世界で一番売れているアイリッシュウイスキー「ジェムソン Jameson」!!その特徴とストーリーを徹底解説!!

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本日もお越し頂きありがとうございます!!

最近『ジェムソン Jameson』のうまさに再び気付かされたウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o

世界で最も売れているアイリッシュウイスキーの「ジェムソン Jameson」。

ウイスキーを普段飲まれない方でも見たことあるって方は多いのではないでしょうか。

お値段も安く、飲みやすい味わいから初心者からも人気の高いブランドで、飲んだことある人も多いと思います。

僕も「ウイスキー」をそこまで知らなかった時によく飲んでいました。

ただその時は「飲みやすいお酒だな~」ぐらいな印象しかありませんでした。

そこからさまざまなウイスキーを飲んでいって、いつの間にか「物足りないウイスキー」って位置づけになっていました。

ところが、ある時同僚からブラインド(銘柄を隠した状態)で、このウイスキーを出され飲んでみた時、

思いのほか味わい深くわからなかったということがありました。

改めて飲んでみてもジェムソンの飲みやすいスムースな感じはあります。

ただ柑橘フレーバーやシリアルのニュアンスなど様々な香り・味わいが楽しめて改めて『ジェムソン Jameson』のうまさに感動しました。

そこで今回はジェムソン Jamesonについてそのストーリーと特徴など詳しく解説していきます。

僕なりに深堀し、ジェムソン Jamesonの魅力を伝えられたらと思います!!

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目次

「ジェムソン Jameson」について

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「ジェムソン」はアイルランドの南の町コーク郊外のミドルトン蒸留所で作られているアイリッシュブレンデッドウイスキーです。

アイリッシュブレンデッドウイスキーとは、

アイルランドで作られているブレンデッドウイスキーで、モルトウイスキー、ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキーのいずれか2つをブレンドしたウイスキーのこと。

アイリッシュウイスキーについての詳しい説明はこちらをご参照ください!

ミドルトン蒸留所は年間6500万ℓものウイスキーを造っている超大規模な蒸留所。

ジェムソン以外にも、パワーズ、パディー、レッドブレストなど多くのメジャーブランドを作っています。

特にポットスチルウイスキーに注力して作っているらしく、ユニークな限定ボトルも多くリリースしています。

その蒸留所で作られているジェムソンは、ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーを半々でブレンドされているそう

通常連続式蒸留機で作られることの多いグレーンウイスキーですが、ジェムソンは単式蒸留器で3回蒸留をして作られたグレーンウイスキーをブレンドしているそう。

そのため、通常のブレンデッドウイスキーより穀物の香りが強いように感じます。

青リンゴやライムのような香りにシリアルのニュアンス、飲みやすくスムースな口当たりがジェムソンの特徴

その特徴はポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーのバランスからくるものだと思います。

その飲みやすさと味わいから、ジェムソンはアイリッシュウイスキーの70%シェアを誇っている堂々No.1のブランドとなっています。

ジェムソンのストーリーは順風満帆

ではなく、それどころか不運まみれの波瀾万丈な運命でした。

ジェムソン Jamesonのストーリー

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ジェムソンはもともとダブリン市内にあったボウストリート(オールド・ジェムソン)蒸留所で作られていました。

創業者はジョン・ジェムソン

彼はスコットランド出身で、彼の妻の親戚が営んでいたボウストリート蒸留所がジェムソンの前身です。

蒸留所のストーリーを見ていく前にこのジョン・ジェムソンについてみていこうと思います。

「ジョン・ジェムソン」という男

ジョン・ジェムソンはスコットランドのローランド、アロアという町で生まれました。

ジェムソン Jameson」のラベルにもあるジェムソン家の紋章には、楯の上に帆船が描かれています。

これはジェムソン家の先祖が西海岸で海賊を捕まえたことから、その功績がスコットランド国王からたたえられ帆船が授けられたそう。

このエピソードに由来し、紋章に帆船が描かれるようになったそうです。

その紋章の下に書かれているラテン語「Sine Metu」はジェムソン家のモットー。

恐れるものなし」という意味だそうです。

まさにアイリッシュNo.1のジェムソンらしいモットーですよね!!

そんなジェムソン家に生まれたジョン・ジェムソンがアイルランド、ダブリンに来たのは1770年のこと。

彼は故郷スコットランドのクラックマナン州で州長官まで務めた男だそう。

新たな投資先として成長著しかったアイルランドのダブリンにやってきました。

彼の妻マーガレット・ヘイグはジョン・ヘイグの長女。

ヘイグ家といえばブレンデッドスコッチの人気銘柄「ヘイグ(ディンプル)」を作った家系で、ジョン・ヘイグは現ディアジオ社のグレーンウイスキー製造拠点「キャメロンブリッジ蒸留所」を建設した人物。

スコッチ界に『ヘイグ帝国』を築いたウイスキー名門家系です。

その二人がダブリンに来て訪れた先は、ヘイグ家の親戚であるジョン・スタインが運営するボウストリート蒸留所でした。

このスタイン家もまたウイスキー界で名門の家系で、イーニアス・コフィの前に連続式蒸留機を開発した人物、ロバート・スタインが親族です。

ジョン・ジェムソンはジョン・スタインから蒸留所を譲り受け、自身の蒸留所をオープンさせます。

この時ジョン・ジェムソンには4人の息子がいたそうです。

長男はスコットランドに戻りクラックマナン州の長官になり、二男は父の名(ジョン・ジェムソン)を継いで蒸留業を手伝ったそう。

この流れは4代続くジェムソン家の伝統となっていきました。

ジョン・ジェムソンは二男とともに1880年代にして従業員300人以上、年間生産量450万ℓ程度の「ジェムソン帝国」を築いていきます。

州長官という立場に甘えることなく、「恐れるものなし」の精神で「ジェムソン Jameson」というブランドを高めていったジョン・ジェムソンという男。

彼が今後の『ジェムソン帝国』の発展を確信しつつ、この世を去ったのは1823年のことでした(享年83歳)。

彼の亡骸はスコットランド、アロアのジェムソン家の墓地に埋葬されたそうです。

ジェムソンを苦しめた巨大な2つの勢力

19世紀、世界トップの生産量を誇る蒸留所となったジェムソン

その栄華も長くは続きませんでした。

ジェムソン含めアイリッシュ全体の衰退は、2つの巨大な勢力が原因で起こります。

それはイギリスアメリカです。(厳密にいうと自国アイルランドの影響もあります。)

20世紀にはいるとアイルランドは、イギリスからの独立運動が激化。

1916年のイースター蜂起から独立の気運が高まり、ついには1919年から独立戦争へと発展していきます。

そして1922年アイルランド自由国としてイギリスから分離することになりました。

しかしこの独立の影響で、当時世界中の市場を牛耳っていた大英帝国の商圏から締め出されてしまいます。

その結果、アイリッシュウイスキーは多くのシェアを失うことになります。

さらに追い打ちをかけたのが1920~33年のアメリカ禁酒法です。

大英帝国の商圏から締め出されたアイルランドは特にアメリカ依存の強い国になっていました。

そのアメリカからのシェアも失い、多くの蒸留所がつぶれていきました。

この時アイルランド国内でも禁酒の動きがあったことも衰退の大きな原因となっています。

そしてアイリッシュが衰退しているときに、大きく発展していったのが「ブレンデッドスコッチ」です。

ブレンデッドスコッチの誕生でアイリッシュはほとんどのシェアを失ってしまいました。

アイリッシュNo.1であり、当時世界No.1 ブランドの「ジェムソン」。

さらに独立地域の首都ダブリンで作られていた「ジェムソン」は特に影響を受けた蒸留所だと思います。

徐々に事業縮小し、1966年にはIDC(アイリッシュ・ディスティラーズ・カンパニー)の傘下に。

1971年には操業停止し、そのままボウストリート蒸留所は閉鎖となりました。

「ジェムソン」のブランドは同じダブリンのジョン・パワー社に引き継がれ、コークにできた「ミドルトン蒸留所」で作られることとなりました。

母体の会社もウイスキー大手のペルノリカール社となったことでかなり持ち直し、今では世界のウイスキーランキング第11位となっています。

ただこの順位はインドの謎ウイスキー(糖蜜原料のウイスキー)も含めた順位で、それを抜かしたらジョニーウォーカージャックダニエルジムビームに次ぐブランドになっています。

ラインナップ

ジェムソン スタンダード

ジェムソンのブランドの中で最もスタンダードなボトル。

ライトでスムースかなり飲みやすく初心者にオススメなウイスキーです。

クセの強いスコッチシングルモルト好きには物足りないかもしれませんが、もう一度しっかりと味わってみると、昔飲んだ時より完成度が高く感じるウイスキーだと思います。

その感動は個人的には「角瓶レベル」ww

青リンゴの香りや穀物のニュアンス。ライムのような爽やかさが楽しめるウイスキーだと思います。

ジェムソン ブラックバレル

内側をしっかりと焦がした「ブラックバレル」を使用したジェムソン。

こちらはかなりナッツのニュアンスが強く、やや濃厚な味わいです。

芳醇で余韻も心地いいウイスキー。

かなり満足度の高い一本だと思います。

ジェムソン スタウトエディション

スタウトビールを熟成させていた樽で熟成させたジェムソン。

スタンダードに比べて、黒糖やカカオ、コーヒーのようなニュアンスにやや芳醇な余韻

ただ飲みやすさはそのままで、初心者でも楽しめると思います。

ハイボールにしてもいいですし、ストレートやロックでもおいしい一本。

ぜひ楽しんでいただきたいと思います!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか。

また今回の記事が、面白かった、ためになったと思っていただけたら嬉しいです。

また次回もよろしくお願いいたします。


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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • id:santa-baking さん>いつもコメントありがとうございます!!
    蒸留所のストーリーって面白いもの多いですよね!!

  • id:zarugawa さん>コメントありがとうございます!!
    この言葉かっこいいですよね!!

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