Yaffee's Whisky Blog

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今女子人気急上昇中のGIN、ジンとは?


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ジンとは



EUの規格では、「ジュニパーベリーで農作物由来の(96%以上で蒸留した)エチルアルコールを風味付けしたスピリッツ」となっています。

 

つまりジュニパーベリーを使用し、ジュニパーベリーの香りがあるということが必須条件で、「農作物由来」なのでベースが穀物でもブドウでもリンゴでもジャガイモでも構わないません。

 

ではなぜジュニパーベリーが必要なのか?これがないとジンとは呼べないのか?歴史から見ていこうと思います。

 

ジンの起源 

 

まず、ジンというものの起源は諸説あるが、1660年オランダの医師フランシスクス・シルヴィスが作った解熱・利尿用薬用酒イェネーバ(Jenever/英ジェネーバ)が起源。

もともと解熱・利尿作用など薬として知られていたジュニパーベリーの効果を摂取しやすいようにアルコールに抽出し薬用酒としてものが、普通に飲んでもうまかったので一般浸透していきました。1689年にイギリスにも持ち込まれ、この際に名前も短く「ジン」と呼ばれるようになったそうです。

 

つまりジンは楽しむためのお酒としてではなく、もともと薬として生まれたもの。しかしその後、暗い時期を迎えることとなります。

 

ジンは劣悪な酒というイメージがつけられてしまうことになります。18世紀の産業革命前後のロンドンには労働者が多く流入していました。そのなかでスラム街のようなものが形成されていたのだが、ジンは値段が安い割にアルコールが高く、酔いが早いことから低所得者の中で人気となります。その低所得者たちのジン中毒ともいえる現象が多発しました。

19半ばにはジンとそれに関する社会悪に関心が高まり、アンチ・スピリッツ運動へと発展していきます。ジンは労働者や庶民の酒、ひいては「不道徳な酒」というイメージがあり、貴族や裕福な紳士、健康的な人が飲むのもではないとされていました。

 

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当時のロンドン情勢がよくわかる、 健康的は「ビール通り」と悪徳にまみれた街「ジン横丁」が描かれたウィリアム・ホガースの銅版画



 

 

一方で、現在まで続くドライ・ジン銘柄「タンカレー」の創業者チャールズ・タンカレーが、1830年高級なジンづくりを志し、ロンドンに蒸留所を立てます。彼が尽力を尽くしたこともあり、これ以降ジンの品質やイメージはよくなっていきました。

また、1831年にイーニアス・コフィーのパテントスチル(連続式蒸留機)が登場し、ジンの製法・仕上がりが大きく変わることなります。以前までは単式蒸留で粗いスピリッツのベースから香り付けして作られていましたが、連続式蒸留機により、純度の高いニュートラルスピリッツが造れるようになり、そこにジュニパーベリーなどのボタニカルをまぜて単式蒸留で香味を抽出し仕上げるようになりました。その結果、飛躍的に雑味の少ないジンを作ることができるようになり、これが今日の「ドライ・ジン」となります。

 

それから21世紀に入り、とある兄弟が200年ぶりにロンドンにジンの蒸留所を建てます。それが今日のジンブームの火種となったシップスミス蒸留所です。これがきっかけで小さい蒸留所で個性的かつ高品質なジンが人気になり、「クラフトビール」をもじって「クラフトジン」と呼ばれるようになりました。2008年までイギリス国内に12か所しかなかったジン蒸留所が、2018年までには450か所以上にもなっています。

またウイスキーが原酒不足やウイスキーの蒸留所建設ラッシュにより、多くのウイスキー蒸留所がウイスキーができるまでの期間の資金調達のため、ジンの生産に参入することにもなり、ジンが世界的なブームとなっています。

日本でも、もともとほぼ皆無だったジャパニーズジンの輸出が2年間で焼酎を超え、蒸留酒としてはジャパニーズウイスキーに次ぐ輸出額となっっています。

 

 

<ジンの種類>

種類名 概要
コンパウンド・ジン ベーススピリッツにジュニパーベリーとその他スパイス、ハーブを漬けたもので、これ以上蒸留は行わない。香料や香味食材の使用が許可されている。
バスタブ ジン
など
・ディスティルド・ジン ベーススピリッツにボタニカルを漬け込み、そのうえで再留を行う。再留後に香料や精油などの添加が許されている。 ヘンドリックスジンなど
・ロンドン・ドライ・ジン 再留まではディスティルド・ジンと同じだが、再留のアルコール度数が70%以上と定められていて、香料や精油の添加が許されていない。再留後スピリッツの添加や砂糖の添加(1ℓ当たり0.1gまで)は認められているが、色素の添加は認められていない。 タンカレー ジン ビーフィーター ジン
・オールドトム・ジン ドライ・ジン以前のジンで雑味を抑えるために、砂糖を加えて甘めに作ったジン。数値は定められていない。 ヘイマン オールド トム ジン
・ジュネバ、オランダ・ジン 原型に近いジン。原料を糖化、醸造した液体に副材料を加え、単式蒸留する。
ボルス ジュネヴァ ジン
・シュタインヘーガー 生のジュニパーベリーを発酵させて作られるドイツのジン。ドライ・ジンより控えめな風味を持つ。
シュリヒテ シュタインヘイガー

 

<ロンドンジンの作り方>

ロンドンジンには2つの作り方があります。

・浸漬法

ボタニカルを直接ベーススピリッツに漬け込む方法。

96%のベーススピリッツを40~60%まで加水して、ボタニカルを漬け込む方法で、ベネット型というポットスチルを使います。

 

・ヴェイバーインフュージョン

バケット法)

 蒸留の際に生まれる蒸気をボタニカルの入れた金属の容器の中に通し、抽出する方法。バケットはラインアームに取り付けることが多いです。カーターヘッド型というかごを取り付けることができるポットスチルを使います。

 

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 <代表的なボタニカル>

・ジュニパーベリー  必須!!

・種子系…コリアンダー、カルダモン、クミンなど

・根系…アンジェリカ、リコリス、オリスなど

・木皮系…ジンジャー、シナモン、カシスなど

・柑橘の皮(ピール)系…レモン、グレープフルーツ、オレンジなど

 

それ以外に各メーカー独自のレシピで個性的はジンを造っている。中には海藻を使ったジンもあります。


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