テロワールにこだわる『アイラの革命児』ブルックラディ蒸留所 Bruichladdich Distillery

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ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

 

今回のお話は

「ブルックラディ Bruichladdich 蒸留所」

について

 

ブルックラディ蒸留所は、

  1. ブルックラディ(ノンピート)
    青りんごのような爽やかでフルーティな味わいが特徴
  2. ポートシャーロット(ヘビーピート 30~40ppm)
    スモーキーかつフルーティなフレーバーが特徴
  3. オクトモア(ウルトラヘビー 80~300ppm)
    焚火のようなヘビーなスモーキーさが特徴

の3タイプのウイスキーを製造しています。

 

ウイスキー製造に深いこだわりを持ち、唯一無二の製法で多くのウイスキーファンを虜にしているウイスキー蒸留所です。

今回は、『ブルックラディ Bruichladdich』蒸留所の特徴、ストーリー、製法を見ていこうと思います!!

 

ブルックラディ Bruichladdich蒸留所について

 

ブルックラディは、アイラ島にある蒸留所。

インダール湾をはさんで反対側にはボウモア蒸留所があります。

そして、2005年に誕生したキルホーマン蒸留所ができるまではアイラで最も西にある蒸留所でした。

 

ブルックラディ Bruichladdichはゲール語で「海辺の丘の斜面」という意味。

 

2001年の再操業以来、ワインで一般的な「テロワール」の考えをウイスキーに取り入れた蒸留所であり、
新しいことにチャレンジし続けている「革命児」です。

 

ブルックラディ Bruichladdichのストーリー

ブルックラディの創業は1881年と意外と歴史のある蒸留所

創業者はハーヴェイ3兄弟(資料によっては兄妹

 

彼らはグラスゴーにある当時スコットランド最大規模の蒸留所・ダンダスヒルの経営者であり、
最新鋭のアイラモルト蒸留所としてブルックラディを建設しました。

 

創業当時から個性的なアイラモルトを特徴としたブレンデッドウイスキーを多くリリース。

人気を博していたそうですが、1929~1937年に生産停止を余儀なくされます。

 

 

そこから幾度となくオーナーが変わりますが、1994年JBB社(ホワイト&マッカイの親会社)がインバーゴードン社から買収。

直後に閉鎖となり、その後ウイスキーがつくられることはほとんどありませんでした

 

再稼働は不可能といわれ、蒸留所消滅の道をたどる運命かと思われたとき、ブルックラディの救世主が現れます。

それが、

ワインやウイスキーボトラーズとして活躍していた

マーク・レイニエーとサイモン・コフランのマーレイマクダビット社と、

元ボウモア蒸留所で働いていた「ウイスキー界の伝説の男」と呼ばれている

ジム・マッキューワンです。

 

両者が中心となってJBB社からブルックラディを買収。

2001年春に再オープンしました。

この蒸留所の復活劇は「ウイスキー・ドリーム」という本にもまとめられています。

よかったら見てみてください!!

 

ブルックラディの復活劇に世界中のメディアが取り上げていましたが、中でも最も注目されたのが「テロワール」の概念をウイスキー界に持ち込んだことです。

 

「テロワール」とは?

原料・こだわり・気候・風土などその土地ならではの性格を取り込んでいくこと

ワインや紅茶、コーヒーではメジャーな言葉となっていますが、
ウイスキーではあまり使われることがなかった言葉であり考え方でした。

ワインビジネスを長年行ってきたマークとサイモンは、ウイスキー業界に「テロワール」の概念がないことに驚いたそう。

スコッチウイスキーという名前は大々的に知れ渡っていたのに、
原料の大麦はほとんどがイングランドやアイルランドなど“外国産”でした。

 

今でも大規模になると海外産の大麦を使うことが多いです。

マークとサイモンは初めにすべての原料をスコットランド産にすることから始めていきました

 

はじめに本土含めたスコットランド産の大麦のみを使うようにし、アイラ島で大麦の栽培が可能かどうか調べ始めます。

するとはるか昔にはアイラ島でも大麦が栽培されていて、
19世紀以降そのほとんどが畜産に変わってしまったことがわかりました。

 

マークとサイモンは一軒一軒農家を回って説得していったそう。

 

今ではブルックラディでの使用量の約半分ぐらいをアイラ産の大麦で賄っています。

他にもこの蒸留所はヴィクトリア時代の蒸留所設備そのまま、現在主流のコンピューター制御でのウイスキー造りは導入しなかったそう。

昔ながらの製法でウイスキーがつくられています。

 

また蒸留所の設備はボトリングまで一貫して行えるようになっています。

さらに今フロアモルティング設備(自家製麦設備)も検討中なのだとか。(2023年に稼働を目指しているそう。。)

2012年にフランスのレミーコアントロー社が買収した後もこのこだわりは貫いています

 

個人的に好きなストーリー!!『イエローサブマリーン事件』

ブルックラディは2001年の再建以降驚くほど多彩な商品を展開しています。その種類なんと200種越え!!

そのほとんどが限定品です。

 

3D、インフィニティ、ブラッカースチルなど様々ありますが、
中でも個人的に好きなストーリーがイエローサブマリーンです。

 

2005年アイラ島全体を騒がせるとある事件が起きました。

 

地元の漁師がいつのように漁をしていたところ、謎の物体が発見します。

その物体をよくよく確認してみると、潜水艦だったそう。

どこかの軍関係のものらしく、港まで曳航し引き上げました。

 

これにアイラ島内が大騒ぎとなります。

写真を撮るもの、ビートルズのイエローサブマリーンをかけて飲み食いするもの、海外からの侵略を唱えるものなど……

このことを地元新聞が取り上げたところ、今度は英国中が大騒ぎとなりました。

ついに英国海軍が口を割ります。この潜水艦は英国海軍が極秘に作っていた最新鋭の潜水艦で、実験中に行方不明になっていたものだったそう。

 

yaffee
英国海軍の英知の結晶といえるものだったのでなかなか口を割らなかったそうです。(笑)

海軍がこの潜水艦を引き上げに来た際、ブルックラディは1991年物のボトル6本を船長に進呈したそう。

その時にこのラベルに発見された潜水艦の写真を張り、記念としてとして限定リリースも行ったそうです。

すごく思い切ったことしますよね。。(笑)

ストーリーは好きなのですが、まだ飲んだことなく、これからも飲めるのかどうか。。。

ここだけの話、このウイスキーがまだあるよっていう情報求めてます!(笑)

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ブルックラディ Bruichladdichのこだわりの製法

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ブルックラディは前記したようにテロワールへのこだわりが強く、また大麦の品種にもこだわっています

現在の優良品種であるオプティック種からコンチェルト種、さらに古代品種のベア種の仕込みも行っています。

 

このベア種で仕込みを行うとアルコールの収集量は減ってしましますが、古代品種独特の香りや現在の品種には出せない味というものが出てくるそうです。

 

最近、試験的にアイラ産ライ麦と大麦を使ったライウイスキーの仕込みも行っているみたいです。

 

一仕込みに7tの麦芽(ベア種は5.5t)を使い、糖化していきます。

糖化槽は創業当時から使っているオープン式のもの。これで3万5000ℓの麦汁を得ます。

発酵槽はオレゴンパイン製のもので計6基。

時間は72~110時間と仕込みによって変えているそうですが、やや長めですね

ポットスチルはアイラ島でも珍しい細身なストレートヘッド型のもので、ここからアルコール度数68%のニューメイクを得ます

この蒸留所のユニークなところが、このニューメイクのアルコール度数そのまま樽詰めされるところ。

通常ウイスキーの樽詰めは63%に加水調節して樽詰めされます。

これは63%が樽の成分を最も抽出しやすい度数だからだそうです。

 

ただブルックラディは68%ぐらいで樽詰めされます。

これは伝説の男ジム・マッキューワンの考えで、

「我々はウイスキーを熟成させるのであって
水を熟成させるつもりはない。」

のだそうです。

 

yaffee
だからこそこの蒸留所の繊細でエレガントな特徴が生まれているのかもしれないですね。

ブルックラディのメインの使用樽はバーボン樽ですが、アメリカンオークの新樽なども使うことがあり、また限定製品用に様々な樽を使用しているそうです。

またブルックラディにはアクセント程度に赤ワイン樽で熟成させた原酒も使われています。

 

ブルックラディは透明感を大事にしている蒸留所で、実はどの樽の原酒をどのくらい使用したかレシピを公開しています!!

同じ味にあるようにボトルごとに変えているレシピを、コードによって調べられるようになっているようです!

今度ブルックラディを購入したときにご紹介しようと思います!!

 

また、10年以上も前からブルックラディ蒸留所はボトリング設備を持っていて、アイラの水を使って加水調節してからボトリングを行っています。

 

ブルックラディ Bruichladdichのラインナップ

ブルックラディ ベアバーレイ
4.5

アイラモルトの中で革命的なモルトウイスキーを造っているブルックラディ。

爽やかなフルーティさが特徴のアイラモルトですが、古代品種「ベア種」の大麦を使った「ベアバーレイ」はかなり焼き立てのパンや麦芽の甘みを感じる一本となっています。

価格帯

9000~10000円

アルコール度数

50%

容量

700ml

特徴

アイラの革命児

原産国

スコットランド

yaffee

このウイスキーは特にモルティなフレーバーを感じるウイスキー!!

コクがあって芳醇
個人的にはストレートが好きですが、ロックで楽しむのもおすすめです。

アロマ 4.7
フレーバー 4.5
余韻 4.3

 

ポートシャーロット 10年
4.1

アイラモルトの革命児『ブルックラディ』蒸留所で造られているヘヴィーピートなシングルモルトウイスキー。

強めのスモーク香にフローラルな香り。オレンジやココナッツのフレーバーと熟成たマンゴーのような余韻が楽しめる一本です。

価格帯

5000~6000円

アルコール度数

50%

容量

700ml

特徴

フローラルでスモーキーなアイラモルト

原産国

スコットランド

yaffee

強めのスモーク香と華やかな香りが楽しめる一本

特にオススメはロック!
アルコール度数は高いですが、口当たりがいいです。
また氷が解け徐々に加水されていくことで変化が楽しめます!!

アロマ 4.1
フレーバー 4.2
余韻 4

 

オクトモア
4.1

伝説のウルトラヘヴィリーピーデッドウイスキー!!

他を寄せ付けない最強のピート感が味わえるモルトウイスキーです!!
強いスモーキーフレーバーが楽しめますが、クセはそこまで強くないです。

どちらかというと焚火や炭のようなニュアンス。

※リリースごとにピートの度合いや度数が変わります。

蒸留所データ

創業……1881年

創業者……ハーヴェイ3兄弟

オーナー会社……レミーコアントロー社

年間生産能力(100%アルコール換算)……150万ℓ

仕込み水……オクトモア農場の湧き水

使用麦芽……スコットランド産大麦100%(うち42%程度がアイラ産)

発酵槽……オレゴンパイン6基

発酵時間……72~110時間程度

ポットスチル……初留釜2基、再留釜2基

ミドルカット……Alc.68%

生産区分……アイラ島

 

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