【ウイスキー×香り】ウイスキーのアロマ・フレーバーとは??ウイスキーの魅惑的すぎる香りについて

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本日もお越し頂きありがとうございます。

ウイスキーを愛する料理人yaffeeです!

今回のお話は

「ウイスキーと香り」

について

「香り」は、僕たち料理人にとって突き詰めなくてはいけない大事な要素です。

香りが味を大きく左右するといっても過言ではありません。

香り次第で料理はより深くなっていくのです。

もしかしたら、料理人である僕がウイスキーに惹かれた理由は香りかもしれません。

ウイスキーは香りのお酒といわれるほど香り豊かなお酒です。

ウイスキーから感じる香り

甘い香り
フルーツを連想させる香り
スモーキーな香り
焚火のような香り
潮気のある香り
スパイスのような香り
薬品のような香り
花のような香り

いい香りのものもあれば、中には不快な香りが含まれています。

特にモルトウイスキーは、ラウドスピリッツ(主張するお酒)とも言われていて、その香りは個性的かつ複雑で豊か

ウイスキーには様々な香りを含んでいて、その複雑さを楽しむことこそウイスキーの魅力の一つだと思います。

また、注いだばかりのウイスキーの香りとグラスに残った香りも違っていることもあります。

高アルコールだからこそ様々な香りの楽しみ方ができるのです。

そんなウイスキーと香りについて、
まずは「香り」から料理人ならではの解説で話していこうと思います。

目次

そもそも「香り」とは??

まず、そもそも「香り」とは何なのでしょうか?

香りといっても目で見えるものではありません。音で感じるものでもありません。

香りは、鼻でしか感じることのできない感覚です。

そして「香り」は料理においてものすごく重要な要素

もし香りが全くない料理を作ったとしたら、味も全く感じなくなるほどです。

そのため、料理人は香りに対してすごく敏感となります

特にキッチンで働くうえで、強すぎる香りの香水はご法度です。

yaffee

初出勤のスタッフが香水をつけてきて怒られることよくあります。(笑)
香水の匂いが取れるまで、キッチンには入れてもらえません。

そんな日常から感じている「香り」。

当たり前にありすぎて多くの方は深く興味を持ったことは少ないと思います。

「香り」とは、鼻で感じる感覚

人に「香り」を感じさせる化学物質はおよそ数十万種あるといわれています。

その化学物質が鼻で感じることで「香り」を感じているのです。

香りを感じる成分
  • 揮発性(空気中に漂う物質)であること。
  • 鼻の中にある「嗅覚受容体(香りを感じるところ)」でキャッチできる物質。

鼻の中には「嗅上皮」という部分があります。

この「嗅上皮」には「嗅細胞」という香りを感じる細胞がびっしりと並んでいます

そしてその嗅細胞には「嗅覚受容体」というものが備わっています。

嗅覚受容体が「香り分子」をキャッチすると嗅細胞で電気信号に変換されて脳に伝わっていくのです。

その嗅覚受容体は嗅細胞に対して1種類しかありません。そして嗅覚受容体の数は約400個ほどしかないのです

嗅覚受容体が香り分子をキャッチして「香り」を感じているのですが、人は400種類の香りしか感じられないというわけではありません

嗅覚受容体の感じた刺激の組み合わせによって「香り」は感じているのです。

例えば、〇という香りを感じたとします。

嗅覚受容体は、「〇の香り」を作っている1種類の物質をキャッチしているわけではありません

複数の嗅覚受容体・嗅細胞からの情報をキャッチしてまとめて「〇の香り」だと脳が判断していると考えられています。

また感じた反応の組み合わせで香りを感じているということは、〇という香りと△という香りを同時に嗅いだ場合、その香りは単純に〇+△の香りになるわけではありません

複雑に別の香りとして感じることもあるのです。

「香り分子」の特徴

人に「香り」を感じさせる物質「香り分子」

「香り成分」の特徴
  1. 揮発性であること。
  2. 油や水、アルコールに溶けやすいこと。
  3. 化学変化しやすいこと。

「香り」を感じさせる物質は、主にこの3つの特徴があります。

「香り分子」は揮発性

まず、香りとして感じるためには揮発性である必要があります

空気中に漂う成分でないと「香り」としてキャッチすることができません

そして空気中に揮発していく物質ということは、どんどん香り分子は気化していきます。

出来立ての温かい料理と放置され冷めてしまった料理。

果たして全く同じ香りでしょうか??

出来立ての料理がおいしい理由の一つが「香り」が一気に立ち上がっている状態だからだといえます。

ウイスキーも同じでグラスに注ぎたてとしばらく放置された後では全然香りが違います。

料理が放置されるとおいしくなくなるのとウイスキーの香りが変わるのは同じです。

香りが揮発しやすく、飛んで行ってしまったからと言えます。

「香り分子」は油や水、アルコールに溶けやすい

香り分子は、液体のものに溶けやすいです。

ただその中でも特に油に溶けやすい性質があるそう。

レモンなど柑橘系果物、その香り成分も多くは皮にある「油胞」というところに含まれています。

様々な国の料理でも、油に香りをうつす作業を行うことが多いです。

油に香りをうつす
  • オリーブオイルにニンニクと唐辛子の香りをつける。
  • 油にニンニクや生姜の香りをつける。
  • 唐辛子などの香りを油に移して「ラー油」を作る。

またアルコールにも香りがうつりやすいです。

アルコールに香りをうつす
  • 青梅の実を漬け込んだ梅酒
  • レモンの皮を漬け込んだリモンチェッロ

などなど

そして香り成分は「疎水性(水と混ざりにくい)」性質があるものが多いですが、水に香りをうつす方法も多くあります。

その代表格が「お茶やコーヒー」です。

ただ水にに出す場合、香りの寿命は短い傾向があります。

香りはかなり飛びやすいです。

ただ、水・油・アルコールおいて香り分子はうつっていきます。

香り分子は化学反応しやすい

香り分子は、ほかの物質と反応しやすい傾向があります。

例えば、酸素があると酸化してしまったり、少し温度が変わると変わってしまう物質もあったり……。

中には口の中の唾液と反応してしまう物質もあるそうです。

先ほどの「香り分子は揮発性」のところでも紹介したように、出来立ての料理と放置された料理では香りが変わってきてしまいます。

それは、単純に香りの揮発だけではありません。香り分子の変化もかかわってくるのです。

料理人として、この香り分子の変化は最も重要なポイント!!

なぜなら食材に対する焼き方・焼き加減だったり、組み合わせ方で香りはものすごく変わるからです。

強火でさっと炒めた玉ねぎととろ火でじっくりあめ色になるまで炒めた玉ねぎとでは味わいはもちろん香りも全然違いますよね。

料理人はどの状態に持って行きたいかによって、調理方法・時間を計算しているのです。

ウイスキーも同じように空気に触れることで大きく香りが変わることもあります。

  • ウイスキーをまずストレートでしっかり味わいながら飲んでください。
    特に注ぎたての香りをゆっくり堪能してみてください。
  • 次にスワリング(グラスの中のウイスキーを回す)してからもう一度嗅いでみてください。
  • 最後に飲み終わったグラスに残った香りを嗅いでみてください。

実は最も香りが強く、そして様々な香りがわかりやすいのがグラスに残った香りです。

ウイスキーは香り分子がアルコールに溶けた状態となっています。

そのアルコールが揮発していくと、同時にアルコールによって抱え込まれていた香り分子が立ってきます

空気に触れさせることで香りは大きく変化するのです。

「香り」は変化しやすいもの!!

香り分子は、揮発しやすく、油や水・アルコールに溶けやすく、化学変化しやすいもの。

つまり、香りは変化しやすいです。

例えば、置いておいたコーヒー豆の香りが抜けていた・悪くなっていたということあると思います。

香りは、主に3つの変化が起きています。

香りの変化
  1. 香り分子の揮散
  2. 含まれる成分間の化学反応
  3. 成分の酸化
「香り」の変化
  1. 香り分子の揮散
  2. 含まれる成分間の化学反応
  3. 成分の酸化

香り分子は揮発性なので、どんどん揮発していきます

コーヒーの例を挙げると粉末にすることで、豆の状態で残しておくより早く揮散が進んでしまいます。

するとコーヒー豆に残った香りはどんどん少なくなってしまうのです。

また、成分間の化学反応が起こることでも香りは変わってきます。

成分間で化学反応が起きて、人の手を加えなくてももともとなかった成分が誕生してしまいます。

そして、香り成分は空気中の酸素と反応してしまうことが多いです。

酸化してしまうと、特に油脂は不快な香りを作ってしまいます

ただし、香りの変化は悪いことばかりではありません。

ウイスキーの熟成がいい例だと思います!

ウイスキーは熟成中に、蒸留後の不快な香り成分である「硫黄化合物」が揮散していきます

そうした不快な成分が揮散していくことにより、「いい香り」が残っていくのです。

また含まれる成分間の化学反応でも様々な香りが誕生します。

いい例が「フルーティな香り」の元となるエステル類です。

エステル類は有機酸とアルコール類が反応してできる成分。

多くはアルコール発酵中に生まれますが、熟成中にも有機酸とアルコール類が反応してエステル類は生成されています。

また硫黄化合物や脂肪酸などが酸化することにより「熟成による円み」が増すこともあるそうです。

香りには2種類ある!!

そんな「香り」ですが、人が感じている香りには2種類あることご存じでしょうか??

まず人が真っ先に思い浮かぶものは、鼻先から入って嗅上皮に到達する香り鼻先香・たち香と呼ばれるものです。

香りを嗅ごうとして時、鼻を近づけて鼻から空気を吸うと思います。

その時感じる香りが「鼻先香」「たち香」と呼ばれています

ウイスキーのテイスティング用語ではアロマといわれているものです。

対してもう一つの香りは、のどの奥から上がって嗅上皮に到達する香り口中香・あと香と呼ばれているものです。

この香りは、よく「風味」として味覚と同時に感じられることが多いです。

例えば何かフルーツを食べたとき、フレッシュな甘味と同時にそのフルーツの香りが口の中から鼻の奥に到達することでそのフルーツの味を堪能しています。

そしてその口中香と鼻先香では、同じ香り分子でも香りの感じ方が違うことがあるそう。

この口中香のことをウイスキーのテイスティング用語ではフレーバーといっています。

実はアロマとフレーバーは明確にその意味が分かれているのです!

参考とした本はこちら
⇩⇩⇩

ウイスキーと香り

今までは「香り」についてみていきましたが、ここからは「ウイスキー」と「香り」について深く見ていこうと思います!!

ウイスキーの「香りの謎」

ウイスキーは香りのお酒といわれるほど、様々な香り分子を持っています。

そしてその香り分子はアルコールに溶けていることが多いです。

ただその香りは一体いつ生まれているのでしょうか??

ウイスキーの作り方から見ていこうと思います。

ウイスキーの作り方から見る「香り」

僕が今までウイスキーのことを調べてきて、最も大きくウイスキーの香りに影響を及ぼすポイントは4つあると思います。

  • 原料の穀物
  • 発酵時
  • 蒸留時
  • 熟成時

香りの原点は原料の穀物

ウイスキーの香りの原点は原料の穀物です。

まずウイスキーには様々な穀物が使用されています。

そして、ウイスキーに使われる穀物の代表が大麦麦芽です。

この大麦麦芽は、大麦を水につけて発芽させたもの。

発芽させることで、「酵素」と呼ばれるでんぷんを糖に変えるなどの働きをする物質が作られます。

そして発芽させた後、腐ってしまわないように一度乾燥させるのですが、ピートとよばれる燃える泥(泥炭)を焚いてその熱風で乾燥させます。

この時つけられる香りがスコッチの特徴となっているスモーキーフレーバーです

またバーボンウイスキーでは、トウモロコシが主原料に使われます。

このトウモロコシ由来の香りも長い熟成年数がたっても残っていることが多いです。

どの穀物を使用したかによってウイスキーの香りは大きく変わってきます!!

また、もともとモルトウイスキーでも大麦の品種やテロワールの考えはあまりありませんでした。

しかし、近年大麦の品種やテロワールによる香りの違いがウイスキー界でも注目されています。

「ファーム・トゥ・グラス」を掲げるウイスキー蒸留所も増えてきました。

アルコール発酵中に新しい香りが作られる

ウイスキーが最初に大きく香りを変えるポイントは発酵中といってもいいと思います。

アルコール発酵は単に酵母が糖をアルコールに変えているだけの作業ではありません。

酵母はアルコール以外にも様々な成分を生成します。

その中にはエステル類、有機酸、高級アルコール類などがあります。

これらの成分は、少量でもしっかりと香りを感じさせてくれる香り分子です。

蒸留によって新しい香りの生成と香り分子の選択が行われる

そして次に大きなターニングポイントとなるのが蒸留です。

発酵したモロミが蒸留されるとき、様々な反応が起きます。

その複雑な化学反応により、様々な香り分子が生成されていくのです。

そして、スコッチモルトウイスキーでは基本2回蒸留が行われます。

この時、「ミドルカット」という望ましい香味の部分だけを残しあとはカットしてしまう作業が行われます

その望ましい部分(ハート、ミドルといいます)は蒸留所ごとに変わってきます。

華やかなフルーティさが欲しい場合、最初の方に出てくる蒸留液に近い部分を

リッチなヘビーさが欲しい場合は後寄りの蒸留液を……

このように2回目の蒸留で「香味の選択」が行われているのです。

熟成により、静かにゆっくりと「香りのお酒」が誕生していく

望ましい香味の選択が行われた熟成前のウイスキー(ニューポット)。

このニューポットはまだまだ荒々しいお酒です。

香りの不快な香りをまだ残していたり、アルコールのツーンとした刺激臭がとがって感じたりします

その香りが長い熟成を経て、芳醇で深い香りへと変貌していくのです。

香りの変化
  1. 香り分子の揮散
  2. 含まれる成分間の化学反応
  3. 成分の酸化

不快な香り分子が揮散、そして新しい香りが生成されていきます

さらに樽から複雑かつ芳醇な香りが抽出されていくのです。

このように4つの香りのターニングポイントを迎えで香りのお酒”ウイスキー”は出来上がっていきます。

ウイスキーにある香りの特徴

ウイスキーにある香り分子の多くは、アルコールに溶け込んでいます。

少なくとも330種類以上。多いものでは1000種類もの香りの元となる成分がウイスキーには含まれているそうです。

ただしウイスキーの香りはこの成分があるから「この香りを感じる」という単純なものではありません

そのいい例が「潮感・ソルティさ」です。

実はウイスキーには、現在知られている中で「潮感・ソルティさ」をつかさどる決定的な成分はわかっていないそうです。

しかし、確かに銘柄によってはウイスキーから「潮感・ソルティさ」は感じます。

舌やのどをピリピリと刺激するアルコールとは違ったソルティなニュアンス

これは、様々な香りと刺激がミックスされた感覚なのかもしれません。

ウイスキーには単純にこの成分があるから「この香り」を感じるというものもあります。

ところが、嗅覚以外のいろいろな感覚もミックスされてそのニュアンスを感じるという香りもあるのです。

その中には、ラベルデザイン、パッケージデザインによる影響もあるでしょう。

また、予備知識によってこの香りを感じてしまうということもあります。

よくウイスキー好きの間でこういった外的要因に引っ張られて感じる香りについて議論が行われています。

ただ僕はこういった外的要因も含めてウイスキーの「香り」そして魅力だと思います。

なぜなら、料理は盛り付けによって香りの感じ方、味わいまでも変わってしまうからです。

例え同じ食材を使って全く同じ料理を作ったとしても、大衆居酒屋で食べる時と高級フレンチで食べる時では味わいの感じ方が変わってきます

安い食材を使った料理でも高級感あふれる盛り付けで出され、「どちらかが高級食材」といわれて当てるゲームをよくバラエティ番組で見ませんか?

タレントなどが、同じように高級食材と安い食材のものを出されるとわかんなくなってしまうシーンよく見ますよね。

それも「こっちが高級食材かも」と思うと深みのある香りを感じてしまうからだと思います。

yaffee

バーという大人の非日常の雰囲気で飲むからこそ違って感じる部分もあります。

つまり、ウイスキーから感じる「香り」の特徴は……

ウイスキーから感じる香り
  • ウイスキーの製造工程の途中で生まれてくる「香り」
  • アルコールの刺激、樽の渋み、ウイスキーの色など様々な刺激とミックスされて感じる「香り」
  • 周りの雰囲気、パッケージやラベルデザイン、音楽、予備知識などから感じる「香り」

単純にウイスキーから香る香りだけではなく、様々な要因が複雑に絡み合ってウイスキーという香り・深い香味を作っているのだと思います。

ウイスキーでよく使われる香りの表現

ウイスキーの香りについて様々に述べてきましたが、実際ウイスキーのテイスティング用語でよく使われる言葉があります。

そういった言葉をまとめてみることにしました。

ウイスキーでよく使う香りの表現
  • 甘い香り(スウィーティ)
  • フルーティな香り
  • フローラルな香り
  • シリアル系の香り
  • スモーキーな香り
  • ウッディな香り

など

甘い香り(スウィーティ)

甘い香りはウイスキーの特徴的な香りの一つです。

などなど

その香りの感じ方は様々で、アロマとして香るときもあれば、フレーバーとして香るときもあります。

また余韻として残り続ける香りもあったりと……。

中にはそういった甘い香りからウイスキーの中に「甘味」を感じさせるものもあります

yaffee

ウイスキーの甘味は、香りが味わいに影響を与えるいい例なのかもしれません。

フルーティな香り

フルーティな香りもまたウイスキーからよく感じる香りの一つ!

  • シトラス系のフルーティさ
  • リンゴ・青りんご系のフルーティさ
  • イチゴなどベリー系のフルーティさ
  • パッションやマンゴー、バナナなど南国フルーツ系のフルーティさ

などなど

例え方は人それぞれとなると思いますが、こういったフルーツを連想させる香りはウイスキーの中に含まれています。

その代表格がエステル類といわれています。

フローラルな香り

フローラル・花のような香りは、ウイスキーの中でも特にスコットランド・スペイサイドのモルトウイスキーから感じることの多い香りです。

その香りは、

スミレだったり、梅だったり、ユリだったり、ジャスミンだったり……。

また「白い花」といったニュアンスで連想させる香りもあったります。

この香りは、アルデヒドというアルコールが酸化した成分に多いです。

ただこの成分は、多いと不快な香りとなります。

yaffee

アルデヒド類の中でも「アセトアルデヒド」は、エタノールが僕たちの体内で分解されてできる二日酔いの原因物質です。

シリアル系の香り

シリアル系の香りは主に原料由来のことが多いです。

原料そのものの香りが、最終的に完成したウイスキーにもしっかりと残るのです。

  • 麦わらを連想させる香り
  • 焼き立てのパン
  • クラッカー

などなど。

またバーボンの場合トウモロコシのまったりとした甘い香りもしっかりと残っています。

スモーキーな香り

スモーキーな香りは、麦芽乾燥時のピートを焚いたときにつきます。

そしてウイスキーのスモーキーな香りには、大きく2つの種類があります。

それは内陸部のピートを使ったものと沿岸部に近いピートを使ったものです。

内陸部のものはパンチの効いた焚火のような香りになりやすく、

沿岸部に近いものはクセの強いヨード香(消毒液、イソジン、正露丸のような香り)が出やすくなります

これは、ピートのもととなる植物に海藻が含まれているかいないかの違いが大きいといわれています。

主に「フェノール化合物」と呼ばれるものがスモーキーな香りの元となっている成分だそうです。

このフェノール化合物の含有量は、スモーキーフレーバーの強さを測る基準としてフェノール値を計測しています。

スモーキーなウイスキーにこだわるアイラモルトではボトルやラベルにこの数値が○○ppmと書かれていることもあるぐらいです。

必ずしもフェノール値=スモーキーフレーバーの強さとはなりませんが、一つの基準として見てみると面白いと思います。

ウッディな香り

ウッディな香りは、当然のことながらウイスキーを樽熟成させている最中につくことが多いです。

樽熟成中、ウイスキーに様々な成分が溶け出ています。

ウイスキーに樽が溶けている

こう表現する人がいるぐらいです。

ウイスキーによくあるバニラ香も樽から「バニリン」という成分が抽出されるからといわれています。

また樽から出てくる成分に「ウイスキーラクトン」と呼ばれる化学物質があります。

ココナッツに近い香りを感じさせる成分で、そういったナッツっぽさも樽から抽出されることが多いです。

また樽由来の香りの中に、「スパイシーさ」を感じさせる香りも多く含まれています。

例えば、シナモンだったり、クローブだったり……。

他にもウイスキーに使われる表現

ウイスキーには、前の解説でも出したように「ソルティな香り」や中にはオイリーさを感じさせる香りもあったりします。

僕が感じた中で面白かったのは、ウイスキーの中から「和風だし」を連想させる香りもありました。

またチーズを思わせる香りだったり、腐ったゆで卵やキャベツ、段ボールや灯油、塗料といった少し不快な香りを感じることもあります。

香りを表現するのは難しい

ウイスキーはニュアンス・予備知識でも香りが違って感じてしまうもの。

そのため、なかなか10人いて全く同じ香りを感じ取るなんてことは難しいと思います。

むしろ無理なのではないでしょうか??

同じ香り・同じようなかっこいい表現をしようとするとウイスキーのテイスティングは難しくなってしまいます

ただ同じ香りを感じ、同じような表現をする必要は全くありません。

要は、自分の感じた香りを伝えることができればいいのではないでしょうか??

まず、感じた香りに忠実に書き出してみるといいかもしれません。

それでウイスキー仲間と「この香り感じるよね。」「僕はこの香りを感じる」などと意見交換をするとウイスキーの香りの感じ方がより深くなっていくと思います。

ウイスキーの「香り」を楽しむポイントは、自分の感じた感性・感覚に素直になること

そのうえでほかの人の意見を尊重し、自分では感じることのできなかった香りを否定せず探してみることがポイントだと思います。

ウイスキーの「香り」を感じるポイント
  • 自分の感性・感覚に素直に書いてみる。
  • 他の人が感じた香り・感性について否定しない。

ウイスキーの香りは繊細なものです。

グラスの違い、その場の雰囲気などでもまた味わいや感じ方は変わってきてしまいます。

その繊細さと向き合うためには、自分もゆっくりじっくりのそのウイスキーを嗜んでみることがポイントだと思います。

そのうえでウイスキーの香りを感じやすい飲み方についてまとめさせて頂きました。

ストレートで飲む

ウイスキーの香り・ポテンシャルを知りたかったら、まずはやはりストレートでウイスキーを飲んでみることが大事だと思います。

特にウイスキーをストレートで飲むためのテイスティンググラスで味わうことが重要です。

ウイスキーをストレートで楽しむためのポイントは過去の記事にまとめました!

ぜひこちらの記事をご参照ください。

トワイスアップや水をドロップ。ウイスキーに加水してみる

ウイスキーの香り分子はアルコールに溶け込んだ状態のものが多いです。

そういった香り分子は、アルコール度数が少し下がるとウイスキーの表面上に浮いてくることがあります。

つまり、加水すると香りがよくなることがあるのです!!

一通りストレートで楽しんだ後、一滴ずつ水を足してみるのもよし、トワイスアップという常温の水をウイスキーと同量割るのもおすすめ

ウイスキーの「香り」を楽しむなら、ストレートだけでなく、加水による変化も楽しんでみると面白いと思います。

ブラインドテイスティングで飲んでみる

ウイスキーは外的要因でも香りが変わってしまうものと述べました。

そういった外的要因を少しでも排除するのが銘柄を隠して飲む「ブラインドテイスティング」です。

「このウイスキーだからこのアロマ・フレーバーが感じる」

「作り方の違いからこのように感じるはず」

などなど思い込み要素をなくすことで、ウイスキーが本来持っているポテンシャルの香りがわかりやすくなります

実際ブラインドで飲んでみないと気が付かなかったおいしさというのもあると思います。

またブラインドで飲んで「これはどこの産地のウイスキーの特徴だ」と分かるようになるとよりウイスキーが面白くなると思います。

ウイスキープロフェッショナルの試験でもこのようにブラインドデイスティングの試験があります。

自分の感覚的に「この特徴・この香りは、どこの産地のウイスキーだ」とわかれば、より一歩ウイスキーウイスキーの深みにはまっていけるのではないでしょうか。

最後に……

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか。

香りは、お酒と料理を合わせるフードペアリングを考える面でも重要な要素となります。

この香りがあるからこの食材と合いやすいなど、おつまみを考えるうえでも大事な要素です。

そして「香り」に注目してウイスキーを見てみると、ウイスキーはものすごく興味深い世界になると思います。

ぜひ香りのお酒”ウイスキー”の「香り」についてゆっくりの堪能してみてはいかがでしょうか??

※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。お酒は楽しく適量で。

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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