本日もお越し頂きありがとうございます。
実はオールドボトルは、バーで楽しみたい派のウイスキーを愛する料理人yaffee です。
本日のテーマは、「ウイスキー オールドボトルの劣化臭『ひね香』」についてです。
ウイスキーマニアの皆さん。
オールドボトルのウイスキーを買って、時々劣化した風味「ヒネ香」を感じてしまうことはありますよね。
「ハズレ」だったな、とがっかりしてしまった経験したことあると思います。
そして、処理に困ってしまったことありませんか??
昔、とあるバーで「ヒネた(劣化した)オールドのリキュールをカクテルに極少量使うと格段に深みが増す。」と教えてもらったことがあります。
実際にそのカクテルを飲んだ時にびっくりするほど深い味わいでした。
もしかしたらウイスキーでも同じことが言えるのでは??
そう考え、実験してみようと思いました。
その前に「ヒネ香」って何??
「ヒネ臭」とは、ウイスキーに限らずお酒全般に使われる劣化臭のことです。
ウイスキーの場合、プラキャップ・金属キャップ・コルクのカビや劣化・ウイスキーが酸化してしまうのが主な原因のようです。
ウイスキーは味の悪くならないものというイメージがあると思います。
しかしあまりにも長く放置してしまうと、ウイスキーも劣化してしまいます。
口開け半年後からウイスキーの劣化が目立ち始めてくるものもあります。
ウイスキーには、ごく少量の油分が含まれています。
その油分が酸化すると重い廃油の香りだったり、埃っぽい香りだったり、古本・古新聞のような香りになってしまいます。
これが、ウイスキーの酸化が原因で出てくる「ヒネ香」。
プラキャップの劣化はゴム臭い、プラスチック製品の香り。
金属キャップの劣化はサビの香りといった感じです。
今回はこの中でも酸化によって出てくる「ヒネ香」で実験してみました。
「ヒネ香」のするオールドボトルとして……
ある方からヒネ香がかなり気になるウイスキーを分けて頂けることに。
それでこの実験することができました。
今回頂いたのは「オールド ロイヤル 15年 OLD ROYAL Aged 15 years 」
ウイスキー取引業者大手の「バーン・スチュワート社」の子会社「バーン・マッケンジー社」が作ったブレンデッドウイスキーです。
同社は1991年にスコットランドのディーンストン蒸留所を買収。
この蒸留所の原酒によってバーン・スチュワート社とその子会社は多大な好結果を得ることができたそう。
つまり、このウイスキーにはディーンストン原酒が含まれているはず。
そこでまず単体でテイスティングしてみました。
アロマ
黒糖やカラメル・ナッツ・バニラ・クッキーといった香りの中に、紙・アルコール・古本の存在。
コメント
最初にカラメルの香り、ラムに近いようなキビ糖の香りを感じる。
その中にやや「紙かな?」って思うぐらいの香り。
アロマはやや複雑ながらバランスはとれている印象。
飲んでみると最初にカラメルの甘さが広がる。
しかし早めに閉じて一度古本屋へ。
そこからアフターフレーバーと共にカラメル香とやや苦みがやってくる。
そして少しだけスモークが隠れている気がする。
これヒネ香がなければ、美味いウイスキーだと思います。
実際にヒネ香実験をやってみました!!
まず初めに
グレングラント カスクヘブン ロセスクロニクルとブレンド!!
グレングラント カスクヘブン ロセスクロニクル Glen Grant Cask Haven Rothes Chronicles Speyside Single Malt Scotch Whisky テイスティング & ペアリング製[…]
グレングラント20mlに対して2滴オールド ロイヤルを入れたところで深みがやや増しました!!
3滴入れてみたらかなり深みが出ました。
余韻に奥行きが出る感じです。
ヒネ香ウイスキーを普通のウイスキーに少量足したら美味しくなる説は本当かも知れない!!
ただそれ以上いれるとヒネ香が目立ち始めます。
そこで3滴を目安に実験していきました。
続いてスカラバス!!
スカラバス Scarabus アイラシングルモルト Isly single malt whisky テイスティング製品紹介 スカラバス Scarabusはアイラ島に新しい蒸留所を建設したことで有名なスコットランドの名門[…]
同じ条件で3敵入れてみます。
するとスカラバス単体より今度は口当たりのまろやかさ、リッチ感が増しました!!
好みではありますが、圧倒的に高級感があります。
さらにシーバスミズナラ12年、ミズナラ18年、シーバスリーガル18年でも試してみました。
ミズナラ12年は2滴で高級感が出てきます。
リッチな味わいで余韻も心なしか長くなったような……。
しかし!!!
ミズナラ18年と通常の18年は、1滴でお互いの良さが消えてヒネ香が悪目立ちしました。
つまり美味しくなくなりました。
もしかしたら18年程度の熟成の進んでいるものは、美味しくならないのではないのかもしれないです。
最後にデュワーズ、セブンのレジェンダリースコット、ブラックニッカでも試してみました。
デュワーズは1滴でデュワーズの良さでもあるフルーティさが消えます。
リッチにはなるけどフルーティさがなくなったので、全く別物のウイスキーになってしまっています。
深みが弱いので、あまりおいしくなったとはいえません。
反対にレジェンダリースコットは、1滴で深みが出てきます。
同じようにブラックニッカも少しくっきりした味わいになったような気がします。
「ウイスキーのヒネ香」実験まとめ
断言するにはもっとデータを集める必要があります。
ただ、基本的にシングルモルトウイスキーの10年以下・若いウイスキーには有効な方法だと思います。
またNA・若めのブレンデッドウイスキーは有効なものと美味しくなくなるものに分かれるようです。
18年などの熟成年数の進んだウイスキーはブレンドすることで美味しくなくなると思います。
スチル・蒸留器の話でも紹介したように、微量のマイナス要因となる香り・オフフレーバーが入っていると
ものすごくいい香りになるということは香りの科学では常識だそうです。
今回美味しくなくなったウイスキーには、もともと「ヒネ香」と似たようなマイナス要因の香りが入っていたのではないかと思います。
元々そのマイナス要因でバランスをとれていたのではないでしょうか。
そこにヒネ香を足したため、バランスが崩れて悪目立ちしたのかもしれないです。
つまり未熟香の強いウイスキーならもしかしたらうまくバランスがとれるのかもしれない!!
またウイスキーを入手出来次第実験していこうと思います。
それでは良いウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いします!!
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