ウイスキーを麦汁から見ていくと深い!!ウイスキーと麦汁の話

 

本日もお越し頂きありがとうございます。

ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。

ウイスキーの魅力を配信したい料理人ウイスキーブロガーです。

ウイスキーが好きすぎるあまり「ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル」を取得
2021年に開催されたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)の審査員を務めさせて頂きました。

当ブログで料理人目線のウイスキーの魅力をお伝えしていこうと思います!

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本日のテーマは「ウイスキーから見た麦汁の話」について

 

大麦を大麦麦芽(モルト)に加工、そして仕込み水を加えて抽出する大麦麦芽(モルト)の甘いジュース、

『麦汁』!!

 

ウイスキーやビールを造る上で、必要不可欠なものです。

 

ビールづくりにおいて麦汁は大事

 

一番搾り麦汁だけをつかったキリンの「一番搾り」など「麦汁にこだわっています!!」と謳ったビールは多いです。

ただ「麦汁にこだわってます!!」と謳ったウイスキーって全然見ないと思います。

 

ウイスキーは蒸留して、さらにそのあと樽で熟成させるから麦汁ってそんな大事ではないと思っていませんか??

 

実はウイスキーも麦汁が違うと、味わいにも大きな違いが生まれます!!

そこで今回、麦汁目線でイスキーを見ていくという超マニアックなウイスキー記事を作ってみましたと!!

 

他にないマニアックなウイスキー記事ぜひ参考にしていただけたらなと思います。

「麦汁」について

 

麦汁とは簡単に説明すると麦芽の甘ーいジュース

 

糖度でいうと1番麦汁が約20度、2番麦汁が約5度といわれています。

果物の平均糖度を見ていくと

  1. イチゴ  8~13度
  2. メロン 12~18度
  3. 桃 13度
  4. バナナ 16~20度
  5. ぶどう 17度

つまり1番麦汁だけで見たらメロンより糖分が含まれていることになります

 

ただ糖度で注意が必要なのが『糖度が高い=甘い』というわけではありません。

糖度は糖分が多く含まれているという意味で、糖類の中にはそこまで甘味を感じないものもあります

 

例えばトレハロースという糖分。

 

これはよくパティシエや料理人、バーテンダーなどの間で糖度そのまま、穏やかな甘みにしたいという理由としても使われるときもあります。

 

麦汁の作り方

 

麦汁を作るためには、まず麦芽を作らなくてはいけません

麦芽についてはこちら

本日もお越しいただきありがとうございます!!一時期「モルト」を使った料理にハマって色々遊んでいたウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。ウイスキーの魅力を配信したい料理人ウイスキーブロガーです。ウイスキ[…]

 

 

まず麦芽をつぶし『グリスト』という粉砕麦芽を作ります。

グリストは粒の大きさで3つに分かれます。

  1. 外殻の多く含んだ一番大きなハスク
  2. 中程度のグリッツ(大体砂場の砂ぐらいの大きさです。)
  3. 一番細かいフラワー(いつも見ている小麦粉の細かさぐらいです。)

 

実はこの比率が重要!!

この比率をハスク:グリッツ:フラワー2:7:1になるように調節することが多いです。

 

その理由は、ハスクは外殻を多く含んでいてろ過するときのフィルター代わりとして必要となってきます。

また外殻にはタンニンなどの『強い味わい』を感じる成分も多く含まれています

そのため、程よく含まれていると、麦汁に『厚み』が出るようです。

 

実際に自分で麦汁を作ってみてハスクの有り無しでは、味わいの厚みが全然違いました。

有りの方は厚みがあるのに対して、無しの方はすっきりとしすぎてしまっているという印象でした。

 

また、一番粒の小さいフラワーは、麦芽の成分を良くも悪くも抽出しやすいという傾向があります。

糖分や成分を多く抽出できますが、油分(脂肪酸など)も多く出てきてしまいます

この油分(脂肪酸)の一種がそのあとの工程で香味成分を作る効果を妨げてしまうことがあるそう。

 

そのため、中程度の大きさであるグリッツの比率が高くなっています

 

このグリストに約70℃ぐらいの温水をまぜ、糖化槽の中が65℃ぐらいになるように温度調節をして糖化させます。

温水と麦芽を混ぜた”麦のおかゆ”のようなものをマッシュ、マイシュといいます

この時のグリストと温水の比率は大体1:4ぐらいです。

 

糖化できたら濾過し、一番麦汁を取ります。

 

今度は75℃の温水を大体グリストの2倍ぐらいの量、加えて同じように2番麦汁を抽出

最後に85℃程度の温水を加えて、3番麦汁を抽出します。

中には95~100℃の温水を加えて4番麦汁を抽出するところもあるようです。

 

ウイスキーだと、一番麦汁と二番麦汁を混ぜて糖度13~14度ぐらいにして発酵させる蒸留所が多いです。

 

三番麦汁や四番麦汁は、次の一番麦汁や二番麦汁を抽出するときの温水として使われます

次の工程「発酵」について

本日もお越し頂きありがとうございます。ビールを家で作りたいなーって思いつつ、様々な問題があるから断念しているウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。ウイスキーの魅力を配信したい料理人ウイスキーブロガーです。ウイスキー[…]

そもそも麦汁ってどんな味??

ここを自分自身で経験したかったら、「キリン一番搾り おいしさの秘密見学ツアー」に参加してみるのをお勧めします!!

現在コロナ感染対策のため、工場見学の開催は見送られている可能性があります。
参加希望の方はサイトを確認してください。

年齢認証です。本サイトはお酒に関する情報を含んでいるため、20歳以上のお客様を対象としています。…

 

このツアーでキリンの一番麦汁と二番麦汁の飲み比べができます。

 

僕個人の感想ですが、一言でいうと「全く塩気のない砂糖醤油を水で伸ばした感じ」です。

甘味と旨味が強く、コクがしっかりとした印象です。

 

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麦汁のとり方でウイスキーの量が変わる??

 

大麦から最も多くのウイスキー(アルコール)を造りたいとき、製造工程の中でどこが一番気を付けなくてはいけないか。

それは発酵工程でも蒸留工程でもありません。

 

糖化工程です。

つまり麦汁を抽出するときだそうです。

 

それはなぜか。

蒸留時にアルコールをより多く濃縮するためには、酵母により多くのアルコールを作ってもらう必要があります

その酵母にアルコールを作ってもらうためには、糖化工程でなるべく多くの糖を作ればいいわけです。

 

それだけではなく、最終的にウイスキーの味わいを変えてしまう大事な工程でもあります。

 

麦汁の抽出時の温度は1℃で味が変わる!!

 

ちょっとだけ難しい話をします。

糖化は酵素の働きによってでんぷんを糖に変える作業です。

 

ウイスキー造りの場合、でんぷんを糖に変える酵素(アミラーゼ)は2つの酵素の働きが大きいです。

α-アミラーゼβ-アミラーゼです。

 

α-アミラーゼでんぷんを適当なサイズで分解していく酵素のことで、65~70℃の温度でよく働きます

対して、β-アミラーゼでんぷんの結合を2分子ずつ分解していく、つまり二糖類である麦芽糖を多く作ってくれます。最も活性化する温度は55~66℃です。

 

両方とも活性化する65℃が糖化工程のセオリーだそう。

ただあえて65℃より低くしたり、高くしたりすることもあります。

 

温度を低くするとβ-アミラーゼがよく働くので麦芽糖がよくできます。

つまり酵母が食べてアルコールに変えることができる糖分が増えるということ。

 

そうなるとアルコール発酵に多くの糖分が使われるので、結果ライトなウイスキーに仕上がりやすいそうです。

 

反対に温度を高くするとα-アミラーゼがよく働き、β-アミラーゼの働きが弱くなります

 

すると酵母が食べられない糖分が多くできるようになり、結果ウイスキーは重めな酒質になるといわれています

 

また糖分以外にも温度が高いと緑茶と同じように苦み成分がよく出てきます。

煎茶の抽出温度は70~80℃ぐらいがベスト。

この温度だと緑茶の苦みを抑え、旨味や甘味を引き出すことができます。

 

同じように麦汁の抽出の時も高い温度では、苦み成分であるタンニンが抽出されやすいそうです。

つまり糖分以外にも高い温度の抽出は重ためな成分が出やすいようです。

 

抽出方法の違いで全く味わいが変わる!

 

麦汁の抽出方法はインフュージョン法デコクション法の二つに分かれます。

簡単に説明するとインフュージョン法はお茶のように抽出する方法。

対してデコクション法は一部だけ麦汁を煮て、戻すことで糖化させる方法です。

インフュージョン法

 

インフュージョン法にはさらにワンステップ・インフュージョン法ツーステップ・インフュージョン法があります。

 

これは温度管理を1段階だけにするか、2段階行うかの違い。

 

2段階に分けて行うことで、より澄んだ麦汁を得ることができますが、コストがかかります

ツーステップ・インフュージョン法は初めに50℃ぐらいの温度でたんぱく質の分解を行います。

その後65℃ぐらいに温度を上げて、糖化を行います。

そうすることでたんぱく質がアミノ酸に変わりやすく、澄んだ麦汁を得ることができる傾向があります。

 

 

対してワンステップ・インフュージョン法は、上で紹介した糖化方法!!

ウイスキーでは、コスト重視のワンステップ・インフュージョンが多いです。

 

デコクション法

 

デコクション法はグリストと温水を混ぜたマッシュの一部を別の鍋に移し、別鍋のほうのマッシュを煮ます。

こうすることで煮たほうは、ものすごく濃くエキス分を抽出することができるそうです。

そして元のマッシュに戻して糖化させます。

 

大体この工程を2~3回程度繰り返し、糖化を行うそうです。

インフュージョン法より濃ゆい麦汁を得ることができるそうです。

またワンステップ・インフュージョン法より澄んだ麦汁になる傾向があります。

 

 

ツーステップ・インフュージョン法とデコクション法は主にビールに多い方法です。

ただ、ウイスキーでも行っているところ、実験しているところもあると聞いたことがあります。

 

特にビール工場が併設されている蒸留所や元ビール工場の蒸留所はもしかしたらやっているかもしれないですね。

 

麦汁の濁り具合で味が変わる!!

 

糖化時の温度や抽出方法で麦汁の状態が大きく変わります。

濁った麦汁では重たい成分が多く、澄んだ麦汁では華やかでライトな酒質となりやすい傾向があります。

ただ、今までの話では、澄んだ麦汁のほうが優れているように感じるのではないでしょうか??

 

しかし、あえて濁った麦汁に誇りを持っている蒸留所もあります。

中でも特に有名な所は「ブレアアソール」蒸留所。

ブレアアソールは麦汁の濁り具合で味わいの重みを出しているようです。

ブレアアソール 12年
3.8

夏目漱石や昭和天皇ともゆかりのあるスコットランド・ハイランドのブレア城そばの蒸留所。

オフィシャルの12年は仕込み水がカワウソの小川という名前の川から引いていることもありラベルに「カワウソ」が描かれています。

レーズンやアプリコット・チョコのような香り濃厚なオイリーな味わいとがあり、食後まったり飲むのに良いウイスキー です。

価格帯

7500~8500円

アルコール度数

43%

容量

700ml

特徴

カワウソのウイスキー

原産国

スコットランド

 

yaffee

リッチで重ためなニュアンスはあるけど程よく「軽さ」がある面白いウイスキー。

マカダミアナッツやカシューナッツのようなニュアンスに、やや紅茶やレーズン
そしてスパイシーさのある余韻が特徴。
カワウソの可愛さから裏腹にかなり大人な味わいのウイスキーで、飲むときは一日の終わりにまったりと飲みたい逸品

個人的にはストレートかロックがおすすめです!!

 

 

 

全部の工程とのバランスが大事なんだと思います。

 

最後に……

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか。

 

麦汁は、ウイスキー造りにおいて難しくまた実は奥の深い工程。

その工程に求める中間の味は、蒸留所によって様々です。

澄んだきれいな麦汁の方がおいしそうに感じますが、濁った麦汁にこだわる蒸留所もあるように……

 

料理でも

同じ煮物を作るときでも、きれいに同じ大きさに切りそろえた方がきれいで一体感が楽しめます。

ただ、ばらつきがあるカットにすることでいろんな味わいが楽しめるので、あえてばらつきを作ることもあります。

 

全てベストの工程を行うよりあえて一部”雑”に作った方が味わい深くなることも……。

こういった点は、料理も酒造りも同じではないでしょうか??

そんなことを思いながら、今日もウイスキーを楽しんでいこうと思います。

 

それでは良いウイスキーライフを!!

また次回もよろしくお願いします!

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