蒸留所データ
創業……1812年
創業者……エライジャ・ペッパー
オーナー会社……ブラウンフォーマン
マッシュビル……トウモロコシ72%、ライ麦18%、大麦麦芽10%
発酵槽……イトスギ製4基
発酵時間……約6日間程度(モロミAlc9%)
ポットスチル……初留釜1基、再留釜1基、中留釜1基
ウッドフォードリザーブ Woodford Reserve蒸留所について
ウッドフォードリザーブはケンタッキー州最古の蒸留所といわれています。
そしてケンタッキー州で毎年5月に開催されるアメリカの競馬最高峰のイベント「ケンタッキーダービー」(2020年は9月5日開催予定)の公式バーボンとなっています。
会場ではウッドフォードリザーブで作られた「ミントジュレップ」というカクテルが大人気!!
1日に数万杯も売れるそうです。
このウッドフォードリザーブはそのままでも香り高くまろやかで絶品バーボンですが、カクテルベースにするとより真価が発揮されます。
「オールドファッションド」や「マンハッタン」など世界中で人気の高いカクテルのベースとして最も使われているそう。
ウッドフォードリザーブは世界中のバーテンダーの方から選ばれています!
まろやかな味わいがほかの材料を引き立ててつつ、ちゃんとウッドフォードリザーブのスパイス感やウッディなニュアンス、華やかな香りが残りやすいことが選ばれている理由ではないでしょうか。
最近では、クラシカルなカクテル以外にもコーヒーやお茶を使った創作的なカクテルのベースにも人気が高いです。
バーボンがそんなに得意ではない方も楽しみやすいウッドフォードリザーブ。
こちらの記事ではそのストーリーとこだわりの製造方法について詳しくまとめていこうと思います。
ウッドフォードリザーブ Woodford Reserveのストーリー
1812年エライジャ・ペッパーが小さな農場蒸留所としてウッドフォードリザーブを創業。
2代目のオスカー・ペッパーになり、商業的な蒸留が始まります。
はじめは自分か、周りの人たちだけが楽しむためのウイスキーだったんでしょうね。
この時は「オールド・オスカー・ペッパー蒸留所」と名乗っていたそうです。
1878年3代目の時ラブロー&グラハム社に売却。(この時にラブロー&グラハム蒸留所に改名)
断続的に操業することで禁酒法時代(1920~33年)を乗り切ります。
1941年ブラウンフォーマン社が買収。
しかし、1959年ブラウンフォーマン社がこの蒸留所を閉鎖してします。
この時ブラウンフォーマン社は最先端設備のアーリータイムズとブラウンフォーマンの二つの大きな蒸留所を持っていました。
さらにジャックダニエルを買収したばかり。
正直、新しい蒸留所自体はいらなかったようですね。
すべての設備とバレルは運び出されて、畜産農場となったそう。
1971年には近所の農家に売却。
この時幸運なことに建物の取り壊されませんでした。
もしここで建物が取り壊されていたら、今のウッドフォードリザーブはなかったかもしれないですね。。
1993年にブラウンフォーマン社が買い戻した時には売却した時と同じ状態だったそうです。
この時に導入されたのがバーボンでは珍しい3基の単式蒸留器(ポットスチル)。
スコットランドの大手スチルメーカー「フォーサイズ社製」のものです。
ブラウンフォーマン社がこの蒸留所を買い戻した時、同社は
“世界中の人を満足させられるような豊潤で複雑なフレーバーのバーボンがこれからのバーボンを切り開いていく存在となるだろう。“と考えます。
そこから導き出された案の一つがポットスチル蒸留だようです。
バーボンでポットスチルを使い3回蒸留を行うのが、このウッドフォードリザーブ最大の特徴となっています。
1994年9月にこのポットスチルから最初の原酒が生まれました。
以降、「手造り、小規模、高品質」の元祖クラフトバーボンウイスキーとして知られ、味に確かなトップバーテンダーを中心に世界中に広まっていきました。
2003年「ウッドフォードリザーブ」に改名。さらにそのままでもカクテルでも楽しめる高品質なバーボンとして認知されていきます。
すっごいかわいいウッドフォードリザーブの名猫「エリヤ」
この蒸留所には「エリヤ」というすっごくかわいい“ウイスキーキャット”がいました。この蒸留所に訪れたお客さんがエリヤのあまりの可愛さに食べ物をくれるので、ハンティングがすごく下手くそだったそう。(笑)
ただ「エリヤ」目当てに蒸留所に訪れる方もいたみたいで、マスコットとして蒸留所に貢献していました。
2014年に老衰で亡くなってしまった時には、世界中の多くの人がSNSでその追悼を行いました。
ウッドフォードリザーブ Woodford Reserveこだわりの製造方法
ウッドフォードリザーブは、豊潤で複雑なフレーバーのスーパープレミアムバーボンを作り続けています。
このようなウイスキーをつくるため、それぞれの工程に散りばめられたこだわりを見ていこうと思います。
ライ麦を多く使うことで、スパイシーで力強い味わいに!!
比率はトウモロコシ72%、ライ麦18%、大麦麦芽10%と、同社製でアメリカンウイスキーNo.1の「ジャックダニエル(コーン80%、大麦麦芽12%、ライ麦8%)」よりライ麦比率が高いです。これによりスパイシーで力強い味わいとなるそうです。
サラブレット・ホースを育てる良質な水が仕込み水!!
仕込み水はこの辺一帯でよく使われるライムストーンウォーター。その中でも湧き水を使っているそうです。
特にウッドフォードリザーブ周辺の水はカルシウム分が多いらしく、この水で育った牧草を食べた馬は骨太になるのだとか。
サラブレット・ホースを育てるための牧草(ケンタッキーブルーグラス)に貢献しているミネラル分豊富な水を、ウッドフォードリザーブは仕込み水に使用しています。
こだわりの発酵工程!!
さらに発酵には、管理の大変な木桶を使います。
バーボンでは、こことメーカーズマーク、フォアローゼスぐらい。
この木桶発酵によりフルーティな味わいとフレッシュさが生まれるそうです。
ウッドフォードリザーブはさらにこの発酵槽で6日間発酵させます。
また、バーボンでは通常何種類ものオリジナル酵母を組み合わせることが多いですが、ウッドフォードリザーブは1株の酵母のみを使用しているそう。
ブラウンフォーマン研究所で最も古い酵母株をもとに大切に受け継いできたそうです。
最大特徴!!バーボンでは珍しい単式蒸留器!
そしてここが最大の特徴とも言えるポットスチルでの蒸留。
通常のバーボンはビアスチルとダブラーという2つの連続式蒸留機を使って作られます。
連続的に蒸留が行えるので、24時間ずっと稼働することもできます。
ウッドフォードリザーブはあえてこの連続式蒸留機は使わず、ポットスチル(単式蒸留器)を使うことを選びました。
これにより豊潤な香りでありながら上品で優美なバーボンを作ることができたそう。
樽と熟成には深いこだわりが……!
また使用樽はジャックダニエルと同じ自社製樽工場のもの。
こだわりの樽にウッドフォードリザーブを詰め、熟成庫で熟成させます。
この時にスピリッツの温度が30℃になるまでヒーターで熟成庫内の温度を上げ、外気でゆっくり冷ますという工程を年間5~6回程度行うそうです。
これにより、エンジェルズ・シェアと暖房代が通常の倍になるそう。(笑)
ただ全体の温度を上げることで蒸散するのはほとんど水分。アルコール分と香味成分が濃縮されていくらしいです。
ラインナップ
ウッドフォードリザーブ
香り豊かでまろやかな味わい、スパイシーさとフルーティで華やかな印象か特徴かと思います。
そのまま飲んでもおいしいバーボンですが、カクテルに使うとよりこのウイスキーの魅力を発見できると思います。
ウッドフォードリザーブ ダブルオーク
「2度、2倍熟成させたウッドフォードリザーブ」
通常のウッドフォードリザーブ用の樽より4倍長いトーストをし、さらに直火で焦がした(チャー)した樽を2回目の熟成に使用しているそうです。
より上品で豊潤な味わい。長い余韻が楽しめます。
ウッドフォードリザーブ ライ
マッシュビルがライ53%、モルト14%、コーン33%で作られたウッドフォードリザーブのライウイスキー。より一層スパイシーで力強い味わいを楽しむことができます。
ちなみに僕はこれで作ったマンハッタンが好きです!!
最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。
ウッドフォードリザーブの話いかがだったでしょうか
この記事が面白かった・よかったと思ったらランキングまたは、はてなアカウントをお持ちの方は「はてなブックマーク」へのご協力をお願いいたします。