イタリアでNo.1のスコッチモルトウイスキー グレングラント Glen Grant蒸留所

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イタリアで人気No.1のシングルモルトであるグレングラント蒸留所についてまとめました

グレングラント蒸留所は、スコットランドのスペイサイド・ローゼス地区にあります。

豊かな自然と豊富な水源のある地域でウイスキー造りに適した土地です。

1840年にジョンとジェームズのグレント兄弟が創業。

政治家でもあった兄ジェームズはスペイサイドに鉄道を作った人物であり、グレングラントはその鉄道を使っていち早く世界へシングルモルトをプロモートしたウイスキーの一つとなっています。

ジェームズの息子で2代目のザ・メジャー・グラントが「ライトで飲みやすいシングルモルト」を作り出し、世界的に人気の銘柄へと成長。

ザ・メジャー・グラントが掲げた「飾らないこと(simplicity )」というモットーを100年以上も守り続けています。

グレングラントは、イタリアで一番売れているスコッチシングルモルトウイスキーです。

特に短期熟成のシングルモルトの人気が高く、イタリアでのシェアは「グレングラント 5年」が人気です。

日本市場に「グレングラント5年」は入ってきていませんが、「グレングラント アルボラリス」は、YouTubeやブログなどでよく紹介され爆発的な販売数となっています。

フルーティさとスムースでライトな味わいが特徴

バランスがよく、初心者でも親しみやすいシングルモルトウイスキーです。

今回はグレングラントについて特徴やストーリー、ラインナップをご紹介していこうと思います。

目次

グレングラント蒸留所について

グレングラント蒸留所は、”スコッチウイスキーの聖地”『スペイサイド』にある蒸留所。

スペイサイドの中でもローゼス地区にあり、この地区を代表する銘柄です

グレングラントの名は、スコッチウイスキーの蒸留所名の中では異色

多くの蒸留所は地名が使われていますが、「グレングラント」は創業者(グラント兄弟)の名前が由来となっています。

スコッチウイスキー蒸留所の中では、初めて人の名前が付けられた蒸留所だといわれています。

現在、カンパリ社がこの蒸留所を所有。

日本では、『ワイルドターキー』や『カンパリ』を販売するCT Spirits Japan(株)が輸入・販売を行っています。

グレングラントのストーリー

グラント兄弟による創業

グレングラント蒸留所はジェームズとジョンのグラント兄弟が1839年に蒸留所営業許可を申請。

1840年に創業します。

蒸留所が建てられた場所は、近くに海とロッシーマス港、南にはスペイ川、周囲には大麦が育つ平原とモルトウイスキー造りに最適な場所でした。

兄ジェームズ・グラントは政治家・法律家であり、スコットランド最後の氏族の反乱である「エルギン襲撃(1820年)」の指揮に貢献した人物。

タータンチェックのウェストコート姿のジェームズ・グラントは、ハイランド地方の伝統を強く受け継いでいることを示しているものとして、グレングラント蒸留所に誇らしげに飾られています。

ジェームズ・グラント
ジェームズ・グラント(出典:https://www.glengrant.com/our-story/

ロッシーマス港からエルギンまで列車を運行するモレイシャー・レイルウェイ・カンパニーを創設します。

この鉄道によって供給ラインの建設が容易になり、他の蒸留所の建設や地域発展に貢献

ジェームズ・グラントはこの功績により貴族となり、1851年機関車の一つに「グレングラント」の名が付けられました。

弟ジョン・グラントは、穀物商の傍らアベラワー蒸留所で蒸留技術を学び、製造面で蒸留所に貢献。

この2人により、グレングラントの礎が築かれていきました。

2代目 ジェームズ(ザ・メジャー)・グレント

ザ・メジャー・グラント(出典:https://www.glengrant.com/our-story/

メジャー・グラントは釣りや世界旅行、ハンティングを好む典型的なカントリージェントルマンだったと言われています。

ツイードスーツに身を包み、立派なセイウチ髭をたくわえていました。

スコットランドで初めて車を所有した人物だといわれており、ロールスロイスを乗り回していたそうです。

周囲から「グラント大佐(The Major:ザ・メジャー)」といわれており、過去に「グレングラント ザ・メジャー・リザーブ」という名の定番ボトルがリリースされていました。

定番ボトルの名前になるほど、グレングラント蒸留所に大きな影響を与えています。

メジャー・グラントは大きく3つの改革を行いました。

  1. ライトでクリアな味わいのシングルモルト
  2. スコッチ史上初、蒸留所に電気を導入
  3. ヴィクトリアガーデン

ライトでクリアな味わいのシングルモルト

S8z11, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

スチルの形をストゥーパ型という細長く独特の形に変更、 すべてのスチルにピュアリファイヤー(水冷式精留器)を導入します。

これによりライトでスムースなシングルモルトウイスキーを作り上げ、スコッチウイスキー業界に革命をもたらしました。

当時はスペイサイドというジャンルはなく、ピーティーでヘビーなハイランドタイプのウイスキーが多かったといわれています。

メジャー・グラントは世界的に見たら、ライトなウイスキーが求められていると考えたのでしょう。

フルーティでエレガントな軽い味わいがたちまち人気となります。

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すべての蒸留器にピュアリファイヤーが取り付けられているのは、今でもグレングラントだけです。

スコッチ史上初、蒸留所に電気を導入

1880年代後半にスコットランドとアイルランドの全てのウイスキー蒸溜所を訪問したアルフレッド・バーナードは、グレン・グラント蒸溜所を訪問した時に「14馬力と24馬力の2台の蒸気エンジンがあり、ダイナモ(発電機)を回して得られる電気を蒸溜所内とオーナーであるMajor Grant(グラント大佐)の邸宅の照明に使っている。北スコットランドの製造業で初めてのことである」と記している。

引用:稲富博士のスコッチノートより

1883年にスコッチウイスキー蒸留所として初めて発電装置を導入します。

またポットスチルの間接加熱をいち早く導入

現在ではほとんどの蒸留所が間接加熱ですが、当時のスコットランドでは直火蒸留が基本でした。

原酒の安定性が増して効率が改善されます。

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ライトでクリーンな酒質となりやすい間接蒸留が、グレングラントには合っていたのだと思います。

ヴィクトリアガーデン

メジャー・グラントは、世界中と旅して集めた多彩な植物とエキゾチックな果実を展示するため、1886年にヴィクトリア朝のガーデンを設立します。

22エーカー(約サッカーグランド22個分)ほどの果樹園、牧草地、渓谷があり、メジャー・グラント自身が建てた展示館もありました。

そこに客人を招き、グレングラントを振舞っていたという話があります。

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「ザ・メジャー・リザーブ」の後釜である「アルボラリス」はこのヴィクトリアガーデンからインスピレーションを得たボトルです。

1931年に亡くなったメジャー・グラント。

彼がなくなった後には、世界で最も有名なスコッチ蒸留所」の一つとなったグレングラントが残りました。

ちなみにメジャー・グラントの執事にまつわるストーリーがすぐ近くの蒸留所『グレンロセス』にあります。

ぜひこちらの記事も合わせてお楽しみください。

その後のグレングラント

1897年、好調だったグレングラントは、お隣に第2工場(グレングラント No.2)を建設します。

ところが、ウイスキー不況の影響を受け「グレングラント No.2」は1902年までと短い期間しか稼働していませんでした。

その後しばらく家族経営を続けていましたが、1953年にグレンリベットと合併。その傘下の蒸留所として稼働することとなります。

1965年、閉鎖されていた「グレングラント No.2」が再開。

同時期に「グレングラント No.2」は「キャパドニックへと改名します。

1977年にシーグラム社が買収。

2001年にペルノリカール社がシーグラム社の酒類部門の一部を買収。

グレンリベットとグレングラントは、ペルノリカール社がオーナーとなります。

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当時シーグラム社が「シーバスリーガル」を所有していたため、グレングラントはキーモルトに使われていました。

2006年にイタリアのリキュール大手カンパリ社が、グレングラント蒸留所を買収。

現在グレングラントはカンパリ社がスコットランドに所有する唯一の蒸留所です。

スコッチ史上最長キャリアのマスターディスティラー

1961年、現在のマスターディスティラーであるデニス・マルコム氏のキャリアが見習い樽職人からスタートします。

グレングラント蒸留所 マスターディスティラー デニス・マルコム氏
デニス・マルコム氏(出典:https://www.glengrant.com/our-story/

カンパリ社がグレングラント蒸留所を買収した2006年にマスターディスティラーに就任

2011年、グレングラント蒸留所で働き始めて50周年を記念して「グレングラント ファイブディケイズ」がリリースされます。

最も長くスコッチウイスキー蒸留所で働いている人の一人で、60年以上もスペイサイドでグレングラントやそのほかの蒸留所の管理に携わってきました

2013年には、グレングラントの瓶詰工場を併設し、スペイサイドで唯一ボトリング設備を持つモルト蒸留所となります。

オープン式典には、チャールズ皇太子が参加しています。

グレングラントの作り方

グレングラントは、シンプルで飾らないライトなスペイサイドスタイルのモルトウイスキーを作っています。

2つのポイントがグレングラント蒸留所の製法の特徴です。

グレングラントのウイスキー造りを知るポイント
  1. ミネラル豊富な製品よりも色の濃い仕込み水
  2. 独特な形のスチルと精留器

ミネラル豊富な色の濃い仕込み水!

(出典:https://www.glengrant.com/visit-us/

グレングラントはピート層を通って湧き出る焦げ茶色の仕込み水を使用しています。

ブラックバーン(黒い川)とも呼ばれるグレングラント川の湧き水で、ミネラル豊富な水がグレングラントのウイスキー造りには欠かせないそうです。

独特な形のスチルと精留器

ストゥーパ型と呼ばれる細長く独特な形のポットスチルすべて精留器が取り付けられています。

これにより、還流が起きやすいことがグレングラントの蒸留の特徴です。

還流とは?

蒸留中に、ポットスチル内で蒸気が再び液体となり戻っていく現象のこと。

還流が起きやすいほどクリーンな蒸気だけが蒸留され、ライトでスムースな酒質となる傾向があります。

グレングラントは、風味が豊かなスコットランド産の大麦のみを使用。

高品質なバーボン樽とスペインシェリー樽を厳選し、限られた回数しか使用しないようにしています。

樽の選択は、マスターディスティラーのデニス・マルコム氏がひとつひとつ手作業で行っているそうです。

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樽職人の見習いからキャリアを始めたデニス氏のこだわりが見えますね!

 モットーは 、「飾らないこと(simplicity )」

メジャー・グラントが2代目に就任してからグレングラントは「飾らないこと(simplicity )」のモットーを守り続けています。

デニス・マルコム氏もこの基本理念からブレずウイスキーを作り続けており、シンプルでライトな味わいが多くのファンを魅了しています。

グレングラントはオフィシャルボトルでカスクフィニッシュ(様々な樽を使用した製品)を行うことがほとんどありません。

定番リリースでは奇を狙うことない王道のスペイサイドスタイルです。

磨かれた原酒とバーボン樽熟成をメインに使用したフローラルでエレガントな軽い味わいが特徴となっています。

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カスクフィニッシュをさせたグレングラントが味わいたいのならボトラーズがおすすめです!

グレングラント  のラインナップ

グレングラント アルボラリス

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・スペイサイド
アルコール度数40%
バーボン樽とシェリー樽
熟成年数ノンエイジ

グレングラント蒸留所180周年を記念してリリースされたノンエイジタイプのシングルモルトウイスキー。

アルボラリスは、ラテン語で「木漏れ日」の意味で、その名の通り明るい色合いと華やかでライトなテイストが特徴です。

蒸留所のヴィクトリアガーデンに差し込む木漏れ日からインスピレーションを得てつくられました。

バーボン樽とシェリー樽で熟成された原酒を使用。

それぞれの特性を生かしてブレンディングされています。

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フルーティ&フローラル

グレングラント 10年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・スペイサイド
アルコール度数40%
バーボン樽とシェリー樽
熟成年数10年

グレングラント蒸留所の定番ボトルの一つ。10年以上熟成させたノンピートタイプの原酒を使用しています。

ノンエイジの「アルボラリス」に比べて熟成感があり、ややリッチなテイスト。

青リンゴと穀物、フローラルなフレーバーが特徴です。

親しみやすさの中にフルーティなフレーバー。

「飾らないこと」をモットーに、スコッチを代表するスペイサイド産シングルモルトの王道スタイルを貫いています。

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フルーティ&フローラル

グレングラント 12年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・スペイサイド
アルコール度数40%
バーボン樽とシェリー樽
熟成年数12年

グレングラント蒸留所の定番ボトルの一つで、12年以上熟成された原酒のみを使用した一本。

「10年」より熟成感があり、よりリッチなテイストです。

青リンゴのようなフルーティさにフローラルなフレーバー

レーズンとスパイスにシリアルの印象があり、余韻が長く続きます。

10年に比べてほのかにシェリー樽のニュアンスが強く感じます。

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フルーティ&フローラル

グレングラント 15年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・スペイサイド
アルコール度数50%
バーボン樽
熟成年数15年

グレングラント蒸留所の定番ボトルの中で、

  • ハイプルーフ(アルコール度数50%)
  • ノンチルフィルタード
  • バーボン樽熟成

と異色のキャラクターです。

バーボン樽によるハチミツのような華やかで甘い香りにリッチなテイストと軽い味わい

フルーティかつフローラルなフレーバーが長く続きます。

王道でシンプルながら、グレングラントの世界と多様性を感じる一本です。

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リッチ&フルーティ

グレングラント 18年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・スペイサイド
アルコール度数43%
バーボン樽
熟成年数18年

グレングラント蒸留所の定番リリースの中では、最長の一本です。

ノンピートの麦芽で作られバーボン樽で18年以上熟成させてた原酒が使用されています。

グレングラントらしいシンプルで親しみやすく、リンゴのようなフルーティさとハチミツやバニラのような華やかなフレーバーが特徴

エレガントで気品がありながら、飲みやすい味わいが楽しめます。

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グレングラント蒸留所データ

創業1840年
創業者ジェームズ&ジョン・グラント兄弟
オーナー会社カンパリ社
仕込み水キャパドニックヒルの泉から流れるグレングラント川
年間生産能力(100%アルコール換算)約240万ℓ
麦芽ノンピート麦芽
発酵槽オレゴンパイン製10基 
ポットスチル初留釜2基、再留釜2基
生産区分スコットランド
スペイサイド
ローゼス

※ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう。お酒は楽しく適量で。

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この記事を書いた人

香りづけに使用したことからウイスキーにどっぷり嵌ってしまった料理人です。
調理師の仕事をしつつ、ウイスキーと料理の魅力を紹介するためにブログ・メディアを作成。
様々な視点からウイスキーを解説しています。

コメント

コメント一覧 (10件)

  • id:okatruck さん>コメントありがとうございます!!
    申し訳ございません。僕のミスで不完全な状態の記事が更新されていました。
    更新しなおした結果コメントが消えてしまい、申し訳ございません。
    イタリアでシングルモルトウイスキーといったらグレングラントというほど人気なんですよね!!

  • イタリア人もウイスキーを飲むという習慣があったことが新鮮でした( ^ω^ )
    でもイタリア行く機会があったら、やっぱりウイスキーじゃなくてワインを頼んでしまいそうです(^^;;
    うーん、でもマフィアの親分さんはワインってよりもウイスキーの方が似合いますかね(‘ω’)
    ウイスキー飲みながら、ベレッタの手入れしているイメージが←映画バカ´д` ;

  • id:okatruck さん> 確かに!!!
    ベレッタM9あたりをカチャカチャやりながら、ロックグラスでウイスキーストレートはめっちゃ絵になりますね!!

  • id:santa-baking さん>水はパンも料理もお酒造りも基本になりますからね!!
    遊び人ながらも父に誇りを持っているように見えるメジャー・グラントはすごく好きです!!

  • id:kumimamakun さん>いつもコメントありがとうございます!!やはり食べもの、飲み物の基本は水ですね!!

  • id:funyada さん>そうですね。兄も弟もどちらも得意分野で成功。そしてその息子もアイディアマンだったってなると優秀な家系だったんだなと思います。

  • id:zarugawa さん>いつもコメントありがとうございます!!僕も行ってみたいです!!そしてその水を飲んでみたいです!

  • id:learn-english さん>ありがとうございます!!今後ともよろしくお願いいたします!!

  • id:mossa11 さん>コメントありがとうございます!!イタリアでモルトウイスキーといったらグレングラント5年だそうです。日本だとなかなか手に入らないので飲んでみたいです。。。

  • idcyuuson さん>コメントありがとうございます!!ぜひぜひこのウイスキーは初心者でも飲みやすくてコスパもいいウイスキーだと思いますので、おすすめです!

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