今は無き閉鎖蒸留所『キャパドニック Caperdonich』その特徴・ストーリーとは? 『ピーテッド 18年』のテイスティングレビュー【おすすめ度:★★★★★】

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yaffee
もうすでにない蒸留所のウイスキーって、それだけで飲んでみたくなりますよね!

 

本日もお越しいただきありがとうございます!!

ウイスキーを愛する料理人Yaffeeです。

@TW0GPYU3yMS7N3o

 

今回ご紹介するのは……

ペルノリカールジャパン(株)から2020年9月28日に発売された

スコッチシングルモルト『シークレット・スペイサイド』コレクション!!!

そのうちの一つ『キャパドニック Caperdonich 蒸留所』についてご紹介していこうと思います。

 

また『キャパドニック Caperdonich ピーテッド 18年』のテイスティングレビューもまとめました!!

希少で極上な新商品のシングルモルトウイスキー、その魅力に迫ります!!

 

目次

『シークレット・スペイサイド』コレクションとは

『シークレット・スペイサイド』コレクションは、ペルノリカール社からリリースされるコレクション

 

スペイサイドは、200か所以上あるスコットランド蒸留所のうち100以上の蒸留所が密集している地域

華やかでフルーティな特徴のウイスキーが多く、この地域のシングルモルトウイスキーがファンという方も多数います。

またブレンデッドウイスキーでも、味わいの中核となるキーモルトとして使われやすいです。

スペイサイドは、シングルモルトとしてもブレンデッドウイスキーの原酒用としても人気の高い地域で、「スコッチウイスキーの聖地」の一つに数えられています。

\スペイサイドを詳しく知りたい方へ/
当ブログのスペイサイドの記事はこちら

ペルノリカール社は、ウイスキー大手企業の中でも特にスペイサイドに多くの蒸留所を保有する企業

『シークレット・スペイサイド』コレクションは、特にコアなモルトファンから人気の高い4つのスペイサイドモルト蒸留所を厳選。

18年以上の熟成年数を誇るシングルモルトウイスキーのコレクションとなっています。

竹鶴政孝の修行先の一つ。

『ロングモーン Longmorn』

 

もうない、幻のウイスキー蒸留所

『キャパドニック Caperdonich』

 

シーバスリーガルを支えるモルト

『グレンキース Glen Keith』(日本発売は2022年1月24日にプレスリリース)

 

多くのブレンデッドを支える蒸留所

『ブレイス・オブ・グレンリベット Bres of Glenlivet』 (日本発売はまだ未定)

 

こちらのコレクションの選定を行ったのが、現在グレンリベットのマスターディスティラーのアラン・ウィンチェスター氏

 

今まであまり知られることのなかった極めて希少なシングルモルトウイスキーを選定。

ウイスキー愛好家のために「希少性と個性」を楽しめるコレクションにしたそうです。

『シークレット・スペイサイド』のコンセプト

 

シークレットスペイサイドシリーズには3つのコンセプトがあります。それは……

  1. Authenticity
    蒸留所のストーリーと個性
  2. Simplicily
    蒸留所の特徴をそのまま活かしたコレクション
  3. Premiumness
    希少で厳選された高品質なウイスキー

 

去年(2019年)海外マーケット向けに先行販売されました。

日本国内向けには、本日(2020.9.28)第1弾としてロングモーンから3アイテム、キャパドニックからノンピートとピーデッドで3アイテムずつ計9アイテムがリリースされます。

 

このコレクションの中でも今回は、キャパドニック蒸留所についてみていこうと思います!!

幻のウイスキー蒸留所『キャパドニック』について

キャパドニック蒸留所は1898年創業。

スペイサイドの中でもローゼスという地域に建てられました。

スペイ川のほとりにある正真正銘のスペイサイドモルト蒸留所です。

 

この地域で最後に建てられた蒸留所で、グレングラントの第2工場として誕生。

そのため創業当時は「グレングラントNo.2」と呼ばれていたそうです。

 

しかし創業してすぐに「ウイスキー不況」の煽りを受け、苦難の道を歩むこととなってしまいました。

ついには1901年この蒸留所は操業停止に追い込まれてしまいます

 

1965年ようやく再開。

この時に「キャパドニック」に改名。

「キャパドニック(Caperdonich)」はゲール語で「秘密の泉」という意味です。

キャパドニックはかつて、秘密裏に愛を誓う恋人たちの密会所でした。

 

言い伝えによると……
17世紀のある夜、当時スコットランド大法官を務めた当時の権力者、ロシズ公爵が愛する娘の恋人を殺めてしまった場所だそうです。

それが由来となって、ブランドロゴには短剣が描かれています。

 

キャパドニックは、グレングラントと同じ原料、同じ仕込み水を使用していました。

ただ造られるモルトウイスキーは全く異なります。

全盛期のキャパドニックはピーデッドとノンピートの2タイプをスモールバッチ(少量生産)で製造

 

第二次大戦後、アメリカでブレンデッドウイスキー人気となり、その影響で周囲の蒸留所はどんどん拡張、生産量を増やしていっていました。

そんな中でもキャパドニックは、ウイスキーへの信念を忘れるとこなく小さい規模でウイスキーを造り続けていました

クラフトマンシップを重視したモルトで、ウイスキー愛好家からかなり人気の高い銘柄だったそうです

 

ただ2003年、惜しまれつつも閉鎖。

2010年には完全解体されてしまいました。

その跡地は大手ポットスチルメーカー『フォーサイス社』が買い取り、今では組み立て中のスチルが置かれた更地となっているそうです。

 

ただキャパドニックは、創業から一度もオフィシャルリリースのされませんでした

今までボトラーズ商品でした味わうことができませんでした

 

閉鎖して約18年、今回の『シークレット・スペイサイド』コレクションが、オフィシャルとして初めてリリースされた「キャパドニック」となります

 

しかも今回のリリースはノンピートとピーデッドの2タイプからそれぞれ3アイテムずつのリリース。

 

そして今回、「ピーデッド 18年」を入手することができましたので、早速テイスティングさせていただこうと思います!!

 

『キャパドニック ピーデッド 18年』
テイスティングレビュー

アルコール度数 48%
年数 18年
ボトル容量 700ml
価格帯 10000~20000円
評価 [star-list number=4.5]94/100

 

濃いめの色合いの黄金色

アロマ

シャインマスカットのような甘いフルーツ香に焚火のような香ばしくスモーク。

リンゴや三温糖、ジンジャーのスパイス感とほのかなオレンジ。

 

コメント

 

ストレート

ファーストコンタクトはかなり優しいです。

 

48%のアルコール度数を感じさせない舌触り

ただ舌に広がった瞬間に、ベリーやマスカットのフルーツ香、焚火のようなスモーキーさ、和三盆のような甘さ、穀物のようなニュアンスなどなど複雑なフレーバーが口一杯に広がり、鼻から吹き抜けます。

 

そしてフレーバーが爆発したまま伸びます

スモーキーさにややスパイスとハーブティーのようなアフターフレーバー

 

複雑な味わいだが、全体的には味わいがやさしくライトめです

yaffee

長期熟成だがまったくくどくなく、著名人なのに親しみやすい人格者のようなウイスキー

 

少量加水するとベリー系のニュアンスとスモーキーさがさらに強くなります。

すっごくフルーティ。

飲んでみるとより優しく、より香りが強いです。

yaffee
ややナッツのような余韻もあり、変化が楽しい!!

トワイスアップ

スモーキーさとマスカット。

ちゃんと薫香もしますが、華やかな香りでまとまっています。

 

飲んでみると酸味を少し覚えますが、ストレートより鮮明にスモーキーフレーバーを感じます

 

最後までスモーキーフレーバーが残りますが、その余韻も深く長いです。

yaffee

スモーキーなのに優しく、揺れる焚火を眺めているようなゆっくりとした時間を楽しませてくれる一本です。

ロック

スモーキーですが、マンゴー、白い花、リンゴといった華やかな香りも感じます。

飲んでみると苦味が勝っている感じがします。

 

スモーキーなのですが、そのスモーキーさが悪く目立っていてストレートの時に感じたフルーティさが弱いです。

スモーキーな余韻も心地いいのですが、少しバランスの悪さを感じてしまいます。

yaffee
ドライに楽しみたい方にはいいと思いますが、このウイスキーの魅力は引き出せてないですね。

ハイボール

香りからしてかなりスモーキーです。

フローラルな印象もありますが、香りの面ではスモーキーさが勝っています。

 

飲んでみるとやっぱり薫香が勝っていました。

一瞬マスカットを感じつつも一気にスモーキーさの渦に飲み込まれます

燻製によるえぐみのようなものも感じつつバランスは完全にスモーキーよりで余韻もそこまで長くなくはかなく終わってしまいます。

ほかのウイスキーのハイボールに比べたら圧倒的なうまさと変化の驚きがあります。

 

yaffee
ただ余韻まで考えたときにストレートやトワイスアップの方がよかったと思います。

水割り

水割りにしては香りが結構あります。

スモーキーさが強いですが、フローラルな印象も感じます。

飲んでみると、スモーキーさは相変わらず主体ですが、マスカットのようフルーティさも感じます。

 

口当たりは優しいです。

ただフレーバーは優しくないぐらいに複雑に主張してきます(笑)

アフターフレーバーまでスモーキーさが続き、余韻はしっかり長めです。

yaffee
水割りにしては主張が強いです!面白いし、好み!

お湯割り

香りはスモーキーさと溶剤のようなエステリーさ、マンゴー・リンゴ・オレンジのフルーティさ。

口当たりが優しく、ボディはしっかりめです。

 

オレンジとマンゴーのフレーバーが口いっぱいに広がり、そこからあふれた香りがアフターフレーバーとして鼻からも抜けていきます。

その後スモーキーさがすべてを飲み込んでいき、そこからは長い薫香の余韻が続きます。

 

余韻の中にすこしだけモルティさとジュニパー、クローブのスパイス香も感じます。

yaffee
思わず「はー」っとため息が出るほど深みのある味わいです。

飲み方別おすすめ度

飲み方 おすすめ度
ストレート [star-list number=5]5
トワイスアップ [star-list number=5]5
ロック [star-list number=1]1
ハイボール [star-list number=2]2
水割り [star-list number=4.5]4.5
お湯割り [star-list number=5]5

フレーバーチャート

お買い求めはこちら

 

かなり高級なウイスキーだと思いますが、この値段にふさわしい極上のモルトです!

特別な日の贈り物や自分へのご褒美などにはいいかもしれませんね!

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回のお話いかがだったでしょうか。

 

 

面白かった、ためになったと思っていただけたら嬉しいです。

 

また次回もよろしくお願いいたします。

それでは良いウイスキーライフを!!!

 

※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。お酒は楽しく適量で。

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

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