400年の歴史を刻む蒸留所。モルトにこだわるアイリッシュウイスキー ブッシュミルズ蒸留所 Bushmills Distillery

ブッシュミルズ Bushmills蒸留所について

ブッシュミルズは北アイルランド、アントリム州にある蒸留所。

1608年にイングランド王ジェームズ1世から蒸留免許を与えられた由緒ある土地にあります。

そこから『世界最古の蒸留所』ともいわれています。

(公式の創業は1784年のため、1775年創業のスコットランドの「グレンタレット」の方が古いです。)

1850年代から多くのアイリッシュウイスキーの蒸留所がモルト以外の穀物を使ったポットスチルウイスキーを作っていました。

ところが、ブッシュミルズは昔からモルトウイスキーにこだわり、ずっとモルトウイスキーブレンデッドウイスキーを作り続けています

それもシングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーが同じブランド名というかなり珍しいウイスキーです。

それがヒットしているのですが、正直初心者にはわかりにくいですよね。。。w

そこで今回はブッシュミルズのストーリーやこだわりに触れつつ、ブッシュミルズで飲み比べるのに最適な3本をご紹介したいと思います。

ブッシュミルズ Bushmillsのストーリー

世界最古の蒸留所??

ブッシュミルズは北アイルランドのアントリム州にある人口1500人程度の小さな村の名前です。

この名前は近くを流れるブッシュ川と小さな水車小屋が由来だそう。

この村は紡績産業が盛んな土地で、紡績工場がたくさんあったそう。

1608年、州の領主サー・トーマス・フィリップスが、この紡績工場の跡地にイギリス国王ジェームズ1世(兼スコットランド国王ジェームズ6世)から蒸留免許を受領しました。

ただ蒸留が行われていたかどうかは定かではないです。

1743年には実際にウイスキーの蒸留(密造)が行われていた記録があるみたいですが、それがブッシュミルズだったという記録もないです。

ブッシュミルズ』として正式に稼働し始めたのは1784年になってから。

「世界最古の蒸留所」ともいわれていますが、

正確には「世界最古の蒸留免許を取得した由緒ある土地にある蒸留所」という感じです。(ややこしい。。。)

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ブッシュミルズのオープン

1784年に創業した『ブッシュミルズ』。

当時は世界最古の蒸留設備で蒸留を行っていたそう(建て替えられている話もあります。)。

しかし、1885年火災により、建物が焼失します。

再建のために呼び出された建築家が、チャールズ・ドイグ氏。

彼はグレンバーギを処女作に

ダルユーイン、グレンファークラス、ダルウィニー、バルブレア、ノッカンドウ、アバフェルディ、プルトニー、ハイランド パーク、ダフタウン、タリスカー、グレンキンチー、スペイバーン、ベンローマック、アベラワー

といったそうそうたる蒸留所の設計を行ってきたスコッチウイスキー蒸留所設計の第一人者

パゴダ屋根の発明が彼の設計した蒸留所の特徴で、外観のデザイン性と麦芽の乾燥の効率化を可能にした造りです。

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元々北アイルランドはスコットランドとのつながりが深く、アイリッシュよりスコッチに近いウイスキーを目指したからだそうです。

1923年にベルファストの酒商サミュエル・W・ボンドが買収します。

しかし二次世界大戦後、所有者が転々とします。

1972年にはIDG(アイリッシュ・ディスティラリー・グループ)の一員になり、北のウイスキーを一括して作るようになったそう。

1988年にIDGがペルノリカール社の傘下となりますが、2005年にディアジオ社に売却。

ところが、2014年に突如ディアジオ社が売却を発表します。

その先はなんと大手テキーラメーカーの「ホセ・クエルボ社」

クエルボ社はブッシュミルズでウイスキーへ参入することとなりました。

今後テキーラ大手のホセ・クエルボ社がどうブッシュミルズを運営していくのか。また今度どうウイスキー業界に参入してくるのか楽しみですね。。

ブッシュミルズ Bushmillsのこだわりの製法

ブッシュミルズはモルトウイスキーを作り続けています。

それもアイリッシュ伝統のノンピートの3回蒸留で作られています。

まずブッシュミルズの仕込み水は近くを流れるブッシュ川の水源「セント・コロンバの泉」です。

セント・コロンバといえば、アイルランド出身でスコットランドや北イングランドにキリスト教布教の中心地となったアイオナ修道院を創設した人物です。

また、初のネッシーの目撃者ですww

そんなセント・コロンバ、ゆかりの泉が仕込み水のようですね。

そして使われる麦芽は100%アイルランド産のもの

昔から地元の特性を生かすため、地元産も原料にこだわっていたそうです。

またスムースな飲み口を目指すため、ノンピートで仕上げています。

地元産の麦芽を丁寧に糖化。

その後50時間かけて発酵させ、アルコール度数8%のもろみに仕上げるそう。

(やや発酵時間は短め)

そして小さめの蒸留器で3回蒸留をし、アルコール度数70~80%まで上げていきます。

3回蒸留を行うことで軽やかな味わいへとなっていきます。

また熟成が早くなるそうです。

その原酒をバーボン樽からシェリー樽、またポートワイン、マデイラ、ラムなど厳選した高品質で個性豊かな樽に詰めて熟成されます。

ブッシュミルズは穀物の処理からボトリングまで一貫して蒸留所内で行えるようにしています。

それは変わらぬ伝統とさらなる革新という考えの元

Grain of Glass(蒸留所に由来する地域の原料を使い、製造の全工程を一貫して管理する製造スタイル)」

のウイスキー造りにこだわっているためだそうです。

穀物の香り、スムースで飲みやすいブッシュミルズの特徴はここから生まれているのかもしれないですね。

初心者でも親しみやすい味わいからブッシュミルズは、アイリッシュウイスキーNo.3のブランドとなっています。

ただブッシュミルズはグレーンウイスキーの製造は行っていないそう。

そのためブレンデッドウイスキー用もグレーンウイスキーだけはアイルランド南のミドルトン蒸留所に特別注文したものを使用しているそうです。

ラインナップ

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上でも書いたようにブッシュミルズはシングルモルトもブレンデッドウイスキーも同じブランド名です。

一見するとわかりにくいですが、

ぜひ

ブッシュミルズ・オリジナル、ブラックブッシュ、ブッシュミルズ10年の3本で飲み比べてみてください。

ブッシュミルズ・オリジナル Bushmills  original

ブッシュミルズの中でも一番スタンダードなブレンデッドウイスキーです。

ライトでスムース。フレッシュ果実のような味わい。

ただモルト比率は50%とかなり高い比率となっています。(通常30%ぐらい)

 

ブラックブッシュ  Bushmills Black bush

こちらもブレンデッドウイスキーですが、オロロソシェリー樽とバーボン樽で7年以上熟成させた原酒を使用した一本

さらにモルト比率は80%とかなり高く、グレーンウイスキーも少量生産のこだわったものらしいです。

オリジナルと打って変わってかなり重厚感のある仕上がりで、ベリー系な果実のフレーバーが楽しめると思います。

ブッシュミルズ10年 Bushmills 10yo

ブッシュミルズのシングルモルトで最もスタンダードなもの。

バーボン樽で10年以上熟成させた原酒のみを使用したウイスキーで、はちみつやバニラのような甘い香りが特徴的です!

軽やかで初心者でもかなり飲みやすいシングルモルトかと思います。

この3本を飲み比べてみると面白いと思いますが、

余力がある方はこちらも試していただきたいです。

ブッシュミルズ12年 Bushmills 12 yo

こちらもシングルモルト。

オロロソシェリー樽とバーボン樽で12年以上熟成させた原酒をさらにマルサラワイン樽で熟成させた一本

最初の香りがすごくいいです。

穀物の香りからバニラや黒糖のような甘いニュアンスの香りを感じます。

飲んでみるとスっとすぐに体になじんでしまうほどスムース

ヘビーなスコッチが好きな人には物足りないと思いますが、最初の一杯や休憩の一杯、家飲みにオススメです!

蒸留所データ

創業……1784年

オーナー会社……ホセ・クエルボ社

仕込み水……セント・コロンバの泉

使用麦芽……アイルランド産100%

発酵槽……ステンレス製8基

発酵時間……50時間程度(モロミAlc8%)

ポットスチル……10基

生産区分……アイルランド

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