魅惑的な琥珀色をしたウイスキー。
その色、実は着色されていたって事実ご存じでしたか??
すべてのウイスキーではないですが、「スピリッツカラメル(プレーンカラメル)」によって色付けすることは許可されています。
有名銘柄ほど着色されていることが多いですが、カラーリングはウイスキーにとって必要な作業でもあるのです。
それはなぜなのか。
ウイスキーの着色について解説したうえで、ノンカラーのウイスキー銘柄をご紹介していこうと思います。
衝撃!!ウイスキーは着色されていた
冒頭でも書きましたが、ウイスキーが着色されていたとしたら、誰しも衝撃の事実だと思います。
ところが、透明から琥珀色へカラメルで色付けされているわけではなく、基本は樽熟成によって着いた色です。
あくまでも樽から出た色が弱かった時にカラメル色素で補っています。
着色が行われているウイスキーで多いのが、ブレンデッドウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーは、数十種類の原酒がブレンドされています。
複数の原酒をブレンドする理由は製品を安定化させるためですが、前回と同じ味わいのブレンドしても色まで同じになるとは限りません。
ウイスキーはたとえ同じ蒸留所・年数でも一樽ごとに味わいや熟成度合、色合いが微妙に異なります。
色合いが少し異なるときに、補助的に着色が行われているのです。
シングルモルトでも同様に蒸留所内の原酒をブレンドした上で、色合いが足りないときにカラメル添加が行われることがあります。
なぜ着色してまで色をそろえる?
もし、同じ銘柄のウイスキーで色合いが違ったとしたら違和感を感じませんか?
プロが同じ味に仕上げたとしても、視覚的な違いがあったら味が違うと感じるでしょう。
料理でも一緒ですね。色が違うと同じ品質だと思われないことがあるので、着色料が使われます。
このような違和感を飲み手に与えさせないために、着色が必要になるのではないかと思います。
カラメル色素(E150a)以外、使用できない
ウイスキーに使っていいカラメル色素は、「E150a」というカラメル色素のみです。
食品添加物の中でカラメル色素は「E150」という番号が割り当てられています。
そこからさらに……E150a・E150b・E150c・E150dという4つに分かれます。
- E150a……糖類を加熱するだけの製法
- E150b……糖類に亜硫酸を加えて加熱する製法(日本では使用禁止)
- E150c……糖類にアンモニア化合物を加えて加熱する製法
- E150d……糖類に亜硫酸とアンモニア化合物を加えて加熱する製法
「カラメル色素」のほとんどは、E150c・E150dですが、ウイスキーで使われているカラメル色素は「E150a」です。
特にスコッチやアイリッシュではE150aしか許可されていません。
また使用量もごく微量で、味や香りに影響しないこととされています。
ところが、中にはノンカラーの製品をリリースしているメーカーもあります。
ラベルには、こだわりを持って「ノンカラー」と記載されています。
大体、表面ラベルの下に「No color」書いてあることが多いです。
バーボンウイスキーはすべてノンカラー
バーボンなどアメリカンウイスキーでは、ほとんどの銘柄がノンカラーとなっています。
カラメル色素で色付けすることが法律で禁止されているからです。
アメリカンウイスキーのほとんどは内側を焦がしたオーク製の新樽で作らなくてはいけません。
そのような樽で熟成させた原酒は、短期間でも色の濃く仕上がります。
通常の作り方であれば、カラメルによる色付けは必要がないほど色が濃くなるので、法で禁止されているのです。
おすすめのノンカラーのウイスキー
ノンカラーのウイスキーは、色合いのばらつきが生まれてしまったとしても自然体のウイスキーをリリースしたいこだわりの銘柄が多いです。
そのため、やや高価だったり、入手しにくいことがあります。
今回はその中でも、入手しやすいおすすめのノンカラーウイスキーをピックアップしました。
- スムースで繊細な味わいの中に奥深さを感じるフレーバー
- ストレートでもハイボールでも美味
- ノンエイジ・ブレンデッドにしては、やや高価
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 50% |
樽 | バーボン樽、ワイン樽など |
熟成年数 | ‐ |
アイラ島の湧き水やスコットランド産大麦100%使用などテロワールにこだわるブルックラディ蒸留所のフラグシップボトル。
アイラ島ながらノンピートで作られており、フルーティでフローラルなエレガントさが特徴です。
アルコール度数50%とハイプルーフですが、口当たりがなめらかで奥深い余韻がお楽しみいただけます。
によりストレートやロック、ハイボールなど幅広く活躍できる一本です。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・アイランズ |
アルコール度数 | 46% |
樽 | 1stフィルのバーボン樽、シェリーホグスヘッド |
熟成年数 | 10年 |
クラフトウイスキー蒸留所のパイオニアとして有名な「ロックランザ(アラン)蒸留所」。
そのフラグシップボトルが、アランモルト10年です。
1stフィルのバーボン樽で熟成された原酒をメインに使用、シェリーホグズヘッドで熟成された原酒をバランスよくブレンドしています。
リコリスや砂糖漬けのレモンピール、シナモン、トロピカルフルーツのような甘く華やかな香りが特徴。
ストレートやロックはもちろん、ハイボールもおすすめです。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | アメリカ・シアトル |
アルコール度数 | 46% |
樽 | 新樽 1stフィルバーボン樽 1stフィルシェリー樽 2ndフィルシェリー樽 |
熟成年数 | 3年4か月以上 |
ワシントン州シアトルからアメリカンウイスキーにシングルモルト市場の開拓をしてきたウエストランド蒸留所。
10年以上にわたる取り組みの集大成として誕生したフラグシップボトルが、「ウエストランド アメリカンシングルモルト」です。
ナッツやチョコレートのようなコクのある香りに甘くなめらかな口当たり、深い余韻が特徴。
スコットランドのモルトウイスキー造りに忠実ながら、アメリカのフロンティア精神を持ち合わせたシングルモルトです。
ジャンル | バーボンウイスキー |
---|---|
生産国 | アメリカ・ケンタッキー州 |
アルコール度数 | 50.5% |
樽 | 新樽(アリゲーターチャー) |
熟成年数 | 8年 |
ワイルドターキー8年はワイルドターキーのフラグシップボトル。
ブランドのこだわりが詰め込まれた一本です。
- 101米国プルーフ(アルコール度数50.5%)のハイプルーフ
- アリゲーターチャーにこだわった樽
- バーボンの定番ボトルとしては異例の8年熟成
なめらかながらフルボディでコクのある味わいで、しっかりとしたバニラや樽の香りが特徴。
長年多くのファンを魅了し続けている銘柄です。
ノンカラーはボトラーズに多い!!
ノンカラーのウイスキーは、オフィシャルではない「ボトラーズ」というウイスキーに多いです。
ボトラーズ・ウイスキーとは、蒸留所からウイスキーを樽買いしボトリングしている企業のウイスキーのことを言います。
オフィシャルではあまり味わうことができないウイスキーをリリースしていることが多いです。
- 珍しい樽で熟成させたもの
- 樽出しそのまま
- ろ過や着色をしていない
- ブレンドすらしていないシングルカスク
マニア向けのボトルが多く、ほとんどが高価なボトルですが、オフィシャルでは色付けされている蒸留所のノンカラーも手に入れることができるかもしれません。
おすすめの会員制ボトラーズ
ノンカラー、熟成されていたままのウイスキーが楽しみたい方へ、おすすめなのが会員制ボトラーズがあります。
それが世界でもっともカラフルなウイスキークラブ「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(通称:SMWS)」です!
SMWSの会員限定で購入できるウイスキーは、ほぼノンカラーで樽出しそのままのカスクストレングス・シングルカスク(一つの樽からのみボトリング)です!
※一部、ブレンデッドモルトやスモールバッチもあります。
しかも種類が豊富!!
150以上の蒸留所の協力を得ているので、普段ボトラーズでは手に入らない銘柄や通常ノンカラーのリリースがない銘柄もあります!
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
ウイスキーが着色されていたという衝撃の事実だったかもしてませんが、
その理由がちゃんとお伝えすることができればと思います。
ぜひノンカラーのウイスキーを飲んで、目でもウイスキーを楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではよいウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ウイスキーは着色されていたの??筆者がおすすめしたいノンカラーのウイスキー | Yaffee’s whisky bloghttps://www.yaffee.work/entry/no-color-whisky […]