本日もお越しいただきありがとうございます。
ウイスキーの次にラムを愛する料理人Yaffeeです。
今回のお話は、「ラム酒の分類」について
ラム酒って料理好きな方なら「お菓子によく使うお酒」って印象があると思います。
ただ、実は一口にラムと言ってもその種類はたくさんあることご存じでしたか?
主にラムは、
- 作り方による分け方
- 熟成期間による分け方
- 産地・系統による分け方
の3つの分け方があり、その中にもさらに分類されていきます。
そしてそれぞれに特徴や楽しみ方が変わってくるので、ラムの分類がわかるとラムがより楽しくなると思います。
今回は、そんなラムが楽しくなる分類について詳しく解説していきます!!
本日もお越しいただきありがとうございます。ウイスキーの次にラムが好きなウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。(@TW0GPYU3yMS7N3o) 今回のお話は「壮絶で残酷な歴史のある南国[…]
今回の記事でわかること……
- ラムの分け方・分類
- それぞれのラムの特徴
ラム酒の分類
導入でも書かせていただいたように、ラムには3つの分け方があります。
それは……
- 作り方による分け方
- 熟成期間による分け方
- 産地・系統による分け方
そしてそこから……
- 作り方による分け方
……トラディショナル、アグリコール、ハイモラセス - 熟成期間による分け方
……ホワイト、ゴールド、ダーク - 産地・系統による分け方
……フランス系、イギリス系、スペイン系(内陸、島もの)
とさらに分かれてきます。
それぞれに特徴が異なり楽しみ方も変わってくるので、ラムの分類はラムを知るうえでぜひ押さえておきたいポイントです。
一つ一つ解説していこうと思います。
【ラムの分類】作り方による分け方
ラムには主に3つの作り方があります。
それは……
- トラディショナル
- アグリコール
- ハイモラセス
ただ、この3つの違いは特に特徴がわかりやすいものなので押さえておきたいポイントです。
トラディショナル
さとうきびジュースのうち結晶化するものが砂糖となります。
そして砂糖を作ると、結晶化しない糖蜜(モラセス)という副産物が出来上がります。
いわば、黒蜜!!
黒蜜もこの「糖蜜」の一つです。
伝統的なラムでは、このモラセスを発酵、蒸留させてラムを作ります。
9割のラムがトラディッショナル製法です。
もともとラムが砂糖の副産物であったことからこれが伝統的な製法でした。
ほとんどのラムはこの作り方で作られるので、一般的なラムといえば「トラディショナル」になります。
ラムの定番「バカルディ」もトラディショナル製法です。
アグリコール
カリブ海で砂糖よりラムの需要が高くなった時代に開発された製法です。
サトウキビを絞った100%サトウキビジュースに酵母を加えて発酵させ、蒸留しラムを作ります。
19世紀にフランスの植民地で確立した方法でフランス海外県のマルティニーク、グアドループ、ギアナ、レユニオンでよく行われています。
ただサトウキビの収穫時期にしか、アグリコール製法のラムを作ることができません。
フレッシュなサトウキビジュースからラムを作るので、ややハーブなどの草っぽいクセのある味わいが特徴となっています。
特に熟成させていないホワイトラムだとその特徴がわかりやすいので、アグリコールラムはホワイト~ゴールドが多い傾向があります。
ハイテストモラセス
トラディショナルとアグリコールのハイブリット的な製法です。
さとうきびジュースを腐りにくい糖度まで煮詰めてから保管。
ラムを作るときに加水して発酵、蒸留を行う方法です。
さとうきびジュース100%の風味や味わいをあまり失うことなく、糖蜜と同じように冷蔵保存できるため1年中ラムが製造できます。
この方法は「ロン・サカパ」が有名です。
さとうきびジュース100%の1番絞りを濃縮した蜜「バージン・シュガーケイン・ハニー」
を使った甘く芳醇な味わいとパイナップルから採取した酵母による甘美なアロマが特徴的です。
【ラムの分類】熟成度合による分け方
ウイスキーと違い、ラムには熟成させないホワイトスピリッツも数多くあります。
そのためラムには熟成度合による大雑把な分け方があります。
- ホワイトラム
- ゴールドラム
- ダークラム
この3つの分け方は、どこかで聞いたこともあるって人いると思います。
また名前を聞いただけでもなんとなくわかるかもしれません。
熟成度合の分け方は、見た目で判断できます。
ぜひ参考にしてみてください。
ホワイトラム
基本的に熟成をしていない無色透明なラム。
ラムのほとんどがホワイトラムとして楽しまれています。
クリアで軽い味わいなのでカクテルベースに向いています。
またアグリコールのホワイトラムでは、サトウキビ本来のアロマやフレーバーを楽しむことができます。
そのため、クセは強いですがストレートやロックもおすすめです。
そして、ホワイトラムで例外的存在なのが、最も有名なラム「バカルディ スペリオール」です。
実は、一度アメリカンオークの樽熟成をしてから炭ろ過(チャコールメローイング)をしてホワイトラムにしています。
ゴールドラム
樽で2か月~3年未満熟成したラム。
樽も内側を焦がしていない大樽かバーボンの空き樽を使うことが多いです。
カリブ海で造られたラムを樽に詰めてヨーロッパへ運ばれていました。
3~6か月の船旅中に熟成が進み、風味豊かでまろやかな味わいとなったそう。
そこからラムの樽熟成が始まったといわれています。
ホワイトラムのフレッシュさも残しつつまろやかな味わいが特徴です。
ダークラム
基本バーボン樽などで3年以上熟成したラム。
バーボン以外にもウイスキーカスクやコニャックカスク、シェリーカスクなど様々あります。
深い樽の香りや芳醇な味わいが特徴です。
【ラムの分類】産地・系統による分け方
ラムの主要な生産地である西アフリカ、カリブの島々を含む中南米地域は、
- イギリス
- フランス
- スペイン
の植民地だった歴史があります。
どこの植民地だったかによって蒸留技術が異なり、味わいも変わってきます。
- フランス系ラム→コニャックなどブランデーの技術
- イギリス系ラム→ウイスキーの技術
- スペイン系ラム→シェリーブランデーの技術
自分好みのラムを探すときにヒントになるかと思います。
イギリス系ラム Rum
骨格のしっかりとした深い味わいが特徴。
イギリス系ラムにはスコッチやアイリッシュウイスキーの蒸留技術だけでなく、ブレンド技術も踏襲しています。
単式蒸留器と連続式蒸留機で造られた原酒を使い、製品に合ったブレンドが行われることが多いです。
商品グレードが高いほど単式蒸留で造られた原酒の比率が多いそうです。
特に主な生産地はジャマイカとガイアナ。
ジャマイカラムで有めな「アプルトンエステート」は、21年熟成のものが2019年TWSCで最高金賞を受賞。
ガイアナラムで有名な「エルドラド」は多くにラムファンから支持されていたりと高評価なものが多いように感じます。
イギリス系ラムはウイスキーに精通する口当たりやニュアンスがあるのでウイスキーラバーにもおすすめです。
アプルトン
アプルトンは全体的に香りが豊かなのが特徴。
かなりコスパの味わいのものが多いです
エルドラド
プリンの底の濃厚なカラメル感が特徴。
「木製の単式蒸留器を使用」というモルト好きなら興味を持ってしまう蒸留方法を採用しています。
フランス系ラム Rhum
フランス系ラムにはコニャックの技術が用いられた銘柄が多いです。
またアグリコール製法のラムのほとんどはフランス系ラムです。
さとうきび本来の風味を生かしつつ、コニャックのような香り豊かで繊細な味わいのものが多いことが特徴。
生産者もサトウキビでブランデーを作っているという意識で製造しているため、V.S.O.PやX.Oといった等級表記を使ったりしています。
トロワ・リビエールV.S.O.P
自社農園に流れる3本の川からフランス語で「3つの川」の名前が付けられました。
V.S.O.Pのような熟成の進んだものは、
アグリコール独特の若草のような風味の残しつつ
ドライフルーツやチョコ、たばこ、はちみつのような芳醇で複雑な味わいが特徴。
多くのラムファンを魅了しています。
ラ・マニー
漫画版機動戦士ガンダムでシャア・アズナブルの「坊やだからさ」の名言の時に飲まれていたラム。
ラベルも赤が特徴的な『シャア専用ラム』です。
良質なダージリンのような味わいが心地いいです。
スペイン系ラム Ron
スペイン系ラムは、シェリーブランデーの技術を踏襲しているラムです。
シェリーブランデーはシェリーワインを蒸留して作られるブランデーで、フランスのブランデー造りより歴史が古いとも言われているそうです。
同じスペイン系ラムでも島ものと大陸もので味わいが全然違います。
プエルト・リコやドミニカ共和国など島のものはキューバラムの影響を受け、ライトなラムが多いです。
反対に大陸ものはシェリーブランデーの技術からボディが厚く、どっしりとした甘みが特徴です。
バカルディスペリオール
バカルディスペリオールは、ホワイトラムながら
1年間熟成させたゴールドラムをチャコールフィルターでろ過、
透明に戻すという製法を採用しています。
ほかのホワイトラムに比べて口当たりがよく、バランスの良さが特徴。
カクテルベースとして人気が高いですが、そのまま飲んでも十分楽しめるラムとだと思います。
ディプロマティコ
黒蜜や黒糖のようなどっしりとした甘みながら、
どこか和っぽいニュアンスも感じる極甘のラム。
初めて飲んだらこれが蒸留酒?てなるくらい甘いです。
わらび餅やきなこ棒、抹茶を使ったお菓子などと合わせると絶品です。
【例外】黒糖焼酎はラムの一種??
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか??
ラムには……
- 作り方による分け方
……トラディショナル、アグリコール、ハイモラセス - 熟成期間による分け方
……ホワイト、ゴールド、ダーク - 産地・系統による分け方
……フランス系、イギリス系、スペイン系(内陸、島もの)
といった分け方があり、そのそれぞれの特徴を今回は解説していきました。
ただ「黒糖焼酎」もラムの一種に数えることができるなど、ラムには明確な定義がない分世界中にさまざまな個性を持ったボトルがあります。
正直追いきれないほどにラムの種類は豊富です。
ぜひラムの深い深い世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか??
それではよい酒飲みライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします!!
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