャックです!

 

 

また同時にテキーラカスク、焼酎カスクも使えるようになったのでまたスコッチウイスキーの幅が広がりそうですね。

 

ウイスキーのラベルでよく見る「ウッドフィニッシュ」って何?

 

先ほどの樽の説明でも出てきた「追加熟成 」という言葉これこそ「ウッドフィニッシュ」です。多くの場合はバーボン樽で熟成させた後、シェリーやワイン、ラムなどの樽で数か月~1年寝かせる という方法です。その方がバーボン樽で熟成させた後、個性をつけやすいからだと思います。

元々はグレンモーレンジィが始めました。それから瞬く間に広がっていって今では主流になっています。

 

樽(Cask)材にはこの木材!

 

スコッチウイスキーまたはアメリカンウイスキーでは熟成に使っていい樽の材質が決められています。それはオーク(楢)製 のもの。それ以外の材木は使うことができません。

難しい話になるので省きますが、簡単に説明するとオークが樽の材質の最も適しているからです。強度の良く、水漏れのしにくい特徴があります。

数あるオーク(楢)材の中でもウイスキーの樽に多いのはホワイトオークコモンオーク です。特にホワイトオークはバーボン樽に多く、コモンオークはシェリー樽に多いです。

また日本原産のミズナラの人気も高くなっています。

それぞれに特徴があって味わいも変わってくるので、今度個別でまとめようと思います。

 

 

アイルランドや日本のウイスキーでは他の材木を使うことができるので、「桜カスク」とか「栗カスク」などもチャレンジしているようです。

 

樽詰めアルコール度数は63%が最適!!

 

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この記事の時に書きましたが、ウイスキーの樽詰め度数は63%が最適 だといわれています。一言でいうと、木の材質の成分が溶けだすのに水分とアルコールのバランスが程よいから 。木材の成分はアルコールによって分解・抽出・溶解していきます。しかし高すぎるアルコールでは木材の少し残っている水分と反発しアルコールが浸透していかなかったり、水に溶けやすい成分を溶かすことができなかったりします。

またアルコール度数が低いと樽に水分が吸収されていってしまったり、成分の抽出が不十分になったりするそう。

つまり63%前後ではないアルコール度数では、十分に樽の持ち味を生かすことができない みたいです。

 

そのためアルコール度数を調節して樽に詰める蒸留所が多いです。

 

 

実はアルコール消毒でも同じような感じだそう。

 

最も殺菌できるアルコール度数は70%前後ということを聞いたことがあります。これは水分が少し含まれていないと反発してしまって菌にアルコールが浸透することができず、殺菌しにくくなるため。

また低すぎるともちろん殺菌力は低下します。

表現としてあまりよくはないと思いますが、今関心の高くなっていることだと思うのでアルコール除菌と合わせて紹介しました。

 

 

63%が最適説を否定するブルイックラディ蒸留所

 

その理由は

 

「俺たちは水を熟成してるんじゃねぇ。ウイスキーを熟成してるんだ!!」

「だからウイスキーを水で薄めたものを熟成する気はない。」

 

という考え方らしいです。

実際においしいウイスキーを数多くリリースしていますので、「どっちが正しい。」というのはないのでしょう。

ただ美味しければいいのだと……。

 

2019年、スコッチウイスキーの熟成に使用できる空き樽が定義化!!



「スコッチウイスキーの熟成に使えるオーク樽の種別とは何か」という問い合わせが殺到したため改正に踏み切ったそうです。
以前までは『伝統的に使用されてきた空き樽のみ』可能だったみたいですが、

・いったいどこまでが伝統的なのか?
・ワイン樽でもボルドーブルゴーニュなどがOKで、チリ、オーストラリアなどのワイン樽はなぜNGなのか?
・スピリッツの空き樽の線引きは何?

 

近年のウイスキーブームによってこういった議論が多くなったそうです。

そこで、新しく空き樽について定義することで使用できる樽の明確にしました。

これによりスコッチウイスキーに使える樽の幅が広がることになります。

書き加えられた定義は下記のとおりです。

スピリッツは、オークの新樽や、ワイン(無発泡性ワインおよび酒精強化ワイン)、ビール(エール)、スピリッツ類などの熟成に使用したオーク樽に入れて熟成されるものとする。ただし下記の酒類を熟成したオーク樽は除外する。

  • 原料に核果(サクランボや梅のような果物)が含まれるワイン、ビール(エール)、スピリッツ
    • 発酵後に果実、フレーバー、甘味が加えられたビール(エール)
    • 蒸溜後に果実、フレーバー、甘味が加えられたスピリッツ
    • 上記の製法を伝統的に採用しているワイン、ビール(エール)、スピリッツ

使用する樽の種別に関わらず、完成された製品はスコッチウイスキーの伝統的な色、味、アロマの特徴を示していなければならない。樽に入っていた内容物は、スコッチウイスキーまたはスコッチウイスキーとなる予定のスピリッツを容れる前に完全に排出されなければならない。(※スコットランドの飲料に関する検証機構:技術指導書(スコッチウイスキーの検証)2019年6月改定)

 

 

つまり、既存のポート、マディラ、ワイン、コニャック以外にも、テキーラ、焼酎、カルヴァドスなども使用可能となります。

 

しかしキルシュや梅酒のようなもの、リキュール類やジンは使用できないということです。多分ウイスキーと呼べなくなってしまうような味になってしまうからですかね?

本坊酒造さんの「ラッキーキャットハナ」は梅酒カスクだそうです。結構おいしかったですが、スコッチでは認められないようです。

 

 

 

樽のことを知ってからウイスキーのラベルを読んでみると、また更にウイスキーが面白くなると思います。この機会にウイスキーをより深いところまで知ってみるのはいかがでしょうか。

最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。

樽の話いかがだったでしょうか。

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