ジャパニーズウイスキーの定義決定! …だから、何? 定義化される意味とは?

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本日もお越し頂きありがとうございます。

ジャパニーズウイスキーのビックニュースに心躍っているウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。 (@TW0GPYU3yMS7N3o
 

本日のテーマは「ジャパニーズウイスキーの定義」について!!

 

かねてより、ジャパニーズウイスキーの定義化されてほしいと切に思っていました。

そして今回!

あくまで「日本洋酒酒造組合」の自主基準ですが、「ジャパニーズウイスキーの定義」が発表されました!!

[blogcard url=http://www.yoshu.or.jp/statistics_legal/legal/independence.html]

 

ただ、ウイスキーファンの皆様から見たら「だから何?」と思った人多いのではないでしょうか??

  • 「元々ジャパニーズウイスキーかどうかなんて気にして飲んでなかった。」
  • 「好みの蒸留所で、ウイスキーを決めていたから今更ジャパニーズウイスキーの定義か決まっても……」
  • 「ジャパニーズウイスキーの定義が決定したけど、なんか意味があるの??」

といった意見をよく目にします。

 

ただ僕から見たら、ジャパニーズウイスキーの定義が決定したことはすっごく大きなニュースです!!

 

3年の猶予がありますが、もしこの定義が反映されたら国内外で販売されている「ジャパニーズウイスキー」が大きく変わると思います。

 

それはなぜか?

その理由を僕なりに解説させていただきます!!

 

目次

ジャパニーズウイスキーの定義とは??

ジャパニーズウイスキーの自主規定

ジャパニーズウイスキーの定義について

日本洋酒酒造組合:ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準より引用)

 

製法においてこの基準を満たしていないと「ジャパニーズウイスキー」と名乗ることはできません。

また、

  • 「ジャパニーズ ○○ ウイスキー」
  • 「日本ウイスキー」
  • 「ジャパンウイスキー」

こういった表記も、製造基準を守っていないと使えません

 

さらに、

  • 日本の地名、山岳名、河川名など
  • 日本を連想させる人名
  • 日本国の国旗や元号

なども使用禁止です!

 

ただし、例えば「※この商品はジャパニーズウイスキーの基準を満たしていません。」といって表記があった場合、日本の地名や人名、元号などを使うことができます

 

この定義は、2021年4月1日から施行されるそうです!

 

 

外国産でも「ジャパニーズウイスキー」!?
今までのジャパニーズウイスキーの定義

 

今までのジャパニーズウイスキーがどういう状態だったかというと、実はほとんど定義はありませんでした。あるのは酒税法で定められている「ウイスキー」の定義のみです。

イ) 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)

ロ) 発芽させた穀類及び水によつて穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)

ハ) イ又はロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの
(イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る。)

日本関税協会:酒類の分類及び品目と酒類の定義より引用)

これが、酒税法で定められている日本のウイスキーの定義です。

 

イ)はモルトウイスキーのことを指し、ロ)はグレーンウイスキーのことを指しています

そして注目すべきは、ハ)の内容!!

 

実は、9割混ざりものでも「ウイスキー」と呼ぶことができます

 

つまり、ほかの5大ウイスキー産地では「ウイスキー」と呼べる最低条件の原酒が、10%しか入っていなくても日本では「ウイスキー」です

 

その定義を利用して、低価格帯のウイスキーでは、「ウイスキー」のまがい物のようなものが横行。

海外でもほぼ「ウイスキー」が入っていない「ウイスキー」がジャパニーズウイスキーとして販売されていました

 

また、「日本国内で製造」といった表記はありません

つまり、外国産の輸入ウイスキー100%でも
「ジャパニーズウイスキー」と呼ぶことができました

 

外国産「ジャパニーズウイスキー」も実はたくさんリリースされています。

 

ウイスキーファンなら有名な情報です。

しかし、ウイスキーを普段飲まない人にとっては、こういったウイスキーでも「ジャパニーズウイスキー」です。

いきなり、外国産「ジャパニーズウイスキー」だよって紹介されても消費者は混乱してしまいますよね。

 

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ジャパニーズウイスキーの定義化!
ただ何が変わるの??

 

この度、「日本洋酒酒造組合」が定めた「自主基準」について、

日本洋酒酒造組合としては、これまで培ってきたウイスキーづくりの評価を毀損することなく、ジャパニーズウイスキーの定義を明確化し、国内外に明らかにすることによってお客様の混乱を避けるとともに、日本で独自に進化してきたウイスキーの価値を引き続きお客様に訴求することで、さらなる業界発展に繋げたいと考え、議論を進めてきました。

ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準施行にあたってより引用)

 

と述べています。

 

その上で僕の考えとしては、

  1. ジャパニーズウイスキーの生産者が守られる。
  2. ウイスキーを飲み慣れていない方にとって「ジャパニーズウイスキー」がわかりやすくなる。
  3. 日本国内の「ウイスキー」全体の発展につながる。

 

こういったメリットがあると思います。

 

「ジャパニーズウイスキー」を生産している業者が守られる??

 

例えば、「ジャパニーズウイスキー A」と「ジャパニーズウイスキー B」という新しいウイスキーがあったとします。

そして製品の情報は一切公開されていません

 

ただ「ジャパニーズウイスキー A」は、本格的な作り方をした3000円のウイスキー

ジャパニーズウイスキー B」は、混ざりもの90%の1000円のウイスキーとします。

 

価格と「ジャパニーズウイスキー」しか情報がないです。

果たしてどっちの方が売れると思いますか??

 

もちろん「ジャパニーズウイスキー B」ですよね。

 

価格しか情報がなく、同じ「ジャパニーズウイスキー」だとしたら安い方を選ぶ人が多くなると思います。

 

「全くウイスキーの知識がないけど、なんか「ジャパニーズウイスキー」が話題だし買ってみるか。」

こう思い、「ジャパニーズウイスキー」を購入しに来た人にとっては、
本格的な作り方をした「ジャパニーズウイスキー」も、混ざりもの90%の「ジャパニーズウイスキー」も同じ「ジャパニーズウイスキー」です。

「だったら初めてだし、安いジャパニーズウイスキーにしよう」と考えると思います。

 

そうなると「本格的な作り方」をしている「ジャパニーズウイスキー A」の生産者は損してしまいますよね。

 

「ジャパニーズウイスキー」がわかりやすくなる??

 

もし定義がない状態で、まったくウイスキーを知らない人にジャパニーズウイスキーを説明するときどう説明しますか??

 

僕にとって、今までこれがかなり大変でした。

なぜかというと「日本で作られたウイスキー」という説明には、大きな語弊があったからです。

 

外国産のウイスキー100%でも国内でブレンドまたはボトリングしていれば、「ジャパニーズウイスキー」と呼ぶことができました

 

「外国産ジャパニーズウイスキー」

いかにも混乱してしまうワードですよね。

 

多くの食品でも同じようなことが行われています。

海外産のものを地元も海で放流。

その後すぐに水揚げし、「○○産」と謳うものも多いです。

 

ただし、

定義でこのような製品を「ジャパニーズ」と名乗れなくしてしまえば、曖昧さが回避されます

 

すると、誰でも「ちゃんと国産のジャパニーズウイスキー」を選ぶことができます。

特にこれからクラフト蒸留所のウイスキーが多数リリースされてきます

 

今、ウイスキーファンでも国内の新しい蒸留所をすべて追い切れている人は少ないです。

全く知らない銘柄のウイスキーがどんどん出てきます

 

このタイミングで定義化してなかったとしたら、もっと「外国産ジャパニーズウイスキー」がリリースされていたのではないでしょうか??

 

さらに、国産クラフトウイスキーと曖昧な名称の「外国産ジャパニーズウイスキー」がリリース

新商品のウイスキーで国産ウイスキー市場は、ぐちゃぐちゃな状態になってしまったと思います。

 

日本国内の「ウイスキー」全体の発展につながる!?

 

初心者がウイスキーを選ぶとき、どうしても価格基準で考えてしまうと思います。

 

自分もそうでした。

初心者にとって、はじめて手に取って試してみた商品で「その商品」のすべてが決定してしまいます

 

もし初めて手に取った出会いのウイスキーが安い「外国産混ざりもの90%のジャパニーズウイスキー」だったら、
その人にとってそれが「ウイスキーの味」です。

 

それで、「ウイスキー」自体が苦手になってしまうということも起きると思います。

それに「ウイスキーは悪酔いする」こういう結論に至ってしまう可能性があります。

 

 

そういったイミテーションのウイスキーが完全規制されることは難しいと思います。

ただ「ジャパニーズウイスキー」として出回ることがなくなるだけでも大きな進歩です。

 

 

最後に……

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか??

 

今注目されている「ジャパニーズウイスキー」。

そしてこれからどんどんこだわりの製法で作った日本生まれのウイスキーがたくさん誕生していきます

 

その中で、「決まり」がないと新しく誕生した「ジャパニーズウイスキー」の芽を摘んでしまうかもしれません

 

どういった今回の定義化に様々な意見がありますが、
ぼくはこのタイミングでの定義化はすごくいいタイミングだったかなと思います。

 

もしこのままいっていたら国産ウイスキーは、「外国産国産ウイスキー」と「純粋な国産ウイスキー」が乱立し、大混乱になっていたかもしれません

 

まだあくまで「日本洋酒酒造組合」の自主基準です。

スコットランドやアイルランド、アメリカ、カナダのように国の法律で決まっているわけではありません。

 

ただ、スコッチウイスキーもすぐに今のような「ウイスキーの法律」ができたわけではありません。

様々な事件や問題を経験して今のスコッチウイスキーの法律、そしてブランド力ができあがりました。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://www.yaffee.work/entry/whiskyfukyou target=_blank]

 

「ジャパニーズウイスキー」というブランド力が強くなるかどうかはこれからです。

 

ぜひこれからの「ジャパニーズウイスキー」の未来に乾杯しつつ今日もウイスキーを楽しんで行こうと思います!!

 

それでは良いウイスキーライフを!!

また次回もよろしくお願いします!!

 

 

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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