スモーキーなウイスキーが知りたければ、「フェノール値」の意味を知るべし!
ピートレベルの基準として語られる「フェノール値」。
ウイスキーを勉強し始めると、この数値を気にするようになると思います。
だからこそよく陥るのが「フェノール値=スモーキーさのレベル」となってしまうことですが、そこには大きな落とし穴があります。
実はフェノール値は「ピートのレベル」を示す言葉ですが、スモーキーさのレベルを指す言葉ではないのです。
一体どういうことなのか、今回はフェノール値について詳しく解説していこうと思います。
スモーキーなウイスキーでよく聞く『フェノール値』
ピートの効いたスモーキーなウイスキーを語るときよく聞くのが「フェノール値」だと思います。
ウイスキー好きなら「フェノール値○○ppm」か、結構気にしているのではないでしょうか。
ピートの度合い・レベルの基準としてフェノール値は公開されているため、よく「フェノール値の高さ=クセの強さ」だと勘違いしてしまうことがあります。
フェノール値はピートレベルを示しますが、数値が高いほどスモーキーでクセが強いわけではありません。
そもそもフェノールとは何なのでしょうか?
クセのレベルと示すわけではないのなら、フェノール値とは何なのか?
まずはピートからおさらいしつつ、解説していこうと思います。
まずは「ピート」からおさらい
ピートとは、簡単に言うと「燃える泥」です。
数千年以上もの時間をかけて、植物などが堆積し炭化していくことで泥炭(ピート)はできます。
古来よりピートは、ウイスキー造りに欠かせない材料でした。
ピートを焚いて発芽させた麦芽を乾燥させるのですが、この時ピートから出る煙によって独特なスモーク香が麦芽につきます。
そして、そのピートのスモーク香はさまざまな工程を重ねても最終的にクセになる香りとして残り、人々を虜にしています。
この麦芽を乾燥させるときについたスモーキーさを数値化したのが、フェノール値です。
実はウイスキー完成品のスモーキーさを測っている数値ではありません。
単位は化学でよく使われる「ppm」で、クセの強いウイスキーとして代表格である「ラフロイグ」は50~60ppmといわれています。
- 10ppm以下でライトピート
- 25ppm程度でミディアム
- 40~50ppmでヘビーピート
フェノール値はあくまで基準
前記したように「フェノール値」とは、ピートで麦芽を乾燥させた度合いを数値化したものです。
麦芽の段階で高いフェノール値を示していても、完成したウイスキーが必ず強いスモーキーフレーバーを持っているとは限りません。
フェノール値が高くても、あまり強い癖を感じないボトルもあります。
なので、フェノール値が高い=クセが強くておいしいというわけではありません。
あくまでも基準です。
ただ、確かにフェノール値が高いウイスキーは、スモーキーフレーバーが強いボトルがほとんど。
なので、フェノール値を参考にウイスキーを選んでみるのも面白いと思います。
フェノール値順 ウイスキー一覧
アイラモルト
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![]() ![]() | 3~5ppm程度(ノンピート) |
![]() ![]() キルホーマン | 自社製麦芽 10~20ppm、 ポートエレン製38~50ppm |
![]() ![]() | 約25ppm |
![]() ![]() | 基本ノンピート、 ただ35~45ppmの麦芽も使用 |
![]() ![]() カリラ | 基本は34~38ppm |
![]() ![]() ラガブーリン | 34~38ppm |
![]() ![]() | 30~40ppm |
![]() | 自社製は45~50ppm それ以外は34~38ppm |
![]() | 約55ppm |
![]() ![]() | 80~300ppm以上 |
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本日もお越し頂きありがとうございます。クセの強いアイラモルトがやっぱり好きなウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o) 今回[…]
アイラモルト以外
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↓↓↓
![]() ![]() 白州 | 5ppm |
![]() ![]() スプリングバンク | 8ppm |
![]() ![]() ウルフバーン | 10ppmの麦芽も使用 |
![]() ![]() カネマラ | 14ppm |
![]() ![]() ベンロマック | 10~15ppm |
![]() ![]() グレングラッサ | 年1回30ppm |
![]() ![]() ノックデュ― | 40ppm |
![]() ![]() ハイランドパーク | 自家製麦で40~42ppm |
![]() ![]() バレッヒェン | 50ppm |
![]() ![]() ロングロウ | 約50ppm |
![]() ![]() ウエストランド | 55ppmの仕込みあり |
![]() ![]() グレンアラヒー | 60~80ppmの仕込みあり |
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本日もお越しいただきありがとうございます。定期的にスモーキーなウイスキーを飲みなくなってしまうウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o) 今回のお話は「おすすめのス[…]
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
よくウイスキーを少し勉強している人はフェノール値が何ppmか気にしがちです。
僕もフェノール値をすごく調べていた時期はありますが、正直言うとフェノール値でウイスキーの良さは測れません。
そもそもウイスキーの良さを数値化することが野暮な話かもしれません。
今回の記事では、「なぜフェノール値があくまでも基準なのか。」をメインに解説していきました。
実際に表にまとめてみると、数値の割に「アレ?このウイスキーそんなにスモーキーじゃなくない?」と思う銘柄もあったと思います。
そう、あくまでもフェノール値は基準でしかないのです。
麦芽乾燥時の数値であって、完成品の数値ではありません。
なので、参考にウイスキーを選ぶのはいいと思いますが、フェノール値ばかり気にしてはウイスキーの本質は楽しめないでしょう。
ぜひあくまでも「大雑把なスモーキーさもものさし」としてフェノール値を参考にスモーキーなウイスキーを楽しんでください!
それではよいウイスキーライフを!
また次回もよろしくお願いいたします。