『天使のくれた時間』
2000年制作の「もしあの時に違う道を選んでいたら?」 をテーマの描かれたファンタジー映画で、人生の価値観や考え方を見た人に問う不朽の名作。
監督は「ランナウェイ」や「ラッシュアワー」、「レッドドラゴン」も手掛けたブレット・ラトナー監督。
主演はニコラス・ケイジとティア・レオーニ。
この作品でティア・レオーニはサターン映画主演女優賞を受賞しています。
あらすじ
物語はジャック(ニコラス・ケイジ)とケイト(ティア・レオーニ)が学生のころから始まります。
二人は将来を誓い合った間柄でしたが、ジャックが一流投資銀行の研修に参加するためにロンドンへと旅立つこととなり、ケイトはロースクールに通うために地元に残ります。
二人の将来に嫌な予感がしたケイトはロンドン行きを引き留めます。
しかしジャックは「離れていてもお互いの心は離れない」といってロンドンへと旅立ってしまいました。
遠距離恋愛を選んだジャックとケイト。
結局二人は別れてしまいます。
それから13年後
ジャックは投資銀行の社長となり、お金に不自由ない悠々自適な独身貴族となります。
ジャックは「成功者」となった自分は人生のすべてを手に入れたと思っていました。
クリスマスイブの夜たまたま寄ったコンビニで宝くじの換金に来たキャッシュ(ドンチードル:「ホテルルワンダ」の主演であるポール・ルセサバギナ役)に出会います。
キャッシュは店主に偽の宝くじだと疑われたことに腹を立て、店主に拳銃を突きつけます。
何とかジャックがキャッシュをなだめ、キャッシュに「まじめに働け、何なら救いの手を差し伸べてやる」というと、
キャッシュは「お前はすべてを手に入れたのか」 と問います。
それに対してジャックは「すべてを手に入れた」 と答えます。
そしてキャッシュが「この後面白いことが起きる」 といってこの場を去っていきます。
腑に落ちないながらも、その日ジャックは眠りに落ちます。
次の日目が覚めると、隣には13年前別れたはずのケイトが……。
そして見慣れない家と二人の子供、大きな犬がいます。
状況が飲み込めず、慌てて自分の住んでいた高級マンションや自分のもっていた会社に行きますが、自分の痕跡が全くありません。
頭を抱えているジャックに再びキャッシュが、元の世界で自分の乗っていた高級車で現れます。
そこでジャックに「煌きを見せている、答えは自分で探せ」 と告げて去っていきます。
今ジャックのいる世界は13年前に、もしケイトとともに歩んでいく生活を選んでいたらという場合の自分だったのです。
妻ケイトは非営利の弁護士。片やジャックは田舎の冴えないタイヤのセールスマン。
始めこそ元の生活と比較して、文句ばかり言っていたジャック。
次第にもしもの世界で夫として、また二児の父親としての自分を受け入れていきます。
そして元の生活で自分に足りなかったものに気付かされていきます。
もしも世界での生活を受け入れ、この生活の「煌き」を見つけられた矢先、再びキャッシュが現れます。
キャッシュは「煌きは永遠には見せられない」とジャックに告げます。
そしてジャックは元の世界に戻ることとなるのですが……。
ウイスキーの登場シーン
この作品で登場するのは
「Glen Livet 12年」
※大幅にラベルデザイン変更があったので、この映画に出ていたラベルとはかなり違ったデザインになってしまっています。
ジャックがもしもの世界での職場に初めていったシーン。
自分の職場に落胆しながら自分のデスクの引き出しを開けてみると、その引き出しから「グレンリベット12年」が出てきます。
自分が元の世界で飲んでいた酒に比べて”安いウイスキー”にまた落胆しながらも「飲まなきゃやってられないよな」というような表情を見せるシーンです。
感想
この作品は「成功者」の幸せと等身大の家族をもつことの幸せのどちらが幸せかを問う作品 だと思います。
まずケイトと子供たちがかわいい!(笑)
独身生活を謳歌していたジャックが、いきなり二児の父親として慣れない生活を強いられます。
その生活に苦労しながらも、その苦労がだんだんと一つの幸せのように見えてくる。
このニコラス・ケイジの演技力と監督の見せ方がこの映画の魅力の一つだと思います。
この映画に登場したグレンリベット12年は決して半端なく安いウイスキーというわけではないです。
しかしグレンリベット12年の登場シーンを見て、元の世界でのジャックは超高級ウイスキーやブランデーを飲んでいたのかなと想像力を掻き立てられました。
またウイスキー用語に「天使の分け前(エンジェルズシェア)」という言葉があります。
ウイスキーの登場がこの用語とタイトルの「天使」とをかけているのかな勝手な妄想をしています。(笑)
「ウイスキー」片手に「名作映画」で乾杯!!
ぜひこの機会にご覧ください!!
最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。
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