『麦芽(モルト:malt)』がないと、ウイスキーは作れない!! 「モルトとは?」について徹底解説!!

本日もお越しいただきありがとうございます!!

一時期「モルト」にハマって色々遊んでいたウイスキー好き料理人Yaffeeです。

今回のテーマは「麦芽(モルト:malt)」について!!

「麦芽(モルト:malt)」はウイスキーの必須アイテム

これがないとどんなウイスキーも造ることができません。

ただ「麦芽(モルト:malt)」って意外と知っているようで知らないこと多いのではないでしょうか?

実は「麦芽(モルト:malt)」には様々な種類があり、どのモルトを使うかでウイスキーの味わいも大きく変わってきます!!

さらにトウモロコシか主原料のバーボンも、その他穀物が主原料のグレーンウイスキーも必ずモルトが必要になってきます。

しかし、

ウイスキーの説明では、『樽』が注目されがち。。。

「麦芽(モルト:malt)」に注目してウイスキーをみると、いつもと違った角度でウイスキーのことが知れるのではないでしょうか?

そこで今回、「麦芽(モルト:malt)」についてまとめてみました!!

少しマニアックに、「麦芽(モルト:malt)」からウイスキーを楽しんでみてはいかがでしょうか??

はじめに……

正直、「麦芽(モルト:malt)」って言葉は聞くけど、あまりなじみはないですよね。。

ビールも同じく「麦芽(モルト:malt)」が原料。

よくビールで「○○麦芽使用」とか「○○モルトで作られた」など見かけると思います。

ただ実際にモルトを見たことがある人は少ないのではないでしょうか?

スーパーで並んでいるような食材ではないですし、一般的に使われるものでもないです。

ところが、「麦芽(モルト:malt)」に注目するといろいろと面白い発見ができます!!

「麦芽(モルト:malt)」目線で楽しむウイスキーは結構楽しいです

麦芽(モルト:malt)とは?

麦芽(モルト:malt)とは、その名の通り「麦の芽」ようは麦で作ったもやしのようなもの

ただ、「もやし」といっても根は使いません。

根は取り外し、種の部分だけを乾燥させて使います

なぜそのような処理を行うかというと……

製造目線で見ていくと、

「糖化酵素を活性化させ、溶けの良い状態にするため。」

が理由となってきます。

簡単に言うと

大麦が持っているのでんぷんを糖に変える『酵素』という成分を活発にさせるためと、大麦の成分を水に溶けやすい状態にするために行います!

こうすることで、「麦汁」という麦の甘いジュースを作る準備をするわけです。

「麦芽(モルト:malt)」がなぜ生まれたのか考察してみると……

「麦芽(モルト:malt)」自体は古代から使われていました。

古代のパンは、小麦粉より麦芽(モルト:malt)を粉末にしたものが使われていたそう

小麦や大麦粉からパンを焼くにはそれなりの大量の燃料と時間が必要です。

ただし麦芽(モルト:malt)を粉にしたのもなら、水分を含ませて乾燥させれば食べることはできます。

「麦芽(モルト:malt)」は長期保存と体への消化の良さに優れていました。

そのため、かなり重宝されていたのだと思います。

また麦芽を粉末にして水で練って、少し焼けばすぐ簡素なパンにはなります

また今でいう一般的なパンを作るときでも、モルトが入ると圧倒的に酵母が元気になりやすいです!

昔は「酵母」という存在すらわからなかった時代。

パンは自然に発酵するの待ちだったと思います。

その中で酵母が元気に働くようになる麦芽(モルト:malt)はパン作りに必須アイテムだったのかもしれませんね。

先人の知恵や経験から、麦芽(モルト:malt)が特にヨーロッパの方の生活になじんでいったのだと思います。

大麦=麦芽(モルト:malt)?大麦と麦芽(モルト:malt)の違い

ウイスキーやビールの世界では麦芽(モルト:malt)=大麦麦芽を指すことが多いです。

ただし、大麦=「麦芽(モルト:malt)」ではありません!!

小麦を使えば、小麦麦芽になったり、ライ麦にもライ麦麦芽があったりと

麦芽(モルト:malt)自体は、「発芽させて糖化酵素を活性化させた」状態を指す言葉です。

大麦について

大麦は英語で[barley:バーレイ]

モルトとは正確に区別されています

さらに、大麦の中にも二条大麦と六条大麦というものがあります。

二条大麦は、麦の実が2列に実る。

六条大麦は、麦の実が6列に実る。

という違いです。

ただその性質、用途は大きく変わってきます。

二条大麦

二条大麦(通称:ビール麦)はウイスキーやビールに使われます

それには、3つのポイントがあります!!

3つのポイント

・粒自体が大きいためデンプン含有量が多い!

・エキス分が多く得ることができる!

・濁りの原因になりやすいたんぱく質が少ない!

この3つのポイントからビールやウイスキーの製造でよく用いられます

要は、アルコールに変わる糖分や味わいとなるエキス分を多く得られるということです!

六条大麦

六条大麦はよく食用や麦茶に使われることがほとんど。

よくスーパーで見る「押し麦」や「大麦」は六条大麦が圧倒的に多いです。

ウイスキーの製造では使われないのかというと、そういうわけではありません!

グレーンウイスキーやアメリカンウイスキー(バーボン、ライウイスキー、テネシーウイスキーなど)の原料を糖化させる糖化材として使われます。

それは二条大麦よりたんぱく質が多い分、酵素力が強いからです。

酵素というのは、実は「たんぱく質の一つ」。

そのたんぱく質が多いということは、酵素量も多いということです。

しかし、六条大麦単体には二条大麦よりでんぷんが少なく、エキス分が少ないです。

そのため、できるアルコールやモルト由来の風味は少なくなってしまいます。

特にウイスキーはアルコールで多く作れる大麦品種が選ばれてきました。

そのため、六条大麦より二条大麦が使われているようですね!!

古代品種に注目!?

これも最近になって見直されています。

古代品種の大麦で作ると

アルコールはあまりできないけど、めっちゃいい薫りする!みたいなことがあるそう。

近年、古代品種を使ったウイスキーが特に注目されています。

スコットランドでもその筆頭が

【ブルックラディ蒸留所】

【スプリングバンク蒸留所】

です

麦芽(モルト:malt)の作り方

大麦は収穫されてからすぐに麦芽(モルト:malt)へと加工されるわけではありません!

大麦は「休眠期間」というのがお休みが必要です。

この休ませる作業を行わないと、不均一に発芽してしまうそうです。

この休眠期間の後

「ドライ&ウエット」という方法で、大麦に水分を含ませていきます。

この「ドライ&ウェット」とは、

水に数時間浸して、水からあげて通気させるという作業をくりかえすこと!

これにより麦の中に十分な水分を均一に含ませることができるそうです。

その後、発芽させていきます。

高湿度で15~20℃ぐらいの温度がちょうどいいそう。

腐らないように絶えず混ぜながら、5日~1週間ほどかけて発芽させます。

今では、「麦芽(モルト:malt)」を作る業者がまとめて「洗濯機」のような大きな機械で混ぜながら行うそうですが、昔は人の手で行っていました。

フロアモルティング」という製法で、今ではほとんどの蒸留所が行わなくなりました。

ただ数は少ないですが、今でも行っている蒸留所はあります。

【ボウモア】 が特に有名かなと思います。

発芽した大麦には、最後に乾燥という作業が待っています。

これを行わないと、麦芽はウイスキーになる前に腐ってしまいます。

この時にピートを焚くことで乾燥させてます!!

つまり、この作業の時にウイスキーの特徴的なスモーキーフレーバーやクセが付きます!!

ただスモーキーフレーバーを付けたくない、または調節したい時、

無煙炭だったり、熱風で乾燥させていくそう。

ウイスキーでは、この乾燥がとても重要な作業になってきます!

麦芽(モルト:malt)の種類

麦芽(モルト:malt)の種類はどちらかというとビール製造のほうの知識。

ウイスキーではあまり麦芽(モルト:malt)の種類について公表しているところは少ないです。

ところが、モルトの種類にもこだわりっているところも出てきました。

また、ここ最近もともとビールを作っていた会社がウイスキーに参入してきています。

そのため、ウイスキー業界にも麦芽(モルト:malt)の種類に注目が集まってきていると思います!!

そこで簡単にビールでメジャーな麦芽(モルト:malt)についてご紹介したいと思います。

ペールモルト

いわゆるペールエールを作るときに使う麦芽(モルト:malt)。

焙煎を行わない「淡色麦芽」とも呼ばれるもので長時間、低温で乾燥します。

ノンピートのウイスキー用の麦芽(モルト:malt)もほとんどがここに入るそうです。

ラガーモルト

いわゆるみんなが一般的にビールと呼んでいるラガー・ピルスナー用の麦芽(モルト:malt)

入手しやすい麦芽(モルト:malt)の中で最も淡い色をしています。

ただこのモルトの難点は、オフフレーバーのもととなる成分を多く持っているそう。

そのため麦汁の煮沸時間を長くする必要があるのだとか。

麦汁の煮沸を行わないウイスキーにはあまり向かなさそうですね。

ライトローストモルト

高温で軽く焙煎した麦芽(モルト:malt)。

まだこの焙煎度合いでは酵素活性は生きているようで、弱いですが糖化はできるようです。

あまり甘味を増やすことなく、モルトの特徴を加えやすいそうです。

スモークモルト

その名の通り燻製させた麦芽(モルト:malt)。

ウイスキーのピーデッドモルトはこのジャンルですね。

ほかにもチップなどの木材で燻したモルトを使ったラオホビールという燻製ビールにも使われます。

余談ですが、アイラで造られるその名も「アイラエール」というものがあります。

確か今までにキルホーマンとボウモアがあったと思いますが、調べたら売り切れでした。

2年前のビアフェスで飲みましたが、強い酸味と薫香が特徴的な面白いビールでした。

カラメルモルト(クリスタルモルト)

この麦芽(モルト:malt)は水分を含ませるところまでは通常と同じです。

しかし水分を含ませた後、ゆっくり加熱を行うそう。

すると糖化酵素で糖分ができますが、出来上がった糖がカラメル化していきます。

このカラメル化した糖は酵母が食べることのできない多糖類(デキストリン)という成分。

この麦芽(モルト:malt)だけでは糖化させることができませんが、

甘味やボディ、カラメルのような香りを与えてくれるそうです。

トーストモルト

高温でローストさせた麦芽(モルト:malt)。

アンバーエール、ブラウンエールなどに使われます。

香ばしい風味と甘味中心に味が強いので、少量のみ使うようです。

この麦芽(モルト:malt)自体に酵素力はありません。

ローストモルト

トーストモルトをより焦がした麦芽(モルト:malt)。

スタウトやポーターなどに使われます。

チョコレートモルトやコーヒーモルトもこの中に含まれます。

味わいへの影響が強いので、最近ウイスキーでも使われています!!

ただしこの麦芽(モルト:malt)にも酵素力はありません。

(参照:世界に共通するビールのつくりかた大辞典)

ちょっと変わった麦芽(モルト:malt)を使ったウイスキー

グレンモーレンジィ シグネット

グレンモーレンジィ シグネットはチョコレートモルトを使用したウイスキー!!

スコッチウイスキーの型の中で、様々な型破りを行ったグレンモーレンジィ。

洗礼された味わいに、深いチョコレートのようなコクと長期熟成の原酒がもたらす長い余韻

深い世界へといざなってくれます。

ウエストランド

ウエストランドはアメリカ・シアトルを拠点に100%モルトのウイスキーを作る蒸留所。

アメリカでは、51%以上モルト(大麦麦芽)を使用していれば、モルトウイスキーとして販売することができます。

ただし、その中でも伝統を重んじて100%モルトにこだわり、革新的な挑戦も行うこの蒸留所!

ウエストランドには、

ペールモルト、

ピーデットモルト

ペールチョコレートモルト

ブラウンモルト

ミュンヘンモルト

エクストラスペシャルモルト

など

の麦芽(モルト:malt)が使われているそう。

今までのウイスキーと違ったチョコレート感を感じさせてくれます。

ぜひ味わってみてください!

料理人目線の意外な麦芽(モルト:malt)の使い道

ここからは完全に過去に僕が実験した独自のモルトの使い道です。

ソースとして使う

「売れない」との判断で実験までで終わってしまったものですww。

そのためレシピまで出していないです。

そこはご了承ください。

まず麦芽を粉砕して水と混ぜてしばらくぐつぐつと煮だして「麦芽の出汁」のようなものを作ります。

別の鍋で白ワインをぎりぎりまで煮詰めて置いてそこに鶏の出汁を加えてまた煮詰めていきます。

濃度が出てきたらすりおろしリンゴを入れまた煮詰め、はちみつで甘味を整え、麦芽の出汁を加えてまた更に煮詰めてバターで乳化させれば完成です。

豚や鶏のロースト、グリルみたいな料理のソースとして使えます。

タケノコの灰汁とり!??

もう一つが実験の為に購入したモルトでやってみたことです!

タケノコの灰汁とり用のぬかの代わりとしてモルトが使えましたw。

「モルトのほうがある。」ってご家庭のほうが少ないと思いますが、

意外と灰汁はしっかりとれます。

若干モルトの味も移るので試してみたい人はぜひ!

燻製材としてモルトを使う。

実は、燻製材としてモルトを使うことはできます!!

ところが、ほんと短時間で焦げたコメの香りになりますので、注意が必要。

使うときは熱燻で煙が出てから30秒がベストだと思います。

そのくらいが香ばしい麦茶の香りという感じです。

もし挑戦してみたい方はやってみてください!

最後に……

最後までお読みいただきありがとうございます!!

今回のお話いかがだったでしょうか?

「麦芽(モルト:malt)」に注目してみるとウイスキーってもっと面白くなるかなって思い、綴りました。

皆様の晩酌の「肴」になっていただけたら幸いです!

それでは良いウイスキーライフを!!

また次回もよろしくお願いいたします!!


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