先日、ジョージディッケルのタバスコカスクというものを飲ませて頂きました。
限定生産だったため、現在入手困難なウイスキーです。
はちみつやウッティな香りの中にタバスコの特徴的な酸味と辛味のニュアンス。口に含むとメープルやバニラの甘みとしっかりとした辛味で、すごく面白いウイスキーでした。
ただこのウイスキーの知ったときに
「タバスコって樽熟成していたの!?」っと思いました。
そして調べてみると……
普通に裏側のラベルに記載されていました。。(笑)
実はタバスコはオーク樽(しかもジャックダニエルの空き樽)で3年熟成して造られていたのです。
今までタバスコって工場、大量生産のイメージしかありませんでしたが、タバスコにかなり興味がわきました!!
そこで今回はタバスコについて深堀していこうと思います!!
タバスコの歴史
タバスコは、アメリカのルイジアナ州エイブリー島に本社を置く、マキルヘニー社の創業者エドモンド・マキルヘニーが開発しました。
彼はもともとニューオリンズで銀行員をしていたそう。
スコットランド人とアイルランド人の血を引く、ひげを蓄えた美食家としても有名だったそうです。
タバスコの始まりは南北戦争の時代にさかのぼります。
エドモンドはメキシコのタバスコ州から帰還した南軍兵士から、チレ・タバスコという種のトウガラシの種をいただき、栽培してみようとします。
しかしすぐにニューオリンズが北軍に陥落。
エドモンドは妻の実家があるエイブリー島に移り住むことにしました。
そこでチレ・タバスコの種をまくことにします。
ところがエイブリー島も北軍に陥落。
エドモンドは泣く泣くテキサス州に逃げることにしました。
1865年の終戦後エイブリー島に戻ったエドモンドは荒廃した土地に1株のチレ・タバスコが生えているのを見つけ、これで調味料を作り、立ち上がって見せようと決意します。
エイブリー島は岩塩が名産地。
チレ・タバスコと岩塩で調味料が作れないかと研究を始めました。
試行錯誤の末、完成したチレ・タバスコの調味料を、エドモンドは周りの人たちに配りました。
結果は大好評!!
この時に1滴ずつ使えるようにと香水の小瓶で配ったのもよかった好評だったそうです。
今度はこれを全米に向けに「タバスコ」の商標を付けて350瓶を問屋へ送ったところ追加注文が殺到。全米で人気商品となっていきます。
そうして全世界に「タバスコ」が広まっていきました。
タバスコの製法
Jill WellingtonによるPixabayからの画像
まずは完熟したトウガラシの身を手作業 で収穫します。
収穫後1時間以内に丹念につぶし、地元産の岩塩と混ぜてペースト状にしたものをジャックダニエルの空き樽で3年間熟成させます。
この時に樽の上に木のふたをした後、さらに塩でふたをします。
樽で熟成させることで適度に空気が入り、自然と酵母が育っていくのだとか。
ウイスキーの熟成で言ったらパレット式に近い樽を縦置きで熟成の時を待ちます。
3年後熟成されたトウガラシのペーストは、複雑で芳醇な香りとなっているそう。
この後約1か月かけてトウガラシペーストにゆっくりビネガーを加えていきます。
トウガラシの香味、アロマ、色といったものが定着していきやすくするためだそう。
またビネガーの殺菌作用で熱処理を行わなくても製品化できるそうです。
そこから種や固形分を取り除き、液体となったものを品質チェックしていきます。担当者はpHやソルトチェックのほかに自分の舌でもすべてチェックしていくそうです。
審査の通ったもののみが「タバスコ」として全世界に出荷されていきます。
このように大量生産・工場製品のイメージが強い「タバスコ」ですが、実は強いこだわりと深いストーリーのある製品だったのです。
今後タバスコを効かせたペアリングも面白いかもしれませんね!!
気が向いたときにチャレンジしてみます!!