本日もお越しいただきありがとうございます。
基本って大事だなーって常々思うウイスキー好き料理人Yaffeeです。
本日のテーマは「モルトウイスキーとグレーンウイスキー」についてです。
ウイスキーには大きく「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」という2つのタイプのウイスキーがあります。
そして、基本的にこの2つを混ぜたウイスキーを「ブレンデッドウイスキー」と言います。
「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」は大きく原料が違うわけですが、実はそれだけじゃない!!
製法、役割、そして味わい。
様々な「違い」があります。
そこで今回、「モルトウイスキーとグレーンウイスキー」の違いについて詳しくまとめていこうと思います。
はじめに……
「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の分け方は、スコットランドと日本でよく使われます。
これは、スコッチウイスキーの技術を踏襲してジャパニーズウイスキーが誕生したから。
他にも、新勢力の「台湾」、「インド」、「ニュージーランド」などでも同じような区分が使われています。
つまり、「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の違いは、『ウイスキーの基礎』だと思います。
違いが分かれば、「ウイスキー」について大きく理解が深まり、より面白くなってくるのではないでしょうか?
そこで、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違いじっくりと僕なりに解説していこうと思います!!
モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違い
- モルトウイスキー
モルト(大麦麦芽)100%で作られるウイスキーのこと。
基本的には(ポットスチル)単式蒸留器が使われ、個性的な味わいにすることが多いです。
- グレーンウイスキー
モルト以外の穀物も使用したウイスキーのこと。
蒸留には連続式蒸留機が使われます。ブレンデッド用に使われることがほとんど。安価で個性の少ない味わいにすることが多いです。
モルトウイスキーは個性が強く、様々なフレーバーが楽しめるので「ラウドスピリッツ」と呼ばれたりします。
対してグレーンウイスキーは、個性が少ないことから「サイレントスピリッツ」と呼ばれています。
ただし!!
これはあくまで一般論。
グレーンウイスキーもモルトウイスキーももっと奥の深い世界なので、まずはそれぞれのウイスキーについてみていこうと思います!!
個性的な『モルトウイスキー』
モルトウイスキーは、大麦麦芽のみから作られるウイスキーのこと。
基本的に、単式蒸留器(ポットスチル)という伝統的な蒸留器が使われます。
そしてポットスチルを使って2~3回蒸留を行うのがモルトウイスキーの主流。
蒸留回数が少ないので、かなり原料由来の味わいや香りが残りやすい特徴があります。
そのため、モルトウイスキーは個性を楽しむウイスキーだと思っています。
その土地の個性、原料の個性、樽の個性などなど。
それぞれの味や香りの違いを楽しめるのがモルトウイスキー。
そしてブレンデッドウイスキーでは、味や香りを決定する原酒となったり、アクセントとして使われることが多いです。
また個性を存分に楽しめるボトルも多いです!
それが、
- 単一蒸留所の「シングルモルト」
- 一つの樽だけの「シングルカスク」
- 樽だしそのままの「カスクストレングス」
などなど
是非、モルトウイスキーのそれぞれの特徴を楽しんでみてください!!
個性が楽しめるオススメのモルトウイスキー!!
『キング・オブ・フルーティ』、『オトナの青リンゴ』 グレングラント 10年
飲みやすいバーボン樽熟成のスタンダードなウイスキーの中で特にオススメしたいボトル。
青リンゴフレーバーに穀物の優しい甘みが特徴。
飲み慣れていない方でも飲みやすいウイスキーです!!
『シェリー樽のエキスパート』 グレンファークラス 12年
濃厚なシェリー樽熟成のスタンダードなウイスキーで、特にオススメのボトル!!
ドライフルーツやレーズン、紅茶、チョコのようなニュアンスが特徴。
まったり濃厚なひと時を味わいたいときにベストです!
『好きか嫌いか』最強にクセのあるスモーキーフレーバー ラフロイグ 10年
スモーキーでクセの強いピートを焚いたタイプのスタンダードウイスキーで特にオススメのボトル!!
正露丸のようなクセとスモーキーなフレーバー。そして程よい甘みが特徴。
ガツンとしてクセが欲しいあなたへおすすめです!!
影の功労者『グレーンウイスキー』
モルト100%で作るモルトウイスキーに対してグレーンウイスキーはモルト以外の穀物が主原料となります 。
主に使われるのがトウモロコシ、小麦、未発芽の大麦です。
ただ近年トウモロコシも高騰しているため、現在では小麦の比率を増やしているところも多いそう。
基本的に連続式蒸留機という近代的な蒸留機で蒸留されます。
この連続式蒸留機とは、数十段の棚を持った塔状の蒸留設備。
1棚ごとに単式蒸留器一回分の蒸留が行えると思ってください。
単式蒸留数十回分の蒸留が、原料のモロミと蒸気を送り続けることでずっと蒸留し続けることができる機械のこと
原酒を安価にそして大量生産することができます!!
さらに純粋なアルコールに近い、個性の少ない原酒を作ることが可能となります!!
ただし!!
実はここだけの話、
グレーンウイスキーだからって、全て個性が少ない訳ではありません!!
ウイスキーに関する専門書や資料で、「グレーンウイスキーは個性の乏しいサイレントスピリッツ」と書いてあることがあります。
ただし、実際に蒸留所に行ってみるとよくわかります。
「グレーンウイスキー」だってちゃんと個性を残せるのです!!
実は、連続式蒸留機でも様々な種類があります。
古いモデルの「カフェ(コフィー)式」と呼ばれる連続式蒸留機は、比較的個性が残りやすいといわれています。
また連続式蒸留機は数十段の棚がある構造ですが、棚のどこからでも原酒を得ることができます。
そのため、実はヘビーな原酒からライトな原酒まで様々なタイプの原酒を作り分けることができます。
実際、ヘビーな原酒は出汁感やカラメルのようなしっかりとしたコク、そしてオイリーなニュアンスがある味わい。
少なくとも「知多蒸留所」と「富士御殿場蒸留所」のヘビータイプはかなり個性的な原酒でした。
また「ニッカ カフェグレーン」を飲んだことがある方は、感じたことがあると思います。
もちろん個性の少ないブレンデッドウイスキー用のグレーンウイスキーがメインだとは思います。
ただそれがグレーンウイスキーのすべてではないということは声を大にして言いたいです!!
美味いグレーンウイスキーは、半端なく美味いです!!
『グレーンウイスキーが主役』!!オススメのグレーンウイスキー
『グレーンウイスキーで世界に認められた蒸留所のグレーンウイスキー』シングルグレーン富士Fuji
グレーンウイスキーで世界的な賞を受賞している富士御殿場蒸留所。
富士御殿場蒸留所が2020年にリリースした深く濃ゆいグレーンウイスキーが「シングルグレーン 富士 Fuji 」
コクのあるカラメルのような味わいが特徴。
濃くヘビーなグレーンウイスキーを飲んでみたい方にオススメです!!
『料理を引き立てるウイスキー』 シングルグレーン 知多
引き立て役としても、主役としても楽しめるグレーンウイスキー。
ライトフレーバーの中に、カラメルや出汁感の深いコクのある味わいが特徴。
料理にも合いやすいので、食事中の一杯としてもおススメです。
『世界初のグレーンウイスキー』 キャメロンブリッジ
ストレートでも楽しめるスコッチグレーンウイスキー!!
青リンゴに近いフルーティなフレーバーにバニラの香りが特徴。
穏やかだけど個性的。飲みやすくも深いグレーンウイスキーを味わいたい方にオススメです!!
個性派と引き立て役が織りなすバランスのいいウイスキー『ブレンデッドウイスキー』
職人のこだわりが詰まった個性的なモルトウイスキー。
引き立て上手なグレーンウイスキー。
この二つをブレンドしたウイスキーが、「ブレンデッドウイスキー」です。
基本的にブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーで味の構成を造り、グレーンウイスキーでバランスをとっていく。
このような作り方をしています。
そしてモルト:グレーン=3:7から4:6ぐらいの割合で造られることが多いです。
ただこの考え方も蒸留所ごと、生産者ごとに変わります。
中にはグレーンウイスキーで味わいを構成しているウイスキーもあります。
それが、富士御殿場蒸留所の「富士山麓 シグニチャーブレンド」です。
カラメル香としっかりとコクのある甘み、そして華やかなニュアンスが楽しめるウイスキー。
「グレーンウイスキー富士Fuji」と飲み比べてみたら面白いかもしれませんね!
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
「個性的なモルトウイスキー、個性の乏しいグレーンウイスキー」
こういった情報にいつも疑問を感じていました。
確かにモルトウイスキーは個性的だと思います。
ただ個性の乏しいグレーンウイスキーがグレーンのすべてではない。
むしろちゃんと造られたグレーンウイスキーは、単体でも楽しめますし味わいの幅が広く魅力的な個性があります。
やっぱり情報だけにとらわれず、自分で味わって体験してみるとこが大事だなって思います。
ぜひ皆さんもモルトとグレーンの違い、自分の舌でゆっくりじっくりと味わってみてください!!
よりウイスキーが好きになっていくと思います!!
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします!!
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