元紡績工場の珍しい蒸留所『ディーンストン Deanston』!そのストーリーと特徴を解説

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本日もお越し頂きありがとうございます!!

学生時代、意外と家庭科の成績だけは良かったウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

 

今回のテーマは「ディーンストン Deanston」についてです!!

 

ディーンストンは、香り豊かなライトボティでバニラとナッツのニュアンスが特徴

比較的マイナーなウイスキーですが、品質ははかなり高いシングルモルトです!!

 

ウイスキーを飲み慣れていない方でも美味さがわかりやすい銘酒だと思います!!

個人的にもかなり好きな銘柄の一つです。

 

 

今回はそんな「ディーンストン」について、比較的詳しく見ていこうと思います!!

 

 

目次

ディーンストン Deanston蒸留所について

 

ディーンストン

 

 

ディーンストンはスコットランド・トロサック地方のティス川ほとりにある蒸留所。

スコットランド版ロビンフット『ロブ・ロイ』の物語の舞台としても有名な地域です。

 

 

スコットランドの蒸留所は、
元密造の兼業農家・元ビール工場・元製麦所から蒸留所に生まれ変わった例はたくさんあります。

 

ただディーンストンは元紡績工場と蒸留所の歴史としてはかなり異質

この建物自体1785年と歴史のある建築物です。

 

「産業革命の父」リチャード・アークライドによって建てられました

全盛期には1500人もの従業員を抱える大工場で、紡績工場を中心に産業コミュニティが形成されていたそう。

 

独自貨幣を発行していたり、スコットランド初のガス灯を設備していたりと当時では、
かなり先進的なコミュニティだったそうです。

 

第二次産業革命で軽工業の衰退や2つの大戦で廃れていき、コミュニティも過疎化していきました

 

そして戦後アメリカでのブレンデッドスコッチブームに乗る形で、ウイスキー産業に参入していきます!!

 

ディーンストンの紡績工場のように、歴史的建築物は取り壊すことができません。

 

この蒸留所は元紡績工場の見た目をそのまま残しているそう。
一見ウイスキーを造っているようには見えないですww。

 

 

ただこのレンガ造りの紡績工場が、実はウイスキーの熟成に最適なのだとか。

温度と湿度を一定に保つ必要があったこの建物が、ウイスキーの熟成庫として大活躍します。

 

今では、

  • マル島の「トバモリ―」蒸留所
  • アイラ島の「ブナハーブン」蒸留所

の原酒の一部も熟成しているそうです。

 

ディーンストン Deanstonのストーリー

 

ディーンストン蒸留所は1965年、戦後のスコッチブレンデッドブームの時期に誕生します。

紅茶商であり工場のオーナーであったジェームズ・フィンリー社と、
タリバーディン蒸溜所のオーナーであるブロディ・ヘップバーン社が手を組んでできた蒸留所。

 

2つの会社が戦後で過疎化してきていたディーンストン村の町興しとして、
ディーンストンディスティラーズ社を設立しました。

 

歴史的経緯もあり、建物はスコットランドの産業遺産に登録されています。

過去には昭和天皇も訪れたそうです。

 

ウイスキー界に参入して、6年後の1971年オールド・バノックバーンという名前で初のシングルモルトをリリースします。

[sitecard subtitle=バノックバーンとは? url=https://www.yaffee.work/entry/history-scotland target=_blank]

 

しかし、1980年代のウイスキー蒸留所過多によるウイスキー不況の影響を受けてしまうことになります。

1982年、ディーンストン蒸留所も8年間の閉鎖を余儀なくされます

 

 

その後1990年にバーン・スチュワート社が買収。

翌91年から操業再開しました。

 

そこから現在に至るまでバーン・スチュワート社の傘下となっています。

 

ディーンストン Deanstonのこだわりの製法

 

実はディーンストン蒸留所は電力を自給自足する蒸留所

水力発電で、蒸留所内の電力とその周りのコミュニティの電力も賄っているそうです。

こういった面もかなり珍しい蒸留所ですね。

 

こういった電力供給と60年代にできた蒸留所ということで、結構新しい設備な印象を受けると思います。

ところが、意外にもアナログな作り方をする蒸留所だそうです。

 

生産能力300万ℓと中堅規模の蒸留所ですが、コンピューター制御はしていないそう。

製造の記録は今でも手書きで管理されているそうです。

 

職人気質を守っている蒸留所のようですね。

 

大麦はすべてスコットランド産。一回の仕込みに10.5tもの麦芽を使うそう。

 

そこから60000ℓの麦汁を得ます。

この時の糖化も大きな鋳鉄製の糖化槽で長い時間をかけて行うそう。

非常に澄んだ麦汁を作っているそうです。

 

 

そこからコーテン鋼(銅を含む鉄の合金)に樹脂をコーティングした発酵槽に移され、80~100時間かけて発酵させていきます。

イーストはケリー社のドライイーストで、発酵後のモロミのアルコール度数約7~8%。

 

こうしてできたもろみをバルジ型のポットスチルで蒸留していきます。

蒸留時間は初留5時間、再留7時間程度。

ハート(本留部分)のアルコール度数は69.5%ぐらいと一般的なオペレーションです。

 

 

そして熟成に移っていきます。

使用される樽はバーボン樽がメイン。

ほかにもホグスヘッドやシェリーバットなども使われるそう。

yaffee
ナッツのニュアンスとバニラの香りはここからきているのかもしれないですね!!

 

紡績工場跡地の熟成庫でゆっくり熟成の時を過ごすそう。

 

こうしてできたウイスキーは、冷却ろ過を行わないでボトリングされます。

こだわりのウイスキーの味わいをそのまま味わっていただきたい。そんな思いを感じます!!

 

ディーンストン Deanstonのラインナップ

 

 

ディーンストン 

 

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ディーンストン Deanstonの蒸留所データ

 

 

創業……1965年

創業者……ジェームズ・フィンリー社とブロディ・ヘップバーン社

オーナー会社……バーン・スチュワート社

年間生産能力(100%アルコール換算)……約300万ℓ

使用麦芽……スコットランド産麦芽

仕込み水……ティス川の水

発酵槽……コーテン鋼製8基

ポットスチル……初留釜2基、再留釜2基(両方バルジ型)

生産区分……南ハイランド

 

帰属:アイキャッチ画像

Eileen Henderson, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • id:santa-baking さん>コメントありがとうございます!!
    そうですね!!
    レンガ造りがウイスキーにピッタリだったみたいです!!

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