『グレンスコシア Glen Scotia』!そのストーリーと特徴を解説

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Lirazelf, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 

本日もお越し頂きありがとうございます!!

ウイスキーの街に住んで、体が許す限りずっとウイスキーを飲んでいたいウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

 

今回は、かつてのウイスキーの街“キャンベルタウン”にあるもう一つの蒸留所「グレンスコシア Glen Scotia」についてです!!

 

スタイリッシュな細長いボトルのグレンスコシア。

「グレンスコシア Glen Scotia」は、

濃厚なキャラメルやバニラの香りに、ベリー系のフルーツのニュアンス

潮感のあるスパイシーな余韻が特徴のウイスキーです。

 

かつてのウイスキーの中心地“キャンベルタウン”にある蒸留所で、

キャンベルタウンで生き残った2つの蒸留所(「スプリングバンク」「グレンスコシア」)の一つ。

 

ちょっと前まで幾度かオーナーが変わり、不安定な状態でした。

ただここ最近は安定して供給されています。

 

 

目次

グレンスコシア Glen Scotia蒸留所について

 

かつてのウイスキーの街“キャンベルタウン”にあるモルト蒸留所。

この町は、かつてウイスキーとニシン漁で栄えていた街でした。

全盛期には一つの街に30を超える蒸留所があったそうです。

 

しかし、時代の流れとともにウイスキー蒸留所は閉鎖、ニシン漁も不漁となりどんどん街は衰退していきました。

 

一時期のキャンベルタウンには、スプリングバンクとグレンスコシアしか生き残っていない状態となってしまいました。

 

今では、「スプリングバンク」、「グレンスコシア」、「グレンガイル(製品名はキルケラン)」と3つの蒸留所があります。

 

キャンベルタウンモルトウイスキーの特徴は、ほかにはない独特な潮感とスモーキーさ、濃ゆい味わい

ファンからは特に人気なウイスキー生産地となっています。

 

その生産地で生き残ってきた「グレンスコシア」。

ここ最近は、安定して供給できるようになり、日本でもよく見かけるようになりました!!

 

グレンスコシア Glen Scotiaのストーリー

 

グレンスコシアは、1832年に創業。

 

スプリングバンク蒸留所が操業して4年後にオープンしました。

 

創業者はガルブレイス家

このガルブレイス家の家族経営は19世紀末まで続いたそうです。

 

グレンスコシア創業当時のキャンベルタウンはウイスキーで大きく栄えていました

特にキャンベルタウンモルトウイスキーは人気で、需要に応えるべく多くの蒸留所が稼働していたそうです。

 

人口5000人ほどの小さな街に、記録に残っているだけで33の蒸留所があったそうです。

 

当時キャンベルタウンに蒸留所を所有していた人は、みな街を見下ろす大豪邸を建て、協会に寄付を与えるまでになっていたそうです。

 

そして彼らは農家や麦芽業者、製粉業者、樽職人だけでなくピートの採掘者、鉱夫などに対しても雇用を与えていました。

そのため、蒸留所所有者を妬む人はいなかったそう。

街全体が潤っていました。

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しかし、この街に大きな時代の荒波が襲ってきます。

 

第一次世界大戦から各家庭は節約を余儀なくされ、嗜好品にかけるお金は減少

また、キャンベルタウンモルト蒸留所を支えていた燃料源「ドラムレンブル炭鉱」が枯渇

これにより安価な燃料源を入手できなくなりました

 

さらに、世界大恐慌アメリカ禁酒法によるアメリカ市場の喪失……。

 

キャンベルタウンモルトは、今までの価格帯を維持できず、切り詰めた状態でモルトを作っていたそう。

この時、切迫した状況から粗悪なウイスキーを造ってしまう業者も現れ、粗悪なキャンベルタウンモルトウイスキーが流通

多くのブレンダーたち、そして世界中のウイスキーファンからの信用も失ってしまいました

yaffee

苦しい状況だろうと妥協して中途半端なものを造ってしまうと、ファンを失ってしまう。
どんなことでもそうでと思います。
ここだけは絶対に裏切ってしまってはいけないポイントですよね。

 

その結果、1929年には3つの蒸留所しか残っていない状態となってしまいます。

 

ついには耐え切れず1930年にグレンスコシア蒸留所も閉鎖

 

当時オーナーだったダンカン・マッカラムは、借金苦からキャンベルタウンロッホ(街に面した入江)から身を投じたそう。

それ以来、『キャンベルタウン・ロッホにはダンカンの幽霊が出る』というのは有名な話です。

 

1933年、新たに蒸留所の購入者が現れ、グレンスコシア蒸留所は復活。

それと引き換えにスプリングバンクと残ったもう一つの蒸留所が閉鎖されてしまいました。

 

そのため、キャンベルタウンにはスプリングバンク蒸留所とグレンスコシア蒸留所のみとなります。

 

 

その後、グレンスコシアはオーナーが幾度の変わりながらなんとか稼働している状態でした。

1979~82年にかけて100万£を投資して蒸留所の大改修が行われますが、その2年後には閉鎖となってしまいました。

 

そしてグレンスコシアは復活と閉鎖を繰り返す蒸留所となってしまいました。

 

 

そんなグレンスコシアに転機が訪れたのは、2014年!!

ハイランドの有名蒸留所オーナー“ロッホ・ローモンド社”がグレンスコシア蒸留所を買収します。

 

巨額の投資をして、蒸留所を大きく改修。新マネージャーを配置して、スチルも入れ替えたそう。

そして、製品ラインナップも一新。

味わいも変わり、より味わい濃さとアクセントのソルティ感のバランスがいいウイスキーに変わっていきました。

 

 

現在、ロッホ・ローモンド社は、香港資本のヒルハウス・キャピタルマネージメント社が買収。

ヒルハウス・キャピタルマネージメント社の子会社として運営しています。

 

今後のグレンスコシアに注目ですね。

 

今キャンベルタウンモルトの危機!?

 

ただし、今キャンベルタウンのウイスキーに再びの暗雲が立ち込めています。

 

それは、

  • イギリスのEU離脱
  • コロナ騒動

です。

 

キャンベルタウンモルトの消費の多くは、ヨーロッパ各国です。

EU離脱の影響で、シェアの半分を有するヨーロッパ市場を大きく減少させかねない状態となっています。

 

また、ボトルやコルクなどの経費もかさんでしまう可能性が出ているそうです。

最近のスプリングバンクの大幅な高騰は、ヨーロッパで買占めの動きができているのかなと思います。

 

また、コロナ騒動による打撃も重なると大きなダメージとなってしまう可能性があります。

 

質の高いキャンベルタウンモルト。

何とかファンとして守っていけることはないか考えてきたいと思っています。

 

 

グレンスコシア Glen Scotiaのこだわりの製法

 

グレンスコシアの使用麦芽はスコットランド産のみだそう。

その麦芽を使い、クロスヒル湖の水と地下水でウイスキーを仕込んでいます

 

8時間じっくりと時間をかけて糖化

 

コーテン鋼の発酵槽で70時間ほど発酵

2基のポットスチルで蒸留していきます。

 

熟成のメインはバーボン樽が使われています。

 

【ウイスキーの製造をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!】

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グレンスコシア Glen Scotiaのラインナップ

 

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グレンスコシア Glen Scotia蒸留所データ

創業年 1832年
創業者 ガルブレイス家
オーナー会社 ヒルハウス・キャピタルマネージメント(ロッホ・ローモンド)社
年間生産能力(100%アルコール換算) 約80万ℓ
使用麦芽 スコットランド産
仕込み水 クロスヒル湖の水と地下水
ポットスチル 初留釜1基、再留釜1基
生産区分  スコットランド キャンベルタウン

 

最後に……

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか?

 

スコットランドの蒸留所が持っているストーリーは逆境に負けないで、栄光をつかみ取ってきた歴史が多いですよね!

 

なんだか勇気をもらえる気がします!

 

ストーリーを知るだけで、そのウイスキーがより深く感じます。

 

ぜひ、おつまみにストーリーを楽しみながらウイスキーを傾けてみてはいかがでしょうか。

それでは良いウイスキーライフを

また次回もよろしくお願いします!!

 


 

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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