本日もお越し頂きありがとうございます!!
ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o)
今回のお話は
「ノンチルフィルタードでおすすめのウイスキー」
について!!
今回はちょっとマニアックなウイスキーのお話です。
ウイスキーには「冷却ろ過」を行っているものと行っていないものがあることご存じですか?
実は、ラベルにちゃんと冷却ろ過を行っていない(ノンチルフィルタード)と記載されているのですが、あまり気にして飲んでいる方は少ないと思います。
ただ、だからこそ今回しっかりとまとめたいと思い、記事にしました。
冷却ろ過を行っていないウイスキーと行っているウイスキーでは、大きな違いがあります。
はっきり言うと、
冷却ろ過を行っていない(ノンチルフィルタード)のウイスキーの方がおいしい銘柄が多い
です!!
今回は、
「なぜノンチルフィルタードのウイスキーの方がおいしい銘柄が多いのか」から
「ノンチルフィルタードでおすすめのウイスキー」までまとめてみました。
マニアックながら皆様のウイスキーライフを盛り上げる内容だと思います。
より深いウイスキーの世界、楽しんでみてはいかがでしょうか??
冷却ろ過とは??
冷却ろ過とは、低温下でウイスキーのろ過を行う工程のことです。
ウイスキーでは製品としてボトリングされる前、品質保持のために行われる工程となっています。
ウイスキーの中には、低温下になると白濁させたり綿状のフロックを形成したりする物質が含まれています。
こうした物質が残っている状態だと、低温となったウイスキーに白濁したりカビのような綿状のものが混入したりすることがあります。
消費者へのイメージの観点から、こういった白濁や固形物を作る物質を取り除くために低温ろ過(チルフィルタード)を行うのです。
この冷却ろ過は現在多くのウイスキーで行われています。
ブレンデッドウイスキーをはじめ、シングルモルトでもスタンダードボトルのほとんどが冷却ろ過を行っています。
その方法は……
一度ウイスキーを冷却し、しばらく放置します。
そして、白濁したり固形物が現れてきたら、ろ過を行います。
スコッチウイスキーでは、-8℃~5℃ぐらいの温度で冷却ろ過を行うことが多いそうです。
この時の温度やフィルターの目の細かさでウイスキーの味わいが大きく変わってきます。
ただ、アルコール度数の低いウイスキーほどフロックや白濁が起きやすいので、アルコール度数の低いウイスキーほど厳しい基準が採用されているそうです。
なぜ冷却ろ過を行わないことへこだわるのか??
冷却ろ過は品質管理のために行うわけですが、
なぜ「冷却ろ過を行わない」ことへこだわるウイスキー銘柄があるのでしょうか?
それは、冷却ろ過がウイスキーの味を大きく変えてしまうからです。
実は、低温下でウイスキーにフロックを形成させたり白濁させたりするのは、ウイスキーの香味成分が飽和して起きることだそう。
ウイスキーには、様々な香味成分が含まれています。
まさに「香りのお酒」と呼ばれるほどに、たくさんの香味成分がウイスキーに溶け込んでいます。
しかし、低温下にウイスキーがさらされるとこの香味成分が分離。
白濁を起こしたり綿状の成分を形成したりします。
- 発酵由来……脂肪酸やそのエステル類
- 樽由来……ステロール類のβ‐シトステロールやそのグルコシド
など
冷却ろ過はウイスキーの香味成分をわざわざ除去している作業とも言えます。
そのため、ウイスキーの味わいそのままを届けたい生産者は、
「冷却ろ過を行わない(ノンチルフィルタード:Non-chillfiltered)」にこだわります。
そしてノンチルフィルタードにこだわるためには、ウイスキーのアルコール度数を上げる必要があります。
だから、アルコール度数の高いウイスキーはおいしいといわれているのです。
ウイスキーの香味成分は、アルコールに溶けやすい性質があるそう。
そのため、アルコール度数が多い方がウイスキーが抱えられる香味成分の量が増えてきます。
特にアルコール度数46%から冷却ろ過の必要がなくなってくるといわれています。
だから、ウイスキーの46%はおぼろげに46%にしたわけではなく、ちゃんと理由があるのです!!
ノンチルフィルタードのウイスキーの取り扱い方法
そんなノンチルのウイスキーですが、一つだけ注意点があります。
それは、ノンチルフィルタードのウイスキーを冷凍させてはいけないということ。
ノンチルフィルタードは、あえて冷却ろ過を行わずにウイスキー本来の香りや味わいを楽しんでもらうためにボトリングされたウイスキーです。
そのウイスキーを冷凍させてしまうと、その良さが半減してしまいます。
せっかくのノンチルフィルタードのウイスキーが台無しです。
ただ冷凍ウイスキー自体はすっごくうまいもの。
なので、この注意点だけ守って「冷凍ウイスキー」を楽しんでもらいたいと思います。
ノンチルフィルタードでおすすめのウイスキー!!
ということで今回は、ウイスキー本来の香りや味わいが楽しめる「ノンチルフィルタードのウイスキー」ということでおすすめの銘柄を厳選してみました!!
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・アイランズ |
アルコール度数 | 46% |
樽 | 1stフィルのバーボン樽、シェリーホグスヘッド |
熟成年数 | 10年 |
クラフトウイスキー蒸留所のパイオニアとして有名な「ロックランザ(アラン)蒸留所」。
そのフラグシップボトルが、アランモルト10年です。
1stフィルのバーボン樽で熟成された原酒をメインに使用、シェリーホグズヘッドで熟成された原酒をバランスよくブレンドしています。
リコリスや砂糖漬けのレモンピール、シナモン、トロピカルフルーツのような甘く華やかな香りが特徴。
ストレートやロックはもちろん、ハイボールもおすすめです。
- バランスが良く、フルーティで飲みやすい。
- 樽のニュアンスがしっかりと表れているため、ノンチルの特徴がわかりやすい。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 50% |
樽 | バーボン樽、ワイン樽など |
熟成年数 | ‐ |
アイラ島の湧き水やスコットランド産大麦100%使用などテロワールにこだわるブルックラディ蒸留所のフラグシップボトル。
アイラ島ながらノンピートで作られており、フルーティでフローラルなエレガントさが特徴です。
アルコール度数50%とハイプルーフですが、口当たりがなめらかで奥深い余韻がお楽しみいただけます。
によりストレートやロック、ハイボールなど幅広く活躍できる一本です。
- 高アルコール度数なのに、フルーティで飲みやすい。
- ボトルデザインがおしゃれ。
- すっきりしているけど、奥深い味わいが楽しめる。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | スコットランド・アイラ島 |
アルコール度数 | 46% |
樽 | アメリカンオーク(バーボン樽) (1stフィル & 2ndフィル) |
熟成年数 | 10年 |
カルト的な人気を誇るアードベッグ蒸留所のフラグシップボトル。
バーボン樽で10年以上熟成された原酒を使用し、ノンチルフィルタード(冷却ろ過をしていない)・アルコール度数46%でボトリングされています。
アイラモルトらしい強烈なスモーキーフレーバーとトロピカルフルーツのような香り、繊細な甘みが特徴です。
2008年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
- スモーキーながらしっかりとした甘みがあるので、親しみやすい。
- スモーキーさの奥にしっかりとした奥深いコクが楽しめる。
ジャンル | ブレンデッドウイスキー |
---|---|
生産国 | 日本 |
アルコール度数 | 50% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | ‐ |
富士御殿場蒸留所が追求する理想の味わいを熟成のピークを見極めた原酒で実現させたフラグシップウイスキー。
同蒸留所自慢の3タイプのグレーン原酒
- バーボンタイプ(ヘビー)
- カナディアンのフレーバリングウイスキーに近いタイプ(ミディアム)
- スコッチグレーンタイプ(ライト)
に加えて華やかなモルト原酒をバランスよくブレンドしています。
コクのあるバニラの甘い香りに華やかでスムースな味わいが特徴。
まったり家で飲みたいおすすめの甘口ウイスキーです。
- 深い余韻と絶妙なバランスが楽しめる。
- 樽のニュアンスは強いけど、バランスがいい。
ジャンル | シングルモルト |
---|---|
生産国 | アメリカ・シアトル |
アルコール度数 | 46% |
樽 | 新樽 1stフィルバーボン樽 1stフィルシェリー樽 2ndフィルシェリー樽 |
熟成年数 | 3年4か月以上 |
ワシントン州シアトルからアメリカンウイスキーにシングルモルト市場の開拓をしてきたウエストランド蒸留所。
10年以上にわたる取り組みの集大成として誕生したフラグシップボトルが、「ウエストランド アメリカンシングルモルト」です。
ナッツやチョコレートのようなコクのある香りに甘くなめらかな口当たり、深い余韻が特徴。
スコットランドのモルトウイスキー造りに忠実ながら、アメリカのフロンティア精神を持ち合わせたシングルモルトです。
- チョコレートのような深いコクが楽しめる。
- 樽の芳醇さがウイスキーの味わいとして表れている。
最後に……
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか。
ノンチルフィルタードのウイスキーは、「樽のニュアンスがしっかりと表れやすい」という特徴があると思います。
このようにノンチルフィルタードのウイスキーをまとめてみると、さらにその特徴がわかりやすいのではないでしょうか??
ボトラーズなど、もっとマニアックなウイスキーを見ていくとノンチルフィルタードのウイスキーはたくさんあります。
またオフィシャルでもまだ紹介していない銘柄もあるので、随時更新していこうと思います!!
それでは『良いウイスキーライフ』を!!!
また次回もよろしくお願いいたします。
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