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【ウイスキー中級向き】ウイスキーも麦汁が大事!?麦汁に焦点を当てると見えてくるウイスキーの話!!


麦汁

 

ビールづくりにおいて麦汁は大事!

一番搾り麦汁だけをつかったキリンの「一番搾り」など「麦汁にこだわっています!!」と謳ったビールのCMは多いですよね。

 

でも「麦汁にこだわってます!!」と謳ったウイスキーって全然見ないですよね

 

ウイスキーは蒸留して、さらにそのあと樽で熟成させるから麦汁ってそんな大事ではないと思っていませんか??

実はウイスキーも麦汁に焦点を当てて見ていくと、味わいの違いが出てきます。

 

そこで今回は麦汁に焦点を当ててウイスキーを見ていくという他にないマニアックな記事としてまとめてみようと思います。

 

 

 

まず「麦汁」についておさらい

 

 

麦汁とは簡単に説明すると麦芽の甘ーいジュース

糖度でいうと1番麦汁が約20度2番麦汁が約5度といわれています。

 

果物の平均糖度を見ていくと

イチゴ  8~13度

メロン 12~18度

桃 13度

バナナ 16~20度

ぶどう 17度

 

 

つまり1番麦汁だけで見たらメロンより糖分が含まれていることになります。

 

ただ糖度で注意が必要なのが『糖度が高い=甘い』というわけではありません。

糖度は糖分が多く含まれているという意味で、糖類の中にはそこまで甘味を感じないものもあります。

例えばトレハロースという糖分。

これはよくパティシエや料理人、バーテンダーなどの間で糖度そのまま、穏やかな甘みにしたいときに使ったりします。例えば肉を漬けるとき、ホイップクリームを作るときなどなど。ほかにもいろいろ用途はありますが……。

 

麦汁の作り方

 

麦汁を作るためにはまず麦芽を作らなくてはいけません。

麦芽については過去の記事でまとめましたのでそちらをご参照ください!!

www.yaffee.work

 

麦汁を取るためには

まず麦芽を細かくつぶします。このつぶした麦芽のことを『グリスト』といいます。そしてグリストは粒の大きさで

外殻の多く含んだ一番大きなハスク

中程度のグリッツ(大体砂場の砂ぐらいの大きさです。)

一番細かいフラワー(いつも見ている小麦粉の細かさぐらいです。)

の3つに分けられます。

 

この比率をハスク:グリッツ:フラワー=2:7:1になるように調節することが多いようです。

 

この比率になった理由が気になる方は、難しい話になるのでウイスキー文化研究所のウイスキーコニサー認定試験対策の記事をご覧ください。

 

試験用 カテゴリーの記事一覧 - Yaffee's Whisky Blog

 

このグリストに約70℃ぐらいの温水をまぜ(この混ぜった状態の麦のおかゆのようなものをマッシ、マイシュといいます。)、糖化槽の中が65℃ぐらいになるように温度調節をして糖化させます。(この時のグリストと温水は大体1:4ぐらいです)

 

濾過し、一番麦汁を取ります。

 

今度は75℃の温水を大体グリストの2倍ぐらいの量、加えて同じように2番麦汁を抽出。

 

最後に85℃程度の温水を加えて、3番麦汁を抽出します。

中には95~100℃の温水を加えて4番麦汁を抽出するところもあるようです。

 

ウイスキーだと基本的に一番麦汁と二番麦汁を混ぜて糖度13~14度ぐらいにして発酵させます。

三番麦汁や四番麦汁は次の一番麦汁や二番麦汁を抽出するときの温水にすることが多いそうです。

 

 

 

 

そもそも麦汁ってどんな味??

 

 

ここを自分自身で経験したかったら、「キリン一番搾り おいしさの秘密見学ツアー」に参加してみるのをお勧めします!!(現在コロナのため工場見学は行っていないようです。)

 

www.google.com

このツアーでキリンの一番麦汁と二番麦汁の飲み比べができます。

 

僕個人の感想ですが、一言でいうと「全く塩気のない砂糖醤油を水で伸ばした感じ」です。

 

甘味と旨味が強い感じ。ちょっと不思議な説明になりますが、ちょっとモクモクした輪郭の味わいです。(僕の味の覚え方が、輪郭で覚えるというクセがあるのでわかりにくくてすみません。。。)

 

同じ大麦の量でも麦汁のとり方で最終的にウイスキーになる量が変わる??

 

 

大麦から最も多くのウイスキー(アルコール)を造りたいとき、製造工程の中でどこが一番気を付けなくてはいけないか。

それは発酵工程でも蒸留工程でもなく糖化工程。

つまり麦汁を抽出するときだそうです。

 

それはなぜか。

 

蒸留時にアルコールをより多く濃縮するためには、酵母により多くのアルコールを作ってもらう必要があります。

その酵母にアルコールを作ってもらうためには、糖化工程でなるべく多くの糖を作ればいいわけです。

 

 

それだけではなく、最終的にウイスキーの味わいを変えてしまう大事な工程でもあります。

 

麦汁の抽出時の温度は1℃で味が変わる!!

 

ちょっとだけ難しい話をします。

糖化は酵素の働きによってでんぷんを糖に変える作業ですが、ウイスキー造りの場合このでんぷんを糖に変える酵素(アミラーゼ)には大きく2つの酵素があります。

 

α-アミラーゼβ-アミラーゼです。

 

α-アミラーゼはでんぷんを適当なサイズで分解していく酵素のことで、65~70℃の温度でよく働きます

β-アミラーゼはでんぷんの結合を2分子ずつ分解していく、つまり二糖類である麦芽糖を多く作ってくれます最も活性化する温度は55~66℃です。

 

 

65℃、つまり両方とも活性化する温度が糖化工程のセオリーだそうですが、あえて65℃より低くしたり、高くしたりすることも多いようです。

 

温度を低くするとβ-アミラーゼがよく働くので麦芽糖がよくできます。つまり酵母が食べてアルコールに変えることができる糖分が増えるということ。

そうなるとアルコール発酵に多くの糖分が使われるので、結果ライトなウイスキーに仕上がりやすいそうです。

反対に温度を高くするとα-アミラーゼがよく働き、β-アミラーゼの働きが弱くなります。するとようになり、結果ウイスキーは重めな酒質になるといわれています。

 

 

また糖分以外にも温度が高いと緑茶と同じように苦み成分がよく出てきます。

 

 

煎茶の抽出温度は70~80℃ぐらいがベスト。

この温度だと緑茶の苦みを抑え、旨味や甘味を引き出すことができます。

 

同じように麦汁の抽出の時も高い温度では、苦み成分であるタンニンが抽出されやすいそうです。

つまり糖分以外にも高い温度の抽出は重ためな成分が出やすいようです。

 

抽出方法の違いは全く味わいが変わる!

 

麦汁の抽出方法はインフュージョンデコクション法の二つに分かれます。

簡単に説明するとインフュージョン法はお茶のように抽出する方法。デコクション法は一部だけ麦汁を煮て、戻すことで糖化させる方法です。

 

インフュージョン

 

インフュージョン法にはさらにワンステップ・インフュージョン法とツーステップ・インフュージョン法があります。

これは温度管理を1段階だけにするか、2段階行うかの違い。

 

2段階に分けて行うことで、より澄んだ麦汁を得ることができますが、コストがかかるそう。

ウイスキーではコスト重視のワンステップ・インフュージョンが多いようです。

 

ツーステップ・インフュージョン法は初めに50℃ぐらいの温度でたんぱく質の分解を行います。その後65℃ぐらいに温度を上げて、糖化を行います。

そうすることでたんぱく質アミノ酸に変わりやすく、澄んだ麦汁を得ることができる傾向があります。

 

 

デコクション法

 

デコクション法はグリストと温水を混ぜたマッシュの一部を別の鍋に移し、別鍋のほうのマッシュを煮ます。

こうすることで煮たほうはものすごく濃くエキス分を抽出することができるそうです。そして元のマッシュに戻して糖化させます。

大体この工程を2~3回程度繰り返し、糖化を行うそうです。

 

インフュージョン法より濃ゆい麦汁を得ることができるそうです。

またワンステップ・インフュージョン法より澄んだ麦汁になる傾向があります。

 

ツーステップ・インフュージョン法とデコクション法は主にビールに多い方法ですが、ウイスキーでも行っているところ、実験しているところはあると思います。

特にビール工場が併設されている蒸留所や元ビール工場の蒸留所はもしかしたらやっているかもしれないですね。

 

 

麦汁の濁り具合で味が変わる!!

 

基本的に糖化時の温度や抽出方法で麦汁の状態が大きく変わることは分かったと思います。

ここまでの流れだと澄んだ麦汁のほうが優れているように感じると思います。

 

しかし、あえて濁った麦汁に誇りを持っている蒸留所もあるようです。

中でも特に有名な所は「ブレアアソール」蒸留所。

 

ブレアアソールは麦汁の濁り具合で味わいの重みを出しているようです。

 

全部の工程とのバランスが大事なんだと思います。

料理でも例えば

同じ煮物を作るときでも、きれいに同じ大きさに切りそろえた野菜よりばらつきがあるカットにすることでいろんな味わいが楽しめるので、あえてばらつきを作ることもあります。

 

全てベストの工程を行うよりあえて一部を崩した工程をした方が味わい深くなるということは、料理も酒造りも同じだと思います。

 

 

 

最後まで今回の記事を読んでいただきありがとうございます。

麦汁に焦点を当てたウイスキーの話いかがだったでしょうか

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