今回の記事は過去に甘いウイスキーのおすすめ記事で解説しきれなかった「なぜ甘みを感じるのか」についてより深くまとめました。
「なぜウイスキーに甘みを感じるのか」料理人の経験を生かして、徹底解説していこうと思います!!
ウイスキーは糖質ゼロ!!
ウイスキーは、発酵して作られたお酒を蒸留して作られる蒸留酒の一つです。
蒸留とは、沸点の違いを利用して混ざっている液体を分ける方法。
水が100℃で蒸発するのに対して、エタノール(飲用アルコールの主な成分)は78.37℃で蒸発します。
つまり、80℃近い温度でアルコールと水の混ざった液体を加熱し、その蒸気を集めたら純粋なエタノールに近い液体が得られるということです!
そして蒸留という工程がある以上、結晶となる糖類などは蒸留後の液体に含まれることはほとんどありません。
つまり、ウイスキーは糖質ゼロのヘルシーなお酒と言えるでしょう!
ところが、実際ウイスキーを飲んでみると甘みを感じるものが多々あります。
そのウイスキーから感じる甘みとはいったい何なのでしょうか?
料理人の経験則から解説していこうと思います。
なぜウイスキーに甘みを感じるの?
ウイスキーは蒸留酒なので、糖質はほとんど含まれていません。
ところが、甘みを感じる銘柄も数多くあります。
ウイスキーから甘みを感じる大きな理由は、4つです。
- そもそもアルコールの刺激は「甘い」と感じる
- 原料からくる甘み
- 樽から甘みが出てくる
- 甘みが添加されているウイスキーもある
アルコールの味はそもそも「甘い」!?
アルコールの刺激と甘い香りを同時に感じたとき、脳は「甘い」と錯覚することがあります。
またアルコールと甘味とでは脳内で反応するエリアが近いのだとか。
脳内の近いエリアで刺激を感受した時に、甘い香りも感じたら味覚も「甘い」と錯覚してしまうことが多いそう。
そのため、ウイスキーなどのブラウンスピリッツには甘みを感じる銘柄が多いのです。
あくまでも僕の感覚ですが、アルコール度数の高いカスクストレングスのウイスキーには甘みを感じる銘柄が特に多いかなと思います。
わかりやすいウイスキー
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原料からくる甘み
ウイスキーは蒸留するため、糖分が残ることはほとんどありません。
ところが、蒸留するときアルコール度数を下げると原料由来の甘み・糖分が若干残ることがあるといわれています。
特にバーボンやテネシーウイスキーなどが顕著で、バーボンやテネシーウイスキーでは、法で定められている蒸留時の最大アルコール度数がスコッチやアイリッシュよりも低いです。
糖分が多いトウモロコシが主原料なことも相まって、わずかながら糖分が残りやすいそうです。
するととうもろこし由来の甘い香りや味わいも感じるので、バーボンやテネシーウイスキーには甘口のものが多くなります。
わかりやすいウイスキー
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樽から「甘み」が出てくる
ウイスキーは樽で熟成させて作られます。
ごく一部、樽熟成させなくてもウイスキーを呼ぶことができる種類もありますが、基本的には樽熟成がマストです。
そんなウイスキーの熟成に使われる樽には主に3つのタイプがあります。
- 新樽
- バーボン樽
- シェリー樽
新樽はその名の通り新品の樽のことで、木の香りウッディなニュアンスが良く現れます。
特にバニラ香やカラメル香などが得られやすく、バーボンなどのアメリカンウイスキーでは新樽の使用が義務となっているウイスキーもあります。
その一度使用されたバーボンの樽は、スコッチをはじめアイリッシュ、ジャパニーズなど様々なウイスキーの熟成樽として使用されます。
その樽が「バーボン樽」です。
バーボン樽はバニラ香やカラメル香はもちろん、バナナのようなフルーティさ・カスタードのような香りも得られやすいといわれています。
そしてスコッチウイスキーの伝統として使われているのが、酒精強化ワインのシェリー酒を貯蔵していた「シェリー樽」です。
もともとスコッチウイスキーの樽熟成の概念はシェリー運搬用の樽から始まったという歴史があります。
昔からスコッチではウイスキーの熟成にシェリー樽が用いられていて、ドライフルーツのような濃厚な甘みが得られやすいことが特徴です。
また、シェリー酒の中でも極甘のモスカテルやペドロヒメネスなどのシェリー樽を使うと、ウイスキーにもかなり甘みが出てきます。
他にも今は「ウッドフィニッシュ」という技法で様々な樽が用いられています。
例えば、甘口デザートワインの一つ「ソーテルヌ」やIPAや黒ビールなどの「ビール樽」などなど……
樽を通して別のお酒から、ウイスキーに甘みを与えていることがあります。
関連記事⇨『樽・カスク(cask)』とは? ウイスキーの味の決め手となる樽熟成について大解説!!
わかりやすいウイスキー
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甘みを足しているボトルもある
フレーバードウイスキーというジャンルがこれに当たります。
明確にはリキュールの一種となってしまいますが、ウイスキーに甘みやフレーバーを足したものがフレーバードウイスキーです。
飲みやすく、わかりやすい香り・味わいが特徴なのでウイスキーへ慣れるための一本としておすすめです。
ただ中には「ジョージディッケル タバスコバレルフィニッシュ」のようにタバスコの樽で熟成させたため明確にウイスキーと呼ぶことができなくなってしまった銘柄もあります。
こういう面白いウイスキーがあるものフレーバードウイスキーの特徴かもしれません。
わかりやすいウイスキー
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最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか?
過去の記事(甘口のウイスキーが知りたいあなたへ!意外と知らない驚くほど甘いウイスキー!!厳選したおすすめ銘柄17選)を補足する記事として今回書いてみました。
より深く、ウイスキーの「甘み」について解説していきましたが、楽しめたでしょうか?
ウイスキーは糖質ゼロなアルコールですが、甘い味もしっかりと楽しめるヘルシーなお酒だと思います。
ただ、いくらヘルシーと言えどお酒です。飲みすぎにはご注意してください。
それではよいウイスキーライフを!!
また次回もよろしくお願いいたします!
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