本日もお越しいただきありがとうございます!!
実は静岡県生まれのウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
本日は静岡県に新しくできた蒸留所「静岡蒸留所」についてです!!
今回の記事は2018年の夏に訪れた時のレビュー記事です。
静岡蒸留所について
東京から新幹線で1時間ほどの静岡駅で下車。
しずてつバス奥の原上バス停までバスで揺られること1時間ほどのところに静岡蒸留所があります。
隣には一級河川の安部中河内川。
通称「オクシズ」と呼ばれる自然豊かな静岡の奥座敷です。
静岡蒸留所には広い駐車場があり、そこから心地よい自然の空気を堪能することができます。
そんな静岡蒸留所は、「静岡の自然と調和する、ウイスキーづくり」ということを外観でも表現しているそう。
「日本の美と西洋文化の融合」をテーマにした建築は、静岡の木材を多用した木のぬくもりとどこか親しみやすさがありつつも、革新的な建物でした。
蒸留所内部にも木にこだわり、天井、壁のほとんどは木目調を生かしたデザイン。
蒸留所案内となり中を見学させていただくことに。
もともと見学ツアーをはじめから考えていたそう。
蒸留所内は、通路などが広く見学しやすい造りになっていました。
また蒸留所内の写真撮影は歓迎というのもうれしいw。
静岡蒸留所の製造について
初めに案内してもらった場所は1階部分の発酵槽です。
静岡蒸留所の発酵槽は、オレゴンパイン4基、静岡県産イトスギ4基で間もなく2基導入予定だそう。
使用酵母のメインはマウリ社のピナクルという酵母を使っています。
試験的に地元静岡生まれの静岡モルト酵母での仕込みも行われたそう。
ただ製品化するまでの生産はまだできないそうです。
次に案内されたのは麦芽の粉砕機。
本場スコットランド産を中心に、ドイツ産、カナダ産、そして国内産のモルトを特性に合わせて使い分けています。
これまたごく少量だが、静岡県産のモルトも使用し、樽詰めされていそうです。
ただそのモルトを粉砕する粉砕機は圧巻!!
1980年代のポーディアス社製モルトミルで、もともと軽井沢蒸留所で使われていたものだそうです。
骨董品のようになってしまったモルトミルだったそうですが、静岡蒸留所が買い取り、現在稼働しています。
このモルトミルは力強く丈夫でいい仕事をしてくれるそうです。
その粉砕機で1バッチ1tの麦芽を粉砕しています。
続いて案内されたのは、糖化槽。
静岡蒸留所は、ステンレス製の糖化槽が1基のみです。
残念ながら訪れたときは、メンテナンスを行っている時期でした。
そのため造っている工程は見ることができなかったですが、代わりに糖化槽の中の構造まで見ることができました!!
下には「ロイター板」というろ過装置。
槽の中には糖化中攪拌を行うレーキという熊手のような装置があります。
製造を始めて想像以上に糖化の重要性に気づかされたそう。
その日の気温・湿度など様々な要因で味わいが全く異なるらしいです。
こういう話はなかなか大手では聞くことのできないことで大変貴重な情報を聞くことができました。
続いてスチルのある蒸留室へ。
そこにはポットスチルが4基ありました。
雑誌等で静岡蒸留所の情報を見たことのある方は1基多いのでは?と思うかもしれません。
静岡蒸留所には、まだ稼働していない(2018年現在)ホルスタイン社製のハイブリットスチルがありました!
小型のスチルで、今後どう使われるのか楽しみです。
そして稼働中のポットスチルは……
・軽井沢で使われていたポットスチル!
・フォーサイス社製薪直火焚きの初留釜!
・同じくフォーサイス社製間接加熱の再留釜!
です。
やはり静岡蒸留所の目玉ともなる薪直火のポットスチル!!
なんと薪を入れ、火をおこす部分は地元のピザ窯職人が作ったそうです。
(フォーサイス社からは「やめといた方が……」とまで言われたそう。。。)
確かに以前、薪窯のピッツェリアで働いていた経験のある自分から見ても、確かに石の組み方が似ています。
ピザを焼くには450~480℃程度の温度が必要。
薪加熱の石窯は、さらに高い1,000℃近い温度まで耐えられるように設定しなくてはいけません。
ウイスキーの直火焚きにはちょうどいい温度まで耐えられるようになっているみたいですね!!
最後は熟成庫!!
蒸留設備のある建物を出て、施設内の別ところに熟成庫があります。
まだ蒸留開始から2年程度ですが、ずらっと並んだ樽が眠る熟成庫からは心地よいフルーティーな香りが漂っていました。
この香りをかぎながら、静岡蒸留所からリリースされる製品が待ち遠しなと思わされました!
【モルトウイスキーの作り方について詳しく知りたい方はこちらへ】
試飲
最後に試飲コーナーにて、ニューボーンを試飲!!
静岡蒸留所は、特にスコットランドの作り方を踏襲してるなと感じましたが、作られるお酒がどういう味になるのか楽しみでした!
軽井沢スチルのものはフィディックやリベットのようなシトラス感とフローラルでスムースというスペイサイドのような味わい。
また薪直火スチルのものはトースティで厚みとコクがあり、ハイランドに近い印象を感じました。
さらにピートタイプは、アードベッグのようなピーティーで南国フルーツ感!!
味わいの違うスピリッツをすでに作り上げていて、その一つ一つがかなりうまい味わいでした!!
そしてそれを自分なりにブレンドしてみたら、めっちゃ美味い!!
味わいの奥深さがすでにある印象を持たされました!!
静岡蒸留所のシングルモルトは、短期熟成でもフレーバーの幅が広そうだな!とかなり期待できます!!
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!!
今回のお話いかがだったでしょうか?
今回訪れて、静岡蒸留所がスコットランド・日本の伝統を生かし、静岡でしか作れないウイスキーを作ろうとしていることを肌で感じました。
メンテナンス中で稼働中を見てはいないのは残念でしたが、
きっとリリースされる製品には、思いが込められ、消費者にも静岡の空気を感じられるようなものを作ってくれると確信に近い信用を持ちました。
個人的だが、出身県名の本格ウイスキーがリリースされるということは、かなり心躍ります!!
このシングルモルトぜひ味わってみたいなと思っています!!
来月の12月リリースが楽しみです!
それでは「良いウイスキーライフ」を!!
また次回もよろしくお願いいたします!!