「ハイボール」と聞いてに何を想像しますか?
という質問に多くの人が「ウイスキーを炭酸で割ったもの」と答えると思います。
この答えは正しいですが、「ハイボール」は実はそれだけではありません。
それでは「ハイボール」ってどういう定義なの?と気になると思います。
そこで今回は「ハイボール」の定義から起源、そしてソーダ水と炭酸水の違いなどに触れていこうと思います。
「ハイボール」を知って、ウイスキーをもっと楽しみましょう!!!
「ハイボール」の定義
「ハイボール」はウイスキーをソーダ水や炭酸水で割ったもの。
このイメージが強いのはサントリーさんの圧倒的なセールス力の賜物。
実はもっと広い意味で使われることが多いそうです。
ハイボールとは、スピリッツやリキュールをソーダやトニックウォーターなどの炭酸飲料やフレッシュジュースなどアルコールの入っていない飲料と割ったカクテルのこと
つまり定義だけで見たらアルコール飲料とノンアルコール飲料を混ぜたカクテルであれば、「ハイボール」と名乗ることができます。
つまりハイボールはウイスキーだけではなくラムやテキーラ、梅酒、カシスリキュールなんかもノンアルコール飲料と割れば、「ハイボール」です。
ただ炭酸の入っていないものを「ハイボール」って呼ぶこのに「?」と思う人は多いと思います。
この定義は海外の基準が元となっているもので、日本でいうと単に「ハイボール」はウイスキーのソーダ水または炭酸水割り。
ウイスキー以外のベースならラムハイボール、焼酎ハイボールなどのように「お酒の名前+ハイボール」。
炭酸水以外の割材ならジンジャーハイボール、コークハイボールなどのように割材名を書いてあることが一般的ですね。
ハイボールの起源
ハイボールの起源は3つの説があります。一つは前回デュワーズの記事で記載しました「デュワーズ説」、そしてゴルフとウイスキーの関係の記事で書いた「ゴルフ場説」。
そして、今回は最も有力な鉄道の信号機説をご紹介します。
鉄道の信号機説
カクテルブックやバーテンダーマニュアルには昔からこの鉄道の信号機説が紹介されています。
イギリスから広まっていった蒸気機関車ですが、広大な敷地を持つアメリカで発展します。
その時イギリスとは鉄道工事のやり方、システムそのものが違った形で発展していきました。その1つが信号機です。
イギリスの信号機は腕木式という木の板を使った信号機。木の板(バー)を上げ下げして合図そしていたそうです。
それに対してアメリカの信号機はボールを使った信号機 でした。
ボールが掲げられる と通行可・出発進行、下げられると停止 の合図だったそうです。
今でもアメリカ英語で列車の発車合図という意味で「ハイボール」が使われます。
そして「ハイボール」がウイスキーのソーダ割をさすようになった起源ですが……
実は鉄道説の中でも2つの説があります。
一つは、「乗客の乾杯の掛け声」から
列車の通過待ちの時にウイスキーのソーダ割がサービスで配られ、乗客たちはそれを飲んでいました。
通行可のボールが高く掲げられると乗客たちは 「ハイボール!!」と言ってグラスを高く掲げて喜んだのだとか。
ことからウイスキーのソーダ割のことを「ハイボール」というようになった という説です。
ちなみにこの出来事から「乾杯」の意味として「ハイボール」が使われるようになったそうです。
もう一つは「駅員たち」から
駅員たちはよく駅舎内のバーでウイスキーのストレートとチェイサーのソーダを飲みながら、信号機のボールが高く掲げられるの(ハイボール)を待っていました。
当時、今のような通信機器はありません。鉄道の待ち時間はすっごく長かったんでしょうね。
ゆっくりウイスキーを楽しんでいたら、急にボールが掲げられます。
急いで業務に戻るため、ウイスキーをチェイサーのソーダに入れて一気に飲み干し、そして「ハイボール!!!(出発進行)」といっていたそうです。
ここからウイスキーのソーダ割をハイボールと呼ぶようになったと言われています。
デュワーズ説、ゴルフ場説と比べますと……。
トミー説は少し年代が後過ぎますので、すでにハイボールが広がりつつあったと思います。
またゴルフ場説はスコットランドで、「ウイスキーをハイボール飲む」文化自体、そんなに根付いていないです。しかも基本的にはウイスキーのソーダ割は「Whisky and soda」です。
対して「ハイボール」という言葉が、アメリカ英語には「通行可、出発進行」や「乾杯」など様々な意味があることから鉄道説から「ハイボール」呼ばれるようになったほうがしっくりくると思います。
どの話も面白いですよね!!
どれを語るか自分が好きな説でいいと思います。
「ソーダ水」と「炭酸水」の違い!!
ハイボールに不可欠なソーダ水と炭酸水。
「ソーダ水」=「炭酸水」だと思っていませんか?
実は明確な違いがあります。
炭酸水は炭酸の入っている水という意味で、天然水と人工的に二酸化炭素を溶け込ませて作る方法の2パターンがあります。
そしてソーダは水、クエン酸、炭酸水素ナトリウム(重曹に近いもの、ベーキングパウダーの原料)を混ぜ、化学変化させてつくられます。
そのため、ソーダ水のほうが圧倒的にナトリウム量が多いので、味わいも全然違ったものになります。
一般的にソーダ水のほうがお酒には合いやすいといわれていますが、最終的には好みの問題。
いずれソーダ水と炭酸水をいろいろ並べて、同じウイスキーでハイボールの飲み比べを行ってみたいですね。
ぜひご覧になっている読者様も「おうち時間」で試してみてはいかがでしょうか?
最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。
ハイボールの話いかがだったでしょうか
この記事が面白かった・よかったと思ったらランキングまたは、はてなアカウントをお持ちの方は「はてなブックマーク」へのご協力をお願いいたします。