スコッチウイスキーとは?定義・特徴・製法・種類まで徹底解説!

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ウイスキーが好きすぎるあまり「ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル」を取得
2021年に開催されたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)の審査員を務めさせて頂きました。

当ブログで料理人目線のウイスキーの魅力をお伝えしていこうと思います!

 

今回のお話は「スコッチウイスキー」について

 

数あるいウイスキーの種類の中でもその王座に君臨しているのが「スコッチウイスキー」。

イギリス・スコットランドで作られたウイスキーで、スモーキーフレーバーが印象的なウイスキーです。

 

ただスコッチウイスキーはスモーキーフレーバーだけでなく、様々なフレーバーが楽しめることが魅力の一つ

スコッチウイスキーの中にも様々な製法があり、地域ごとにも変わった味わいを見せてくれます。

 

今回はそんなスコッチウイスキーについて僕なりに深くまとめていこうと思います!

スコッチ以外にもあるウイスキーの種類とは?詳しくはこのボタンをクリック

スコッチウイスキーとは?

 

スコッチウイスキーとは、スコットランドで作られているウイスキーのこと。

ところが、「スコッチウイスキー」と呼ぶためには、細かい定義があります。

 

まずスコッチウイスキーとは何か、定義からご説明していこうと思います。

スコッチウイスキーの定義

スコッチウイスキーの定義
  • 水・イースト・麦芽(モルトウイスキー)又はその他の穀物(グレーンウイスキー)のみを原料とすること。
  • スコットランドの蒸留所で糖化・発酵・蒸留を行うこと
  • アルコール度数94.8%以下で蒸留すること
  • 容量700ℓ以下のオーク製の樽で熟成させること
  • スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させること
  • 水とスピリッツカラメル以外の添加は禁止。

 

まずスコッチウイスキーと呼ぶためには、水・イースト・麦芽またはその他の穀物のみで作らないといけません

糖化のために麹菌を添加したり、穀物以外の材料を入れたりすることは論外です!

 

さらにスコットランドの蒸留所で糖化・発酵・蒸留を行わないといけません

例えば近くのビール工場で麦汁を作ってもらい発酵まで委託してしまったら、スコッチウイスキーを名乗ることができなくなります。

必ず蒸留までの一連の流れをウイスキー蒸留所で行わなくてはいけないというルールがあります。

yaffee
これには、ウイスキーには蒸留・熟成だけでなく、糖化・発酵も大きくその個性・味わいに影響を与えるからだと思います。

 

そして、ウイスキーの蒸留時のアルコール度数は94.8%までと決められています。

ウイスキーに限らず蒸留酒は蒸留時のアルコール度数が低いほど、原料の成分が含まれやすいです。

 

法律の94.8%以上のアルコール度数で蒸留すると、原料由来の味わい・香りが残らないからだそう。

スコッチウイスキーは、特に原料由来の味わい・香りを必要です。

特にシングルモルトウイスキーは、熟成しても残るほどの個性が必要となります。

 

反対に、「ジン」に使われるニュートラルスピリッツは蒸留時のアルコール度数96%以上が決まりです。

ジンはそのニュートラルスピリッツにボタニカルと水などを混ぜ、再び蒸留し香りをつけていきます

そのため、そのベースとなるお酒自体にあまり個性が必要ないと考えられてきたのだと思います。

yaffee
現在はジンも多様化しているので、様々なタイプが作られています。もちろんお酒自体の個性を残したタイプも存在しています。

 

つまり、ウイスキーの蒸留上限アルコール度数の94.8%は原料由来の個性を残せるぎりぎりの度数なのかもしれませんね。

 

またウイスキーの熟成に使える樽は700ℓ以下のオーク製の樽と決められています。

樽は大きければ大きいほど熟成が遅くなり、小さいほど熟成が早く進む傾向があります。

 

700ℓ以上の樽ではなかなか熟成が進まないそう。そのため最大の樽の容量の決まりがあるのです。

そして樽の材質はオーク(楢)製。もともと古くから樽にはオーク材が使われてきました。

 

オーク製の樽の特徴は……

  • 強固で液漏れしにくい。
  • ウイスキーの熟成に望ましい香味を得ることができる。

 

スコッチウイスキーでは、100%オーク製の樽でないと熟成させることはできません。

それ以外の木材を使うと、スコッチウイスキーとは呼べないお酒となります。

 

 

ただ、「スコットランド国内の保税倉庫で3年以上」と記載があるように、スコッチウイスキーの熟成は必ずしも蒸留所の熟成庫で行う必要はありません

 

熟成中のウイスキーには、すでに「税金」が課せられています。そのため、少し試飲するだけでも税金が発生します。

税金で守られている倉庫であれば、集中熟成庫でも地下倉庫でも定義上ではかまわないということになっています。

 

だから例えば、

  • 蒸留所Aで作られたウイスキー原酒を蒸留所Bの熟成庫で熟成させた。
  • アイラ島で作ったウイスキー原酒をグラスゴーの保税倉庫で熟成させた。

これらは許可されています。

yaffee
実際、ボウモアやカリラなど、蒸留所以外の熟成庫で熟成させていることは多いです。

 

そして最後に、水やカラメル(着色料)以外をウイスキーに添加することは許されていません

逆を言うと、着色料としてカラメルを添加することは許されています

 

yaffee
「着色料の添加が許されている。」と聞くと、いい印象を受けないかもしれません。
ただ、ウイスキーにはどうしても着色しなくてはいけない理由があります。

ちょっと難しかったかもしれませんが、スコッチウイスキーと呼ぶためには、この定義をすべてクリアしていないといけません。

また、

  • モルトウイスキーはポットスチル(単式蒸留器)で作らないといけない。
  • ブレンデッドウイスキーはスコットランド国内でも瓶詰が可能ですが、シングルモルトウイスキーはスコットランド国内で瓶詰しないといけない
  • 核果(サクランボ、桃、梅など)が含まれるワイン、ビール、スピリッツの熟成に使われた樽や甘味、フレーバーなどを足したワイン、ビール、スピリッツの樽は使用できない。

などのさらに細かいルールがあります。

 

バーボンとスコッチの違いとは?

ウイスキーといえば、よく比較されるのは「スコッチ」と「バーボン」。

よくアメリカの映画などで「ウイスキーはあるか?」「スコッチかバーボンどっち?」というやり取りがされているところ見たことあると思います。

 

スコッチとバーボンとは何が違うのでしょうか?

その大きな違いは、3点

  • 国の違い
  • 原料の違い
  • 製法の違い

です。

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国の違い

まず第一にスコッチウイスキーはスコットランドで作られたウイスキーです。

定義にもあったように、スコットランド国内の蒸留所で糖化・発酵・蒸留。スコットランド国内の熟成庫で熟成させなくてはいけません。

対して、バーボン・ウイスキーはアメリカで作られるアメリカンウイスキーの一種です。

アメリカ国内で作られたウイスキーであり、海外で作られたものはバーボンと呼ぶことはできません。

 

原料の違い

次に原料に違いがあります。

スコッチウイスキーは、

モルトウイスキーなら大麦麦芽100%ですが、グレーンウイスキーならその他の穀物も使うことができます。

 

 

ところが、バーボンは「原料の51%以上はトウモロコシ」と決められています。

つまり、アメリカで作られていても原料にトウモロコシを51%以上使ってなければバーボンと呼ぶことはできません

 

製法の違い

原料が違うスコッチとバーボンでは、もちろん製法も変わってきます。

 

スコッチでは主にモルトウイスキーとグレーンウイスキーを作っています。

モルトウイスキーは大麦麦芽(モルト)100%のウイスキーです。

対してグレーンウイスキーは、その他の穀物も使用したウイスキー。

 

モルトウイスキーは、ポットスチル(単式蒸留器)で作らないといけないというルールもあります。

もし伝統的な単式蒸留器ではなく近代的な連続式蒸留機で作った場合、モルトウイスキーではなく「グレーンウイスキー」と名乗らなくてはいけません

シングルグレーン ロッホローモンド
3.7

グレーンウイスキーですがちょっと特殊なグレーンウイスキー

実は、原料は大麦麦芽のみ。
ただ蒸留器がポットスチルではなく、連続式蒸留機を使用。
そのため、「グレーンウイスキー」となっています。

スパイシーさと豊かな甘み。そしてモルトにザラメのような甘い香りが特徴。
ストレートでもハイボールでもオススメな一本です!

価格帯

2000~3000円

アルコール度数

46%

容量

700ml

特徴

全英オープン公式ウイスキーのシングルグレーン

原産国

スコットランド

yaffee

しっかりとしたコクがありつつ、飲みやすいスムースさもあるバランスのいいウイスキー!!

グレーンウイスキーという名だけで、受け入れがたくなってしまうのは本当にもったいないなと思う一本です。

アロマ 3.6
フレーバー 3.8
余韻 3.8

 

対してバーボンは、「トウモロコシを51%以上使い、アルコール度数80%以下で蒸留し内側を焦がしたオーク製の新樽にアルコール度数62.5%以下で樽詰めして、水以外添加せずにアルコール度数40%以上で瓶詰したウイスキー」となっています。

バーボンウイスキーの定義
  • 原料の51%以上はトウモロコシ
  • アルコール度数80%(160プルーフ)以下で蒸留すること
  • 内側を焦がしたオーク製の新樽で熟成させること
  • 樽詰めアルコール度数は62.5%(125プルーフ)以下
  • 水以外を加えず、40%以上でボトリングされたもの

蒸留上限アルコール度数は、スコッチより低く樽も新樽指定

樽詰め最低アルコール度数の決まりがあるなど、スコッチより厳しい部分もあります。

 

ところが、最低熟成年数の記載がないので「1DAY」熟成でもバーボンと呼ぶことはできます

ただその時には「1DAY」と記載しないといけません。

また、スコッチモルトウイスキーがポットスチルを使用しないといけないのに対して、バーボンは連続式蒸留機でもポットスチルでも構わないことになっています。

多くの場合は、バーボン独特の連続式蒸留機(ビアスチルとダブラー)を使い、蒸留されます。

 

もしバーボンウイスキーを「スタイル」として考え、スコットランドで作ったとしたら「グレーンウイスキー」の一種となります。

 

バーボンはアメリカンウイスキーの一種ですが、スコッチはスコットランドで作られているウイスキーの総称となります。

一言にスコッチといっても様々なタイプがあるのです。

 

そんなスコットランドで作られている「スコッチウイスキー」。

そもそもスコットランドとは、どういう国なのでしょうか?

少しまとめていこうと思います。

 

スコッチウイスキーが作られるスコットランドとは?

スコットランドとは、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(英国)を構成する地域の一つ。

イングランドに次ぐ人口・面積を持つ地域で、1707年にイングランドへ併合されましたが、1999年スコットランド自治議会が再開。国内政策の多くの分野で権限を持っています。

面積約7万9000㎢
人口約530万人
公用語英語(方言としてスコットランド英語やイギリス英語)
スコットランドゲール語
首都エジンバラ
最大の都市グラスゴー
元首エリザベス女王
首相ニコラ・スタージョン
守護聖人セント・アンドリュー
国花アザミの花

 

スコットランドは、グレートブリテン島の約1/3と790以上ある島々から構成されています。

その島々の中心がヘブリディーズ諸島と北部諸島(オークニー諸島、シェットランド諸島)です。

北部・ハイランドは山岳地帯となっていて、西岸には氷河で削られた山岳やフィヨルドなどが見られ、北欧のような地形が広がっています。

対して南部のローランドは丘陵地帯が広がっているため、人口の大半が集中しています。

 

西岸は、メキシコ海流(暖流)と偏西風の影響で年間通じて気候が穏やかであり、年間通じて平均的に降水があります。

夏は涼しく、冬もロシアのカムチャッカ半島ぐらいの緯度にしては穏やか

湿度の高く、ウイスキーの熟成に適している地域が多いそうです。

 

対して、東岸は北海の影響を受けているため西岸より寒冷だそう。雨も少なく、日照時間が長いため大麦の生育に適しているといわれています。

スコッチウイスキーの歴史

 

ウイスキーが登場する前のスコットランド史はこちら

スコッチウイスキー元年

今、「スコッチウイスキー元年」といわれているのは1494年。

スコットランド王室財務係の文献で

「修道士ジョン・コーに8ボル(約500㎏)の麦芽を与えて
アクア・ヴィテを造らしむ……」  

という意味が書かれた記録が見つかっています。

 

このアクア・ヴィテとは、ウイスキーの古い呼び名の一つ。「生命の水」という意味のラテン語で、蒸留酒のことを指します。

ウイスキー密造時代

その後1603年にスコットランド王ジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世としてイングランド王に即位。

イングランドとスコットランドの同君連合が成立します。

 

1644年ウイスキーへの初の課税が行われました。

その後、1707年にスコットランドはイングランドへと併合、スコットランド議会は廃止されました

 

1644年にウイスキーへ行われた課税は、併合後も恒常化。

さらにイングランドの麦芽税も導入されることとなり、スコットランドでウイスキーを密造する密造所が数多くできることとなります

 

ちょうどこの時、スコットランド独立戦争(ジャコバイトの乱)に敗北が重なり、スコットランドではキルトの着用やバグパイプの演奏といったスコットランド伝統文化が禁止

厳しい弾圧が行われていたそうです。

 

ウイスキーの密造は、そんなイングランドへの反抗心・統治に対する抵抗という意味合いもあったといわれています。

そんな密造酒ですが、作ったお酒を隠す必要がありました

 

そこで活用したのが、港にたくさんあったシェリーの運搬用空き樽でした。

イギリスはシェリー酒の一大消費国。今でもシェリー酒の多く消費しています。

当時は、スペインからシェリー酒を運ぶとき、オーク製の樽に詰めて運搬していたそう

この樽はワンウェイ樽のため、イギリスの主要港には運搬に使われた樽がたくさんあったといわれています。

 

その樽に密造酒を詰め隠していました。そしてしばらくしてから開けたところ琥珀色の魅惑的なお酒となっていたのです。

これが、ウイスキーに熟成の概念が生まれたきっかけといわれています。

yaffee

ウイスキーの熟成の始まりには様々な説があり、その中で最も語られているのが「シェリー運搬用の樽に隠していたら、偶然熟成していた説」です。

ただブランデーで大航海時代(15世紀はん~17世紀ほど)に熟成による品質向上は発見されていていました。
またこの時にはワインやシェリー酒などは熟成が行われていたといわれています。
ほかのお酒からウイスキーに伝わった説のほうが自然かもしれませんね。

 

そんな密造時代も1823年に終わりを迎えます。

1822年にイングランド王ジョージ4世がスコットランドへ訪問。禁制のグレンリベットを所望します。

そして1823年に酒税法改正。異常に高かったライセンス料が妥当な金額になりました

 

そして1824年にグレンリベットが政府公認第一号蒸留所となります。

当時は、グレンリベットを「裏切者」とみる同業者が多かったそうですが、グレンリベットが成功するとほかの蒸留所も続くようになりました。

政府公認第一号蒸留所となったグレンリベットの逸話とは??

グレンリベット 12年
3.7

世界トップクラスのシェアを誇るモルトウイスキーで、ライトで繊細な味わい。
華やかでバランスのいい飲み口。

スペイサイドの特徴がしっかり現れているシングルモルト。
シトラスや青リンゴのようなフレッシュなフルーツのフレーバーが楽しめる一本です。
「スペイサイド」を知るには、適任なシングルモルトウイスキーだと思います!!

価格帯

3000~4000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

シングルモルトの原点

原産国

スコットランド

yaffee
フレッシュなシトラス感とバニラ香が特徴!!
ストレートでも飲みやすいですが、ハイボールも最高な一本です!!
アロマ 3.7
フレーバー 3.7
余韻 3.7

 

ウイスキーの近代化・発展

その後、産業革命の波がウイスキーにも押し寄せることとなります。

酒造産業が確立していき、近代的なウイスキー産業が始まっていきます。

 

グレーンウイスキーの誕生

1831年、そんな時に誕生・特許取得したのがイーニアス・コフィーのコフィー式スチル(連続式蒸留機)。

yaffee
ニッカウヰスキーでは、このスチルをカフェスチルといいます。

 

イーニアス・コフィーは地元アイルランドのウイスキー蒸留所を活性化させようとこの蒸留器を開発しました。

しかし、アイリッシュウイスキー蒸留所には見向きもされませんでした。

ところが、もともと大規模産業化していたスコットランド・ローランドの蒸留所がコフィー式スチルに目を付けます

連続式蒸留機によって誕生した軽い風味のウイスキーはたちまちイングランドを中心に人気となっていきます。

このようにしてグレーンウイスキーが誕生しました。

 

ブレンデッドウイスキーの誕生

また1853年に「同一蒸留所であれば、蒸留年の異なる原酒をブレンドしてもよい」と酒税法が改正されます。

そして誕生したのが、エジンバラの酒商アンドリュー・アッシャーの「オールド・ヴァッテッド・グレンリベット」です。

 

これが世界初のブレンデッドウイスキーとなります。

yaffee
ややこしいですが、単一蒸留所の原酒なので現在の基準なら「シングルモルトウイスキー」です。(笑)
当時は、すべて「シングルカスク」だったようですね。

シングルモルト?シングルカスク?詳しく知りたい方はこちら

 

その後、1860年に「異なる蒸留所の原酒を保税倉庫内であれば、ブレンドしてもよい」ことになり、多くの酒商がウイスキーのブレンドを行うようになりました。

 

その中の一人が、

ジョニーウォーカーの創業者”ジョン・ウォーカー”だったり、

バランタインの創業者”ジョージ・バランタイン”だったり、

シーバスリーガルのシーバス兄弟だったり……。

今日のワールドブランドのウイスキーの礎が築かれていきました。

yaffee
ちなみにこの時、ブレンドに使用されていた桶のことを「Vat(ヴァット)」といい、そのウイスキーを「Vatted whisky(ヴァッテッドウイスキー)」と呼ぶようになりました。

 

その後、安価で軽いグレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーが誕生。

程よく個性があり、バランスのいいウイスキーが人気となっていきます。

シーバスリーガル 12年
4.4

「シーバスリーガルを超えるのはシーバスリーガルだけ」

まさにそのコピーを体現したような「シーバスリーガル」のスタンダードボトル。
芳醇さと柑橘系の爽やかさ、そしてフルーティな味わいなど複層的に広がるフレーバーが特徴です。

初心者の初めての一本にもオススメなウイスキーです!!

価格帯

2000~3000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

アート・オブ・ブレンディング

原産国

スコットランド

yaffee
僕がブレンデッドウイスキーの中で最も好きな一本!!
芳醇でバランスがよく、ストレートでも飲みやすいです!
ハイボールや水割りでもバランスが崩れません!!
アロマ 4.5
フレーバー 4.3
余韻 4.5

ワインの悲劇フィロキセラがウイスキーにとって好機に

ブレンデッドウイスキーの誕生により徐々に人気となっていたスコッチウイスキー。

しかし当時の上流階級の嗜好品はブランデーであり、その地位に昇ることはできませんでした

 

ところが、19世紀後半、アブラムシの一種であるフィロキセラによりヨーロッパ中のブドウの木が枯れてしまいました。

ワインはもちろんブランデーを作ることもできなくなり、ブランデーが入手困難となります。

 

その代わりとなる蒸留酒となったのがスコッチブレンデッドウイスキーでした。

コニャック、ブランデーと並んで世界的な蒸留酒として肩を並べることができ、その地位が確立されていきました。

 

その後、2度の世界大戦や世界大恐慌などの被害を受けながらもその地位を確実なものとしたスコッチウイスキー。

2007年にスコッチの定義に関する法律が制定。

そしてシングルモルトがブームとなり、クラフト蒸留所が数多くできています。

 

今現在、イギリスのEU離脱とコロナ禍により甚大な被害を受けている蒸留所もあります。

ところが、おうち需要を見据えたブレンデッドウイスキーや一部シングルモルトウイスキーでは業績を伸ばしています

 

yaffee
アフターコロナの世界で、今までのウイスキーブームがどのように変わるか正直読めません。
ただ、ウイスキーをお家で楽しむという文化は、より加速していくのではないかなと思います。そんな中、せっかく産声を上げた蒸留所が閉鎖とならないことを祈るばかりです。

 

詳しくウイスキーの歴史について知りたい方はこちら

 

スコッチウイスキーの種類

 

「歴史」でも出たようにスコッチウイスキーには、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、そしてブレンデッドウイスキーがあります。

スコッチウイスキーの種類
  • モルトウイスキー
    ……大麦麦芽(モルト)100%のウイスキー。
  • グレーンウイスキー
    ……モルト以外の穀物も使用したウイスキー。
  • ブレンデッドウイスキー
    ……モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの。

 

大雑把に説明すると、この3つです。

ただそれぞれに様々なタイプがあるので、一つ一つ見ていこうと思います。

スコッチモルトウイスキーとは?

スコッチのモルトウイスキーは、麦芽100%で作れるウイスキーです。

ただ、スコッチモルトウイスキーには大きく2つのタイプがあります。

 

それは、シングルモルトウイスキーブレンデッドモルトウイスキーです。

シングルモルトは一つの蒸留所で作られたモルトウイスキーだけを使用したものです。

 

対してブレンデッドモルトは複数モルト蒸留所のウイスキーをブレンドしたもの。

有名な銘柄だと「モンキーショルダー」がブレンデッドモルトとなります。

モンキーショルダー
4.2

3種類のスペイサイドモルトを中心にブレンドしたブレンデッドモルトウイスキー。

スムースでバランスがよく飲みやすい味わいに、優しい甘みが特徴。
ストレートで飲むとリッチに、ハイボールにすると爽やかになるのも面白いかなと思います!

カクテルベースとしても使いやすく、コスパもいいウイスキーです。

価格帯

2500~3500円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

トリプルブレンデッドモルトウイスキー

原産国

スコットランド

yaffee

華やかでバランス感のあるウイスキー!!

このバランス感は割って飲んても、ストレートでもロックでも崩れません
カクテルベースとしてもおすすめです!!

アロマ 4.2
フレーバー 4.5
余韻 4

 

スコッチモルトウイスキーは、大麦麦芽100%が原料でポットスチルで蒸留されていることが特徴。

そのため、原料由来の個性がはっきりと現れています。

 

蒸留所ごとにその個性を楽しむのがシングルモルトウイスキー

対してブランドごとに様々な個性を重ねて組み上げていったのがブレンデッドモルトウイスキーです。

 

スコッチシングルモルトの特徴

シングルモルトウイスキーは、蒸留所ごとの個性を楽しむウイスキー。その個性は、様々です。

スモーキーなタイプもあれば、フルーティなタイプもあったり、ちょっと潮っぽさも感じるタイプもあったり……。

 

また、同じ蒸留所でもボトルが変われば個性も変わります

そういった、モルト蒸留所ごとのマスターブレンダーが求める味が楽しめることこそスコッチシングルモルトウイスキーの特徴であり、魅力だと思います。

シングルモルトウイスキーについて詳しく知りたい方はこちら

グレングラント 12年
4.5

青リンゴやバニラ、はちみつのような香りに、白い花を連想させるフローラル感。
クリア&ライトで、焼き立てパンのような麦芽の優しい味わいが特徴。

「飾らないこと」をモットーとした、研ぎ澄まされたウイスキーです。

価格帯

5000~6000円

アルコール度数

43%

容量

700ml

特徴

キング・オブ・フルーティ

yaffee

個人的に12年物で最も好きなウイスキー!!

かなりフルーティで優しい甘みが特徴で、ハイボールなら弾ける爽やかさ
ストレートならバランスのいい味わいが楽しめます!!

アロマ 4.6
フレーバー 4.6
余韻 4.3

 

モルトウイスキーの作り方とは?

モルトウイスキーの作り方は、細かい部分で蒸留所ごとに異なります。

ただ大部分では同じような工程となるので、その工程をご紹介していこうと思います。

原料

スコッチモルトウイスキーの原料は大麦と水です。

 

その大麦には2種類あります。

  1. 二条大麦
    ……2列だけ実る大麦
  2. 六条大麦
    ……6列実る大麦

モルトウイスキーでは、主に二条大麦が使用されます。

二条大麦は六条大麦よりたんぱく質が少なく、酵素(でんぷんを糖に変える触媒のような効果のある成分)の力も弱いです。

ただ、六条大麦より粒が大きく、でんぷん・エキス分を多く抽出できるそう。

 

モルトウイスキーの場合、100%モルトとなるので弱い酵素の力でも十分糖化させることができます

さらにでんぷん量が多いとその分糖を多く得ることができ、エキス分が多いとその分ウイスキーに麦芽の個性を多く残すことができます。

そのため比較的でんぷん量の少ない六条大麦より二条大麦がウイスキーの蒸留に使われているわけです。

 

二条大麦はほかにはビールにも使われていて、お酒造りに適しています

対して六条大麦は、押し麦や麦茶などに使われることが多いです。

ただグレーンウイスキーやバーボンなどの糖化材としてもよく使われています。

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そして水。

ウイスキーでは仕込み水のことをマザーウォーターといいます

 

ウイスキーを生み出す母なる存在であり、大麦と同等に重要な原料となっています。

ウイスキーの仕込み水は、軟水が適しているといわれていて、スコットランドでも多くの蒸留所が軟水を利用しています。

 

yaffee
イギリス=硬水というイメージが強く、ウイスキー=硬水から作られていると思っている方多いと思いますが、実は、硬水なのはイングランドスコットランドは軟水の方が多いです

ただ、中には中硬水を使う蒸留所もあります。

グレンモーレンジィ オリジナル
4.5

本場スコットランドで最も人気のあるモルトウイスキー。

柑橘系のフルーツの香りに、なめらかで繊細な舌触り。
バニラやはちみつの甘いニュアンスも楽しめ、ほのかなスパイス感と後味のミントの爽やかさがより一層深い「香りの冒険」へと誘います。

飲み方を選ばないのも魅力の一つです!!

価格帯

3000~4000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

「完璧すぎるウイスキー」

原産国

スコットランド

yaffee

実は、僕が一番人におすすめしているウイスキー(笑)。

スコッチウイスキーの飲みごたえがありつつ万人受けしやすいバランスのいい味わい
鴨料理とグレンモーレンジィオレンジハイボールの相性は抜群です!!

アロマ 4.7
フレーバー 4.1
余韻 4.7

中硬水を使う蒸留所
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製麦

 

製麦は、大麦を麦芽に変える工程のこと。

大麦を発芽させ、大麦の粒内に酵素(でんぷんを糖に、たんぱく質をアミノ酸になど分解する成分)を活性化

仕込み水と混ぜ、糖化し、麦汁を得るための準備をします。

 

大麦を発芽させるためには、一度水に浸す必要があります。

たっぷりと仕込み水を吸わせて、発芽。そして程よく発芽したら乾燥させます。

この時にスコッチウイスキーでは、伝統的にピートといわれる泥炭(燃える泥)が使われます

スコッチウイスキー独特のスモーキーフレーバーはここでつくのです。

ピートとは?詳しくはこちら

いわばウイスキーの下準備の段階が「製麦」。

料理で言ったら、「アンチョビを作る」とか「タケノコのあく抜き」とか料理に入る前の段階のようなものだと思います。

 

タケノコのあく抜きは自分たちで行うこともありますが、多くの家庭では「タケノコの水煮」を使いますよね。

製麦も同じです。

 

もともと大麦は、蒸留所ごとに製麦(モルトに変えること)していました。

ところが今では、3つの理由からモルト専門業者に委託している蒸留所が多くなりました。

  1. 委託してしまう方がコストがかからない
  2. 安定性が高い
  3. 大量生産ができる。

まず、製麦専門業者に委託すると、モルトを大量生産することができます。

大量生産できると、コストを抑えることができます。

さらに、大量生産してしまえば安定性も増します

 

もともと自分たちで作っていたころは、製麦には職人の腕が必要だったそう。

大麦が発芽するまで絶えず混ぜ続ける必要があり、かなりの重労働だったそうです。

 

それが専門業者なら、一気にコンピューター制御で作ることができます

 

ただ中には、昔ながらの製麦方法「フロアモルティング」という製法をとっている蒸留所もあります。

今でもフロアモルティングを行う大きな理由は2点。

  1. 仕上がった麦芽(モルト)の差別化ができる。
  2. 蒸留所の『目玉』となる。

 

仕上がったモルトは専門業者に頼んでいないので、かなり個性的に仕上げることも可能

例えばラフロイグは独自のピート採掘所からピートを掘り出し、そのピートを使って麦芽を乾燥させます

 

これがラフロイグ独特のクセの正体です。

ただ、ラフロイグも100%自社製麦のモルトを使っているわけではありません。

モルト専門業者のモルトと混ぜてウイスキーを作っています。

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糖化

製麦しモルトを作ったら、次に麦汁を抽出します。その工程を糖化工程。

 

モルトを粉砕し、そこに温めた仕込み水を加えます。

そしてゆっくりとでんぷんを糖に変える糖化という作業が行われます。

この時の温度が重要!!

大体70℃ぐらいの温度の仕込み水が粉砕した麦芽に加えられます。

 

もし75℃を超えてしまう温度が加えられた場合、酵素はその力を失ってしまい糖化することができなくなってしまいます。

また、温度が1℃変わると麦汁の仕上がり・味に大きな影響を及ぼし、
最終的に仕上がるウイスキーにも大きな影響を与えます。

 

そのため、あまり注目されることは少ないですが、糖化は蒸留所が行うかなり重要な作業の一つです。

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発酵

糖化工程によって「甘い麦のジュース:麦汁」を得ることができたら、次に発酵という工程が待っています。

発酵工程はウイスキーの製造工程でも大きなターニングポイントで、現在かなり注目されています。

 

もともとウイスキーは蒸留と熟成によって味が決まると考えられていました

ところが、近年発酵によりウイスキーの味わいが大きく変わることがわかり、こだわる蒸留所が増えました

現在ウイスキーに使われる酵母の多くは、ディスティラリー酵母という培養酵母です。

比較的短い時間でアルコールを多く生成することのできる酵母で、1950年代に開発されました。クリーンで甘く華やかなウイスキーとなる傾向があります。

 

そしてウイスキーに昔から使われていたのが、エール酵母。

ビール工場の余剰酵母がウイスキーの発酵用に使われていました。

エール酵母が使われると芳醇な香味をまとったウイスキーとなる傾向があります。

 

多くの蒸留所では2日~3日ほどかけてウイスキーの発酵が行われます。

ウイスキーの製造工程の中では、熟成の次に長い工程となります。

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蒸留

モルトウイスキー製造工程でも要となるのが、蒸留。

 

スコッチモルトウイスキーでは、必ずポットスチルを使用しなくてはいけません

特に銅製のポットスチルが使用され、2回蒸留を行います。

銅製のポットスチルを使う理由は、

  1. ポットスチルなら原料由来の個性を残しやすい。
  2. 加熱により新しい香味成分が生成される。
  3. 銅材が不快成分を除去してくれる。

 

発酵工程で得られた発酵もろみを蒸留し、アルコール分を濃縮させる作業が蒸留。

水とアルコールの沸点の違いを利用してアルコール分を濃縮させます

 

ところが、モルトウイスキーの蒸留工程で行われることはこれだけではありません。

まず、加熱により新しい香味成分が誕生します。

香ばしい香りが生まれたり、残った死滅酵母から様々な香味成分が生まれたり……。

 

そして、2回目の蒸留時に、「香味成分の選択」が行われます。

実は、蒸留した原酒すべてがウイスキーの熟成に使われるわけではありません。

 

蒸留し、次の熟成に使われる「本留液(ハート)」と呼ばれる原酒は、発酵もろみに対してたったの10%です。

 

この前留や後留には、望ましくない香味も含まれていることがあります。

そのため、たった10%の本留(ハート・ミドル)の部分だけ、次の熟成に使われます。

上の図は蒸留のバランスの一例で、本留の部分は蒸留所によって大きく変わります。

 

例えばスモーキーでリッチなフレーバーが特徴のラガヴーリンではあとよりに本留分をカットします。

その蒸留所の責任者によってこのカット部分は選択されているのです。

 

また、発酵もろみには、不快成分のもととなる硫黄化合物が含まれています。

この硫黄化合物は銅と反応する性質があり、銅と反応した硫化銅として蒸留廃液の一部となっていきます。

つまり蒸留により不快成分も除去・香味の選択など様々なことが行われているのです。

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熟成

ウイスキーとなる原酒にふさわしいニューポット(熟成前のウイスキー)が完成したら、樽に詰めて熟成させます。

 

スコッチウイスキーの定義では、3年熟成という決まりがありますが、10年以上熟成させる蒸留所がほとんどです。

「樽の中は小宇宙」

とたとえた人がいるぐらいウイスキーの樽熟成にはまだまだ解明されていない面が多くあります

 

ただウイスキーが樽熟成中に主な起こっていることは、

  1. 水とアルコールの会合により、「まろやかさ」が増す。
  2. 不快成分の揮発(硫黄化合物など)
  3. 樽材成分の抽出(バニリン、ウイスキーラクトンなど)
  4. 新しい香味成分の生成(アルコールと有機酸の反応によるエステル化など)
  5. アルコールや水の揮発(アルコール度数の変化)

ほかにもまだまだ複雑な変化が行われています。

まず、熟成により水とアルコールがなじみます(水とアルコールの会合)

これにより、「まろやかさが増す、熟成感が増す」といわれています。

yaffee
ただ水とアルコールの会合については否定的な意見もあります。

 

また「熟成中樽が呼吸する」と表現されるように、不快成分や水・アルコールが揮発していきます

これによりアルコール度数が変化したり、中のウイスキーの量が少なくなったりします。

この中のウイスキーの量が減っていくことを「エンジェルズシェア(天使の分け前)」といいます。

 

  • ウイスキーの作り方を人間に教えた天使たちが、日々チェックのために飲みに来る。
  • 天使たちがウイスキーを飲み、その分け前としてウイスキーをおいしくしてくれている。

などなど

熟成中のウイスキーが減っていく現象のことを「エンジェルズシェア」といいます。

樽の木材が温度や湿度によりわずかながら膨れたりしぼんだりするそう。

その隙間から外気と樽内の空気が交換がされて水分やアルコール、揮発成分などが蒸散していくそうです。

その減っていく現象に対して、当時のウイスキーづくりをしていた人たちは「天使が飲んだ」と考えたといわれています。

yaffee
なんともロマンチックですね。

 

水とアルコールの会合、不快成分や水・アルコールの揮発、樽材成分の抽出……。

複雑な変化が絡み合って、琥珀色の魅惑的なウイスキーが誕生していくのです。

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ブレンド・瓶詰

熟成を終えて最後に待っているのは、瓶詰め。

スコットランドにあるほとんどの蒸留所は、瓶詰め設備を持っていないので業者に委託しています。

 

その前に行われるのがブレンド。

たとえシングルモルトであっても、「蒸留所の味」へ蒸留所内の原酒を使いブレンドしていきます

そして「〇〇10年」などのブランドが出来上がっていくのです。

この時の表記される熟成年数は、ブレンドに使われたウイスキー原酒の最低熟成年数と決められています。

 

つまり「シングルモルト 〇〇 10年」というウイスキーがあったとしたら、〇〇蒸留所で作られたウイスキー原酒の中で、

  • 10年熟成の原酒
  • 15年熟成の原酒
  • 20年熟成の原酒

などがブレンドされているのです。

なぜブレンドする必要があるかというと、ウイスキーは一樽ごとに味が違うからです。

 

一樽ごとに味の違うウイスキーをブレンドし、「同じ味」にしなくてはいけません。

それがブレンダーの仕事です。

 

そして同じ味にするためには、レシピを微妙に変える必要があります。

yaffee
料理でもそうなのですが、同じレシピで作ったからって同じ味になるとは限りません。
そのため、多くのレシピは「塩……少々・適量」となっているのです。

どの調味料を使ったか。今の時期はいつなのか。場所はどこなのか。それぞれに感じ方が変わってきます。

それを同じ味に仕上げるためには、レシピを微調整し、感性・感覚で仕上げていくしかありません。

 

同じ味にするためにレシピをいじれば、色の面で少し変わってきてしまう部分もあります。

それを補うために使われるのが着色料のカラメルです。

 

ウイスキーに必ずしもカラメルが使われているわけではなく、必要に応じてカラメルが使われているというわけです。

ウイスキーの着色料について詳しくはこちら

 

ほかにも品質維持のための冷却ろ過加水調節などが行われてモルトウイスキーはリリースされていきます

スコッチモルトウイスキーの生産区分

スコッチの生産区分特徴
アイラアイラ島で作られるモルトウイスキー。 スモーキーで癖の強いモルトウイスキーが多い傾向があります。 ”スコッチモルトウイスキーの聖地”の一つです。

スペイサイドスコットランドのスペイ川流域・支流域の地域で作られているモルトウイスキー。 フローラルでフルーティなタイプが多く、アイラと対極的な特徴となっています。 同じく”スコッチウイスキーの聖地”です。

ハイランドスコットランドの上の方で作られているモルトウイスキー。 いかにもスコッチらしい骨格のしっかりとしたモルトウイスキーが多く、はっきりとした味わいが特徴です。

ローランドスコットランドの中でもイングランドに近い地域で作られているモルトウイスキー。 モルティな味わいが特徴で、飲みやすいタイプのウイスキーが多いです。
アイランズアイラ島を除く、スコットランド本土の周りの島々で作られているモルトウイスキー。 島ごとに個性は変わりますが、塩っぽさのあるウイスキーが多い傾向があります。

キャンベルタウンかつてはウイスキー産業で栄えた町「キャンベルタウン」で作られているモルトウイスキー。 フレーバーが豊で塩っぽくフルーティでスモーキーといった香りの強いタイプが多いです。

 

大まかな特徴はこんな感じです。

詳しく一つ一つ見ていこうと思います。

 

アイラ

スコットランドの中でも特に「スモーキーで癖のあるタイプ」が多いアイラモルト。

インナーヘブリディーズ諸島の一つで、日本の淡路島より一回り大きいぐらいの島となっています。

 

この島はピートが豊富に採掘でき、また本土近くの島ということもあってもともと密造酒も多く作られていました。

今ではスコッチウイスキーの聖地のひとつとなっています。

島には現在蒸留所は9か所あります。

ラフロイグ 10年
4.5

「LOVE or HATE  好きか、嫌いか」

好みがはっきりと分かれる、最強にクセの強いシングルモルト。
正露丸のような癖になるスモーキーなクセがあり、その奥にいるバナナ系な甘みがファンを虜にする一本。

スモーキーなアイラモルトの中では、肉系のおつまみと合いやすい一本です!!
特に炙りベーコンがオススメ!!

価格帯

3000~4000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

英国王室御用達のクセの強いシングルモルト

原産国

スコットランド

yaffee

アイラ最強のクセのあるウイスキー!!

好きか嫌いかはっきりと分かれるウイスキーですが、ハマってしまうと抜け出せません。。

アロマ 4.5
フレーバー 4.5
余韻 4.5
スペイサイド

スペイサイドは、アイラに並ぶ”スコッチウイスキーの聖地”。

アイラがスモーキーで癖のあるフレーバーに対して、スペイサイドは華やかでフルーティなフレーバーが特徴となっています。

アイラモルトがブレンデッドウイスキーのアクセントとなるウイスキーだとすると、スペイサイドモルトはカギとなるウイスキー。

そういったカギとなるモルトウイスキーのことをキーモルトといいます。

スペイサイドには、そのキーモルトとなっているウイスキーが多いです。

例えば……

 

また、シングルモルトとしても人気が高く、世界一のシングルモルト”グレンフィディック”もスペイサイドで作られています。

グレンフィディック 12年
4.4

世界で最も売れているシングルモルトウイスキー!!

スコッチシングルモルトのトップブランドながら家族経営を続けている蒸留所が造る最もスタンダードなボトルです。

洋ナシのようなフルーツ香にバニラとシトラスの香り、優しい麦芽の甘みが特徴。
バランスがよく、スムーズで飲みやすい一本!!

ウイスキーを飲み慣れていない人には特におすすめなスコッチシングルモルトです!!

価格帯

2500~3000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

世界No.1のシングルモルトウイスキー!!

原産国

スコットランド

yaffee
洋ナシのようなフルーティな香りが特徴のグレンフィディック12年。
案外しめさばやサンマの刺身などど相性がいいです!!
アロマ 3
フレーバー 3
余韻 4

ハイランド

スコットランドの中でも最も広い地域を占めているのがハイランド。

スコットランドの文化が色濃く残る地域で、その地域で作られるウイスキーもどこか骨格を感じるしっかりとした個性のあるモルトウイスキーが多いです。

 

特にハイランドの中でも北の方はライトでソルティなものが多く
中央に行くにつれて濃厚で芳醇なタイプが多くなり、
またローランドに近づくにつれてまたライトになっていく傾向があります。

 

ハイランドモルトもまたスペイサイド同様にブレンデッドウイスキーのキーモルトとなるウイスキーが多いです。

グレンドロナック 12年
4.2

「シェリー樽のエキスパート」としても有名なグレンドロナック蒸留所。
ブレンデッドウイスキー「ティーチャーズ」のキーモルトにもなっていた。

そのグレンドロナックのスタンダードボトルが、12年!!
バランスがよく、飲みやすい味わいが特徴です!

価格帯

5000~6000円

アルコール度数

43%

容量

700ml

特徴

シェリー樽のエキスパート!!

原産国

スコットランド

yaffee

個人的にめっちゃ女性におすすめのウイスキー!!

ベリー系のフルーティさが楽しめる一本となっています。

アロマ 4.2
フレーバー 4.5
余韻 4
ローランド

スコットランドの中でもイングランドに近いローランド。

この地域の蒸留所は早めに近代化が進んだこともあり、モルトウイスキーよりグレーンウイスキー蒸留所の方が有名です。

 

ただ、この地域のモルトウイスキーには、スムースで飲みやすく穀物感のあるフレーバーが特徴的なウイスキーが多く、

飲みやすさ・フルーティさ、そして洗練されたスパイシーさなどが魅力となっています。

オーヘントッシャン 12年
3.6

オーヘントッシャンのスタンダードウイスキー。

シェリーカスクの原酒もブレンドされているため、アーモンドに紅茶のようなフレーバーも楽しめ。オーヘントッシャンらしいライトな口当たりで食事中や食前にもおすすめです。

価格帯

3000~4000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

ローランドモルト伝統の3回蒸留!!

原産国

スコットランド

 

アロマ3.4
フレーバー 4
余韻 3.5
アイランズ

スコットランド・アイラ島以外の島々で作られているモルトウイスキーのことをアイランズモルトといいます。

 

アイランズモルトは島ごとに個性が異なり、様々な顔を見せてくれます。

例えば、

ソルティでスパイシー、海が育んだモルト「タリスカー」

究極のオールラウンダーといわれている「ハイランドパーク」

などがアイランズモルトも一つです。

 

アイランズモルトもまたアイラとは違ったアクセントとしてブレンデッドウイスキーに使われることが多いかなと思います。

 

アラン 10年
4.6

高品質・少量生産のクラフトウイスキー

ナッティな香りに、はちみつのような甘さ。そしてトロピカルフルーツの心地よさ。
樽のウッティなニュアンスとフルーティな味わいが楽しめるウイスキーです

価格帯

3500~4500円

アルコール度数

46%

容量

700ml

特徴

元祖クラフトウイスキー

原産国

スコットランド

yaffee

妻の生まれ年と同じシングルモルト蒸留所!!

かなりトロピカルなフルーツ香が楽しめ、バランスもいいウイスキー
ハイボールにするとトマトパスタとかにも合いやすいです!!

 

アロマ 4
フレーバー 4.9
余韻 4.9


キャンベルタウン

キャンベルタウンは、かつてウイスキーで栄えた町。

ピーク時には一つの街に50近い蒸留所があったといわれています。

 

一時期は、この町で蒸留所を持てば豪邸に住めるほどウイスキー産業で栄えていました

しかしアメリカの禁酒法・二度の世界大戦から衰退。

 

今では3か所しかウイスキーを作っていません。

ただ、モルトファンからは絶大な人気を誇っているモルトウイスキーの産地です。

yaffee
現在、コロナ禍・EU離脱により甚大な被害を受けているそう。
日本に入ってくるボトルも少なく、品薄状態となり価格が高騰しています。ところがキャンベルタウン一の蒸留所「スプリングバンク」では、大幅なマイナスと聞いています。
キルケラン 12年
4.2

スプリングバンク蒸留所が復活させたキャンベルタウンモルト!!

潮感とはちみつやリコリスのニュアンス、砕いた麦のようなフレーバーが楽しめる一本。

ストレートでは飲みごたえがあり、ハイボールにすると爽やかさが楽しめます!!

価格帯

7000~9000円

アルコール度数

46%

容量

700ml

特徴

貴重なキャンベルタウンモルト

原産国

スコットランド

yaffee
味わい深く、最後のソルティ感が後を引く一本です!!
アロマ 4.5
フレーバー 3.9
余韻 4.2

スコッチグレーンウイスキーとは?

スコッチのグレーンウイスキーは、モルト以外の穀物も使用したウイスキー

トウモロコシや小麦、未発芽の大麦などが使われています。

 

蒸留所は主にスコットランドの中でもローランドに集中しています。

それには、ローランドがイングランドと近く、グレーンウイスキーを作りながらジン用のニュートラルスピリッツなども作ってきたからだそう。

 

また、ハイランドで作っていたモルトウイスキーをローランドに集め、ローランドで作られたグレーンウイスキーと混ぜてイングランドや世界へ出荷するのが効率的だったという見方もあります。

 

早々に蒸留所の近代化を始めたローランド。

その連続式蒸留機で作られるグレーンウイスキーが合っていたのかもしれません。

 

グレーンウイスキーについて詳しく知りたい方はこちら

グレーンウイスキーの作り方

グレーンウイスキーは、モルト以外の穀物も使用したウイスキー。

モルトにしていない穀物は、基本的に硬いです。

 

そのまま粉砕して、麦汁を得ようとしてもなかなかうまく得ることができません。

その理由は……

  • モルトなどの酵素活性化している穀物がないとそもそも糖化ができない。
  • 麦芽には「細胞壁分解酵素」があるので溶けがいいが、その他の穀物ではそれがない。

 

まず、モルティングしていない穀物は、酵素が活性化していません。そのためほとんど糖化ができないです。

また、あまりウイスキーの製造では注目されにくいですが、「細胞壁分解酵素」の存在

 

大麦麦芽には「細胞壁分解酵素」が含まれています。

そのため細胞壁が分解されて大麦麦芽100%のモルトウイスキーでは麦汁を簡単に得ることができました。

 

ところが、モルティングしていない穀物を使う場合、圧力と加熱で細胞壁を破壊する必要があります。

 

その作業が、クッキング。

クッキングは大きな圧力釜(クッカー)で90~150℃の温度で加熱する方法です。

圧力で加熱したのち、糖化に適した温度まで落としてから麦芽を加えて糖化させます。

 

この時加えられる麦芽は六条大麦の麦芽の方が多いです。

モルトウイスキーよりやや長め、ややアルコール度数高めに発酵させていきます

発酵が終わったら連続式蒸留機のラインに移され、蒸留されていきます。

 

連続式蒸留機は十数から数十段の棚がある高い塔のような装置で、中の棚一つ一つがポットスチルでの一回の蒸留を同等の効果が得られるようになっています。

 

発酵もろみを連続的に入れることができ、この連続式蒸留機を使って作られるのがアルコール度数90%前後の蒸留液

 

そしてスコッチグレーンウイスキーの場合、多くはブレンデッドウイスキーに使われるため「プレーンカスク」という個性の出にくい樽に詰められることが多いです。

プレーンカスクは3~4回ほど使われた古樽のことで、樽材成分があまり抽出されない樽となっています。

 

このようにスコッチグレーンウイスキーのほとんどはブレンデッドウイスキー用に使われるので、個性の少ない味を求めて仕上げていることが多いです。

スコッチグレーンがスコッチモルトと違うポイント
  • モルト以外の穀物が使用されている。
  • クッキングという圧力加熱を行う必要がある。
  • モルトウイスキーよりやや長く、やや高いアルコール度数で発酵。
  • 連続式蒸留機を使用。蒸留アルコール度数を90%ぐらいにしている(モルトウイスキーは65~80%ぐらい)。
  • ほとんどがプレーンカスクを使用している。

 

スコッチブレンデッドウイスキーとは?

スコッチウイスキーの中で最も売れているのは、ブレンデッドウイスキー。

スコッチブレンデッドウイスキーは、特に万人受けしやすいバランスの良さと程よく残した個性が特徴です。

 

その個性やバランスはブランドによってさまざまですが、シングルモルトに比べて比較的安価に入手できます

また、デイリーウイスキーとしても飲みやすい仕上がりとなっていて、お家で・居酒屋でなど様々に楽しまれているのがスコッチブレンデッドウイスキーです。

ジョニーウォーカー ゴールド
4.5

ジョニーウォーカーシリーズの中でも、熟成年数にとらわれずスムースな味わいを求めた一本。

はちみつやバニラの甘いニュアンスに華やかな香りが特徴。
ストレートでもおいしいウイスキーですが、割って楽しむ飲み方もかなりオススメです!!
ウイスキーの存在感は残しつつ、様々な味わいとなじみやすい。
そのためカクテルベースとしても優秀ですし、ハイボールや水割りはフードペアリングにも優秀です!!

価格帯

4000~5000円

アルコール度数

40%

容量

700ml

特徴

世界一のスコッチウイスキーブランド!!

原産国

スコットランド

yaffee

バランスよく力強くも優しい飲み口。
3代目のアレックスが造った幻のレシピを復活させたプレミアム品

ジョニーウォーカーのブレンド技術の高さを感じさせてくれます。

アロマ 4.8
フレーバー 4.2
余韻 4.5

スコッチブレンデッドウイスキーについて詳しくはこちら

ブレンデッドウイスキーの作り方

そんなブレンデッドウイスキーの作り方は、基本的にモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られます

 

多くのスコッチブレンデッドウイスキーは、数~数十種類のモルトウイスキーをブレンド。

味わい・個性を決め、そこに数種類のグレーンウイスキーをブレンドしてバランスをとっていきます

 

なぜ数十種類ものブレンドが必要になるかというと、それは味の品質を保つためです。

 

ウイスキーは、一樽ごとに味の違うお酒。それぞれが個性的です。

その個性を均一化させるためには、多くのブレンドが必要になります。

 

様々な個性のウイスキーをブレンドすることで、常に「同じ味」にしているのです。

yaffee
会社でいえば、モルトウイスキーやグレーンウイスキーは社員。ブレンデッドウイスキーは「チーム」といった感じではないでしょうか?
個性派と穏やかな仕事人が多数いることで、いいチームが出来上がっていくと思います。お堅い仕事人しかいなければ「面白味」がないし、個性派だけだと好みが分かれたりまとまりがなかったり……。
ちょうどいいバランスが大事ですね。

最後に……

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のお話いかがだったでしょうか?

 

スコッチウイスキーについて僕なりに深くまとめていきましたが、なかなか難しい部分もあったと思います。

そういった難しい部分は、個別にわかりやすく料理人ならではの表現で伝えていきたいです!

 

ぜひ公式ラインやお問い合わせ等で気軽に聞いていただけたら嬉しいです。

ただ、小難しくウイスキーの知識を並べても、一番は目の前のウイスキーを楽しむことだと思います。

 

それではよいウイスキーライフを

また次回もよろしくお願いします!

 

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