本日もお越し頂きありがとうございます。
スコットランドでの生活を少し夢見ているウイスキー好き料理人Yaffeeです。
今回のテーマは「スコッチウイスキー」について!!
イギリス・スコットランドで作られているウイスキーで、世界5大ウイスキーの一つ。
世界5大ウイスキーの中でも帝王の位置を不動のものとしているウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーはバランスがよく、モルトウイスキーは個性的な味わいが特徴です。
ただ、その個性は様々。
フルーティで華やかなものもあれば、潮感感じるソルティなもの、スモーキーでクセの強いものなど……
今回はそんなスコッチウイスキーの世界を徹底解説していきたいと思います!!
スコットランドについて
スコットランドは、グレートブリテン島の北約1/3とヘブリディーズ諸島、オークニー諸島、シェットランド諸島などの島々からできています。
西岸は夏は涼しく、冬も氷点下を下回ることが少ないといった北欧の中では穏やか。
年間通して平均的に降水があるため、湿気も多く、気候的な話だけならウイスキーの長期熟成に最適な気候だそうです。
反対に東岸は北海の影響を受けるため、寒冷で雨も少なめ。
日照時間が長いため大麦などの生育に向きな気候みたいです。
まさにウイスキーを造るために生まれてような土地ですね。
スコッチウイスキーの定義
スコッチウイスキーは、法律で細かく作り方が定められています。
- 水、イースト菌、モルト(大麦麦芽)を原料とすること(モルト以外の穀物も使用可:グレーンウイスキー)。
- スコットランドの蒸留所で糖化、発酵、蒸留を行うこと。
- アルコール度数94.8%以下で蒸留すること。
- 700ℓ以下のオーク樽に詰めること
- スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させること。
- 水とスピリッツカラメル(色調整用)以外の添加は禁止。
- 最低瓶詰アルコール度数が40%。
スコッチで使う樽は、別のお酒の入っていた樽を使うことがほとんど。
そしてその空き樽にも決まりがあります。
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また、モルトウイスキーは銅製のポットスチルで蒸留しないとスコッチモルトウイスキーとは呼べなくなります。
つまり海外でも大人気のニッカ カフェモルト
このウイスキーは、モルト100%のウイスキーです。
しかし、連続式蒸留器を使うので、スコットランドで作ったとしたらモルトウイスキーと呼ぶことができないです。
スコッチウイスキーの分類
スコッチウイスキーは「モルトウイスキー」 と 「グレーンウイスキー」 の大きく2つのウイスキーが造られています。
モルトウイスキーは モルト(大麦麦芽)を原料に単式蒸留器で2~3回蒸留を行ったもので香味成分が豊富で、独特の個性があり、「ラウド(騒がしい)スピリッツ」と呼ばれています。
対して グレーンウイスキーは穀物(未発芽の大麦、小麦、トウモロコシなど)を主原料に近代的な連続式蒸留機で蒸留したもので、モルトウイスキーより穏やかでクリーンなことから「サイレントスピリッツ」と呼ばれています。
そしてこのモルトウイスキーとグレーンウイスキーの組み合わせで、ブレンデッド・ブレンデッドモルト・ブレンデッドグレーン・シングルモルト・シングルグレーンなどのウイスキーが造られています。
シングルモルトやシングルグレーン「シングル」は “1つの蒸留所の” という意味。
つまり、モルト蒸留所Aとモルト蒸留所Bとあったとしたら……
『シングルモルトウイスキー』=モルト蒸留所Aで造られたもののみ製品化したもの
『ブレンデッドモルトウイスキー』=モルト蒸留所Aとモルト蒸留所Bの2つの原酒を合わせたもの
となります。
そしてモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜると『ブレンデッドウイスキー』となります。
今では、世界的にスコッチモルトウイスキーの人気が高くなっていますが、スコッチウイスキーのメインは『ブレンデッドウイスキー』です。
時々「シングルモルトウイスキー シングルカスク(Single malt Whisky Single Cask)」という表記を見ることがあると思います。
シングルカスクとは“1つの樽のみ” という意味で
”蒸留所内でも一つの樽で熟成させたウイスキーだけを製品化しました”という表記です。
ウイスキーは、不思議なことに同じ蒸留所の同じ年、同じような樽で同じ熟成庫の隣同士で熟成させても全く違う味わいのウイスキーができるそうです。
シングルカスクは、そのような樽の個性をそのまま楽しみたいマニア向けのウイスキーです。
また「カスクストリングス(Cask Strength)」という表記もあります。
これは“樽出しそのまま” という意味。
通常ウイスキーは最低瓶詰アルコール度数の40%前後に加水調節されています。
ただ、「カスクストリングス」の表記があるとき、『加水調節を行っていません。』という意味です。
シングルカスクやカスクストレングスなどを嗜んでみたらより深くまでウイスキーの魅力に気付けると思います。
気に入ったウイスキーを見つけたらぜひ試してみてください!!
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スコッチモルトウイスキーについて
スコッチウイスキーの生産区分
スコッチモルトウイスキーには6つの生産区分があります。
それは……
それぞれに特徴があり、それぞれに個性が全然違います。
- ハイランドは、骨格のしっかりとしたボディの厚い特徴。
- スペイサイドは、華やかでフルーティ
- アイラは、スモーキーでクセが強い
- アイランズは、ソルティ感と島々の個性がはっきりと分かれる
- ローランドは、穀物感が強く飲みやすい
- キャンベルタウンは、味わいの濃ゆい
といった印象が強いかなと思います。
スコッチモルトウイスキーの作り方
モルトウイスキーの製造工程は大きく5つの工程があります。
- 製麦
- 糖化
- 発酵
- 蒸留
- 熟成
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1.製麦
大麦を発芽させ、大麦の粒の中に酵素を活性化させるために行う工程 です。
大麦に限らず植物の種にはたくさんの栄養源として、でんぷんやたんぱく質など大きい構造の分子で貯蔵されています。
種は水や酸素などが十分にあると芽を出し成長していきますが、この時に蓄えていたでんぷんやたんぱく質をエネルギーに使います。
ところが、分子の構造の大きいでんぷんやたんぱく質のままでは栄養として使うことができません。
そのため酵素を生成してでんぷんを糖に・たんぱく質をアミノ酸に分解するし、成長に必要な栄養分を作ります。
西洋の穀物酒はこの酵素を利用して作られます。
穀物自身の酵素を使ってでんぷんを糖に変えて、アルコール発酵させています。
昔はどこの蒸留所も自分たちでこの製麦工程を行っていたそうです。
しかし今ではコストがかかるため製麦まで行う蒸留所は数少なくなってしまいました。
ほとんどが製麦業者へ委託しています。
今でも全てを自家製麦で造っている蒸留所はスプリングバンクのみ となってしまいました。
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2.糖化
活性化させた酵素を用いてでんぷんやたんぱく質を糖やアミノ酸に変える工程 です。
糖化工程はウイスキーの製造工程で非常に難しいそう。
温度が1度変わるだけで出来上がるウイスキーの味わいを大きく変わります。

yaffee
ガスコンロでは温度管理が難しくほんのり甘いぐらいしかできませんでした。
低温調理器ならできるかもしれないですね。
ウイスキーの糖化はでんぷん分解酵素の働く65℃前後で糖化を行うことが多いです.
ただ蒸留所によって糖化の設定温度は違います。
低い温度で澄んだ麦汁を使うところもあれば、高い温度であえて濁った麦汁を使うところもあります。
澄んだ麦汁では、エステルという香味成分が多く軽めのウイスキーとなる傾向があり、濁った麦汁では重めなウイスキーとなる傾向があるといわれています。
あえて濁った麦汁で造ることにこだわりを持っている蒸留所がブレアアソールがそうです。
夏目漱石や昭和天皇ともゆかりのあるスコットランド・ハイランドのブレア城そばの蒸留所。
オフィシャルの12年は仕込み水がカワウソの小川という名前の川から引いていることもありラベルに「カワウソ」が描かれています。
レーズンやアプリコット・チョコのような香り濃厚なオイリーな味わいとがあり、食後まったり飲むのに良いウイスキー です。
価格帯 | 7500~8500円 |
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アルコール度数 | 43% |
容量 | 700ml |
特徴 | カワウソのウイスキー |
原産国 | スコットランド |
マカダミアナッツやカシューナッツのようなニュアンスに、やや紅茶やレーズン。
そしてスパイシーさのある余韻が特徴。
カワウソの可愛さから裏腹にかなり大人な味わいのウイスキーで、飲むときは一日の終わりにまったりと飲みたい逸品。
個人的にはストレートかロックがおすすめです!!
ビールはたんぱく質の少ない澄んだ麦汁を取ることが多いです。
またビールはホップを入れて煮沸を行います。
これはホップの苦みや香りを出すのはもちろん、残ったたんぱく質を凝固させてより澄んだ麦汁にするためと麦汁の殺菌のために行います。
しかしウイスキーではそのあとの乳酸発酵やそのほかの微生物も重要となりますので煮沸は行いません。
ビールづくりにおいて麦汁は大事!一番搾り麦汁だけをつかったキリンの「一番搾り」など「麦汁にこだわっています!!」と謳ったビールのCMは多いですよね。でも「麦汁にこだわってます!!」と謳ったウイスキーって全然見ないですよね。ウ[…]
3.発酵
酵母によって糖をアルコールに変える工程 です。
実はアルコール発酵する酵母は、サッカロミセス・セレビシエ のみ。
サッカロミセス・セレビシエは亜種がたくさんあります。
それが日本酒酵母やワイン酵母、エール酵母、ディスティラリー酵母など様々分かれます。
さらにどの酵母を使うのかによって出来上がるウイスキーの味わいが変わりますので、酵母にこだわっている蒸留所は多いです。
特にバーボンウイスキーでは数十種類の酵母を組み合わせて蒸留所の味を作っているところもあります。
またサッカロミセス・ダイアマスという野生酵母(サッカロミセス・セレビシエの亜種)を使ったウイスキーが2019年グレンモーレンジィからリリースされました。
「完璧すぎるウイスキー 」と称されるグレンモーレンジィが毎年リリースしているプライベートエディション。
その第10弾「アルタ」は野生酵母を使った革新的なウイスキーです。それもグレンモーレンジィが持っている大麦畑で発見・採取された野生酵母。
花のような可憐さ、上品さ、オレンジ、焼いたパンといった複雑な香りや味わいの中に野性味ある味わいが隠れています。最後に鼻から抜けるかすかなミントフレーバーが心地いい です。
価格帯 | 9000~10000円 |
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アルコール度数 | 51% |
容量 | 700ml |
特徴 | グレンモーレンジィのプライベートエディション |
原産国 | スコットランド |
本日もお越し頂きありがとうございます。ビールを家で作りたいなーって思いつつ、様々な問題があるから断念しているウイスキー好き料理人Yaffeeです。 今回のテーマは「ウイスキーの発酵工程」についてウイ[…]
4.蒸留
蒸留することでアルコールを濃縮する工程 です。
しかしそれだけではなく、蒸留工程は様々な役割を担っています。
- 新しい香味成分の生成
- 必要なフレーバーを濃縮
- 不必要なフレーバーを除去
- 香味成分の選択
などなど……
ウイスキーは、蒸留してできた熟成前の留液は蒸留所が考える「いいところ」だけ取り出し、「いいところ」だけを熟成させます。

初留という一回目の蒸留でアルコール分の濃縮を行い、ポットスチル(単式蒸留器)の材料である銅によって蒸留前のモロミの好ましくない香りのする硫黄を取り除きます。
この時酵母をあえて残したまま蒸留させます。
それにより新しい香味成分が生まれるそうです。
そして再留という2回目の蒸留で荒々しいスピリッツを磨きつつ、フレーバーの選択を行います。
雑味の多い留液のはじめと後寄りの部分をカット。
好ましい真ん中の部分(ミドルやハートといいます)のみを熟成工程に回します。
ミドル、ハートはまた蒸留所によって変わります。
クセの強いアイラ島のウイスキーでは通常より後寄りに取ることが多いそうです。
理由はピートの香り成分が後寄りに出てくるから。
このように考え方が蒸留所ごとにあり、それぞれ取り幅が変わります。
「アイラモルトの巨人 」と称される人気の高いアイラウイスキーです。
特に再留にはゆっくり時間をかけて、平均より後寄りに長いハートを熟成に使うそうです。
ラガブーリンは葉巻のような心地よいスモーキーフレーバーと重厚感のあるフルボディな味わいを楽しむことができます 。
リッチでダンディなひと時を味わいたいときに最適です!
価格帯 | 6000~7000円 |
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アルコール度数 | 43% |
容量 | 700ml |
特徴 | アイラの巨人 |
原産国 | スコットランド |
本日もお越し頂きありがとうございます!!蒸留酒の魅力に取りつかれているウイスキー好き料理人Yaffeeです。 今回のテーマは「蒸留」!! 皆さんは蒸留についてどんなイメージを持っているでしょうか。蒸留酒にとって大事な[…]
5.熟成
木製の樽に詰めて貯蔵・熟成を行う工程 です。
熟成により無色透明の荒々しい原酒が円みを帯びた魅惑的な琥珀色のウイスキーへと変貌していきます。
樽熟成中、蒸留段階で残ったオフフレーバー(主に硫黄臭)が蒸散していきます。
またアルコールと水が会合(アルコールと水が混ざり合う現象)、樽からの香味成分が溶けだすといったことが起きています。
しかしまだまだ解明されていないことが多いようです。
樽熟成に関するウイスキー用語で「エンジェルスシェア(天使の分け前) 」という言葉があります。
樽で熟成しているときに中のウイスキーが減少していく現象のことです。スコットランドでは年間約2~3%ほど減っていくようです。
天使が樽の中のウイスキーを飲んだ分だけ、中に残されたウイスキーが豊かな味わいになっていく と考えていたため、この現象を「天使の分け前」と名付けられたみたいです。
ロマンチックな発想でセンスを感じます!
「究極のオールラウンダー」といわれるモルトウイスキー。
ナッツやはちみつ、スパイス感。
芳醇で甘いニュアンスとスモーキーフレーバー、潮っぽさ、スパイシーさもあり、まさにオールラウンダーといった印象です。
価格帯 | 3500~4500円 |
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アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
特徴 | 究極のオールラウンダー |
ストレートでも合いますが、飲み慣れていない人はハイボールで!
本日もお越し頂きありがとうございます。ウイスキー好き料理人Yaffeeです。今回のテーマは『樽』!!ウイスキーと樽は切っても切り離せないのも。このことはなんとなくウイスキー初心者の方でもわかるかなと思います。しかし、『樽[…]
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
一言に「スコッチ」といっても種類は様々。
そしてそれぞれの蒸留所の個性、瓶詰業者からのリリースまで追っていくと、本当に深い世界です。
一度ハマってしまうと深すぎて抜け出せないかも!?
そして一度ハマってしまうとウイスキーが趣味となるのではないでしょうか。
ここに仕事にまでなってしまった人もいるので、本当に面白い世界です。
そんなことを思いながら、今日もウイスキーを楽しんでいこうと思います。
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いします!!
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