ウイスキーの基本的なテイスティング表現の例、まとめ

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美味しいけど、ウイスキーの味わいを言葉で表現するって難しい……

最近、SNSを中心にウイスキーのテイスティングレビューをしている方をよく見かけます。

具体的な香りで表現する方もいれば、詩のような表現をする玄人も……。

いざ自分もやってみようと思ったとき、なかなかいい言葉が出てこず難しいと思ったことはないでしょうか?

今回は、ウイスキーの表現方法がわからない方へ基本的なウイスキーの表現方法をまとめました。

目次

ウイスキーの香り・味わいについて

ウイスキーの表現方法を解説する前に、まずはウイスキーの香りや味わいについておさらいしていきましょう。

ウイスキーは、香りの感じ方を3つに分けてレビューすることが多いです。

香りの感じ方
  • アロマ
  • フレーバー
  • 余韻(フィニッシュ)

余韻は何となくわかっても、アロマとフレーバーは明確な違いがわからない方も多いのではないでしょうか。

アロマは香りのことを言い、フレーバーは風味のことを言います。

飲む前の鼻から感じる香りがアロマで、飲んだ直後に感じる風味がフレーバーです。

アロマ鼻に入ってくる香り。たち香。鼻先香。
フレーバー飲んだ後に味と同時に感じる香り。あと香。口中香。
余韻後に残る香り。アフターフレーバー。

ウイスキーの表現方法

ウイスキーのテイスティングレビューを見ると、「エステリー」や「ブリニー」など難しい表現も多いです。

始めから難しい表現をする必要がありません

何がエステリーでブリニーな味わいなのかわからないと思います。

まずはわかりやすい表現でより細かく表現してみることがおすすめです。

感じるフレーバーを「系統」で分けていくと、わかりやすいです。

STEP
「美味しい」「美味しくない」の理由を探してみる
  • フルーティな香りが美味しいと感じた?
  • クセのある香りが苦手
  • 華やかな印象が好き
STEP
少し細かく感じてみよう
  • 柑橘系の香り
  • スモーキーなクセのある香り
  • 花を連想させるような香り
STEP
より細かく表現してみよう
  • レモンのような尖った印象
    オレンジのような丸みのある爽やかさ
  • 保健室の消毒液のような香り
    焚火のようなスモーキーさ
  • エキゾチックなバラのような香り
    白い花が咲き誇る花畑を連想させる香り

このように自分の基準を作って考えていくと、わかりやすいです。

始めからかっこいい表現なんてできません

まずは、どんな味が美味しい・美味しくないと感じたのか少し展開してみる所から始めて見るといいでしょう。

ウイスキーフレーバーホイール

ウイスキーのフレーバーを系統で分ける時に役に立つのが「フレーバーホイール(風味の環)」です。

フレーバーホイールは、プロのブレンダーやソムリエ、コーヒーの焙煎士などがアロマ・フレーバーの個性を詳細に表現するために使用されます。

フレーバーホイールの特徴
  • 香りや味わいを表現している円形の図表
  • 系統ごとに分かれている
メリットフレーバーの言語化がしやすい
デメリット自分の感覚に左右される

プロが使うのもには、「どぶ臭」や「吐き気を催すような」などマイナス印象が強すぎる表現があり、専門的な用語が多いです。

そのため、当ブログではより扱いやすいウイスキー版フレーバーホイールを作成しました。

感じたことのない香りやわかりにくい香りもあると思いますが、フレーバーホイールを見ながらウイスキーを飲むことで個性の表現がしやすくなると思います。

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フレーバーホイールを見ながら飲むと、意外な風味の発見があるかもね!

フレーバーマップ

フレーバーホイールとは別により簡易的で見やすい「フレーバーマップ」というものがあります。

フレーバーマップの特徴
  • 縦軸が、スモーキー⇔デリケート
  • 横軸が、ライト⇔リッチ
メリットウイスキーの簡易的な特徴がわかりやすい
デメリットフルーティやウッディなど具体的な個性はわからない

ウイスキーを紹介するときや比較をするときに便利な図表ですが、詳細な味わいまでは伝えることができないことが特徴です。

yaffee

よくウイスキー紹介サイトとかで使われているよね!

ウイスキーのアロマ・味わい・フレーバーの「系統」

それでは、ウイスキーのアロマ・味わい・フレーバーの「系統」に触れていこうと思います。

フルーツ系

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ウイスキーの中には、フルーツのような香りがする銘柄が数多くあります。

これはよく香料などの成分であるエステル類(アルコールと酸が結合したもの)によって香ることが多いです。

エステル類は、発酵工程時や樽熟成時に生成されると言われています。

表現の代表例
  • シトラス系
    ……レモン、オレンジ、グレープフルーツ、柚子、ライム
  • トロピカルフルーツ
    ……パッション、マンゴー、バナナ、パパイヤ、メロン
  • リンゴ、梨系
    ……リンゴ、青りんご、ナシ、洋ナシ
  • 核果系
    ……白桃、黄桃、梅、アンズ
  • ベリー系
    ……イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、ブルーベリー、ブドウ、マスカット
  • ドライフルーツ
    ……干しイチジク、干しアンズ、プルーン、デーツ

フローラル系・ハーブ系

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スペイサイドモルトやジャパニーズウイスキーなどから、花のような香り、華やかな印象のフレーバーを感じたことはないでしょうか?

花のような香りは、

  • エステル類
  • 高級アルコール
  • アルデヒド類

などによって感じる香りだと言われています。

表現の代表例
  • 草っぽい系
    ……干し草、芝生、青草、ワラ、麻布、枯れ葉、シダ
  • ハーブ系
    ……シソ、ミント、バジル、ローリエ、バジル、タイム、フェンネル
  • スパイス系
    ……クミン、ナツメグ、クローブ、カルダモン、ジンジャー、サフラン、マスタード、胡椒、山椒、胡麻
  • フローラル系
    ……桜(桜餅、桜の葉)、モクレン、ジャスミン、スミレ、薔薇、ユリ、梅、金木犀、ココナッツ
  • 連想させるイメージでの表現
    ……白い花、黄色い花、赤い花

シリアル系

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穀物のような穀物感といった香味の系統です。

原料由来のアロマ・フレーバーなことが多いと思います。

表現の代表例
  • モルティ(麦芽の香り)
  • コーン
  • ライ麦
  • 焼き立てのパン
  • オートミール
  • 段ボール
  • グラノーラ
  • ビスケット

フェインツ・テール系

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油っぽい香りだったり、ちょっと肉っぽい香りのことを指します。

「フェインツ」とは、2回目の蒸留の時に本来使われない後半に出てくる蒸留液のこと

あえて蒸留所がこの香りや味わいを残しているわけですが、強すぎるとオフフレーバーとなってしまいます。

ただ少量なら味わいに厚みを与えるフレーバーです。

また、オイリーなフレーバーは、麦汁の濁り具合に由来することが多いそう。

濁った麦汁には脂肪酸が多く含まれています。

そうなると重厚感のある仕上がりになります。

ただその分エステル類の生成を阻害する作用があるそうです。

表現の代表例
  • フェインツ系……
    なめし皮、レザー(革製品)、たばこ、葉巻、ミルク、チーズ、プラスチック、石鹸、ミーティ(肉っぽい)、ヨーグルトなど
  • オイリー系……
    マーガリン、バター、アーモンド、ピーナッツ、脂肪、油、酸化した油、オリーブオイル、アマニオイルなど

硫黄系

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硫黄系の匂いのこと。

大麦自体にもともと持っていたり、大麦の乾燥方法で付与されたり、樽から抽出されたりします。

そしてこの香りの強さは、ポットスチルか、熟成期間によって変わることが多いです。

ポットスチルは基本銅でできています。銅には硫黄を取り除く効果があるそう。

その銅との接する時間が長いほど、硫黄は取り除かれます。

これも先ほどのフェインツ系と同じように、

少量なら厚みとなり、多いと「オフフレーバー」です

また最近のシェリー系ウイスキーに多くこの香りがあります。

それはシェリー樽の殺菌洗浄として硫黄が使われているそう。

シェリー系ウイスキーの硫黄系のフレーバーがあるのはこれが原因だとか……。

表現の代表例
  • 硫黄
  • ゴム
  • タイヤ
  • 硝煙

ピート・スモーキー系

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主に麦芽を乾燥させるときに焚くピートによってつくスモーキーな香り。

一重にスモーキーをいえどピートの種類によって大きく2つのタイプに分かれます。

クセのある正露丸ような香り焚火な薫香です。

内陸のヒースやヘザー、草からできたピートだと乾いたスモークの香りとなる傾向があります。

対して、海に近いところのピートだと、海藻なども混ざって独特のヨードや消毒液のような香りとなる傾向があります。

ヨード香、消毒液のような香りは、特にスコットランドのアイラ島などに多いです。

表現の代表例
  • 焚火
  • 消毒液
  • ヨード
  • 腐葉土
  • タール
  • たばこ・葉巻
  • ほうじ茶

ワイン系・ウッティー系

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樽由来ということでこのワイン系とウッティー系は一緒にしました

バーボンでは、新樽の使用が義務となっています。

特にバーボンでよく使われるアメリカン・ホワイトオークははちみつやバニラのようなフレーバーがつきやすいそう。

その分、樽材成分が多く抽出されるので、はちみつやバニラといった香りがつきやすいです。

また、ジャックダニエルなどのテネシーウイスキーは、メープルウッドの炭で蒸留したてのウイスキーをろ過する製法を採用しています。

そのため、メープルの甘い香りつきやすいです。

対して、ワイン系のフレーバーはシェリー樽やワイン樽由来。

ナッツやレーズン、チョコなどの香りがつきリッチなテイストになりやすいです。

つまり熟成しすぎると、オフフレーバーとなってしまうそうです。

ごくまれに麦芽由来のチョコレート感など、樽以外からの成分で近い香りを感じることはあります。(EX:グレンモーレンィ シグネット、ウエストランド アメリカンオークなど)

表現の代表例
  • バーボン系に多い
    ……はちみつ、バニラ、メープル、キャラメル、トフィ、甘草、バナナなど
  • シェリー系に多い
    ……チョコ、アーモンド、クルミ、紅茶、バターケーキ、レーズン、アールグレイ、黒みりんなど
  • ワイン樽系に多い
    ……ベリー、チョコ、紅茶、レーズン、ゴボウ、ミルク(白ワイン系)など
  • ミズナラカスク……白檀、伽羅など
  • 共通……インク、木材、金属臭、キャンディ、アンティーク家具、紙臭、鉛筆、木材加工場など

※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。お酒は楽しく適量で。

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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